井上晴美さんの腰痛の原因がわかったところで、解消法は? 理学療法士の田舎中真由美先生が、骨盤底筋や腟にもアプローチする基本のストレッチの中から、症状にあわせて指導します。
井上晴美さんのお悩みカルテ
井上晴美さん(47歳)
- ●出産状況
33歳 第一子、35歳 第二子、37歳 第三子すべて帝王切開 - ●体の不調と悩み
腰痛、生理不順は年齢的なものなのか知りたい - ●悩みを解消するためにしていること
時々、整体に行く程度 - ●日中の過ごし方について
座っていることが多い(椅子あるいは床) - ●運動習慣について
軽いストレッチ程度
月経前症候群で、気分の落ち込み、イライラが出ることも。「母親が更年期の際に、メンタルのアップダウンがひどくてつらそうだったので、自分も今後が心配です」
井上晴美さんの場合
- ・上半身と骨盤が左にねじれている
- ・骨盤底筋に左右差がある(左が硬い)
- ・腹直筋の離開
- ・骨盤の前傾歪み(お腹が前に出ている)
井上晴美さんの腰痛の原因は、体のねじれが強く、崩れたバランスを腰で支えようとしていたこと、と判明。
また「腹直筋離開があるため、インナーマッスルが効かず、支えが弱いことからお腹を突き出す姿勢になり、骨盤が前に反りやすくなっていることがわかりました」(田舎中真由美さん)。
骨盤底筋はしっかりと動いていたので、今のところは問題なし、の診断。どちらかというと上半身のねじれのほうが問題で、放置すると腰痛を繰り返してしまうことに。
「まずは上半身のねじれをリリースして、お腹の筋肉をしっかり使い、本来のバランスを取り戻していきましょう」
理学療法士の田舎中真由美さん(上写真右)に相談する井上晴美さんとK美さん。
この順番でトレーニング!
上半身のねじれをとる!
腹斜筋ストレッチ
-
- ● 両膝を左側に倒し、手のひらを上に向けて「バンザイ」のポーズをとる
- ●「吸って吐いて」呼吸を繰り返す
- ● 両膝を反対側に倒して、同じく呼吸を繰り返す
胸を開いてねじれをとる!
胸ねじりストレッチ
- ● あお向けに寝てから横向きになり、手のひら同士を重ね、膝を曲げておく
- ● 下半身は動かさないようにしたまま、胸を開いて、両腕を大きく床に伸ばす
- ● この位置で助骨を意識して呼吸を繰り返す
骨盤の左右差をとる!
ハッピーベイビーストレッチ
- ● あお向けになり、両膝を曲げて両手で膝を抱える
- ● 両手を膝の内側から伸ばし、足を小指側から持つ
- ● 膝を開いて、かかとを天井に向ける
- ● ゆっくりと腹式呼吸を10回ほど繰り返す
骨盤底筋と腟を同時に鍛える!
骨盤底筋トレーニング
- ● 床によつばいの姿勢をとる
- ● 握った両手で額を支える。足はつま先立ちで
- ● 腹式呼吸(吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにへこむ)を行う。吐くときに腟を頭の方向に引き上げる
井上晴美さんにおすすめのトレーニングは、上の4つを順に行うこと。
腹斜筋ストレッチ、胸ねじりストレッチで上半身のねじれをとってから、ハッピーベイビーストレッチで骨盤のねじれをとり、左右差のバランスも整えます。
「井上晴美さんは今は問題ありませんが、骨盤底筋に効く骨盤底筋トレーニングは生理不順の改善にもつながるので、ぜひ取り入れるようにしてください」(田舎中真由美さん)
※骨盤底筋&腟トレーニングの基本5つの動作は、コチラの記事で読むことができます。
診断を終えて
胸や腕など体がねじれていたり、骨盤が歪んでいたり…など、自分ではまったく気づいていないことばかりで「目からウロコ」状態でした。
本来のバランスで真っすぐ立ったときのイメージを忘れないように、トレーニングしたいと思います。
指導してくれたのは
田舎中真由美さん
Mayumi Tayanaka
フィジオセンター センター長。臨床経験20年以上、1万5000人以上診てきた理学療法士。専門は腰や骨盤まわりの痛み、産後の骨盤まわりの緩みや痛み、尿もれの改善
実践したのは
井上晴美さん
Harumi Inoue
1974年生まれ、熊本県出身。16歳で芸能界入りし、ドラマ・映画・舞台など数多くの作品に出演。国際結婚ののち、現在3児の母。出産を機に東京を離れ、熊本で子育てと主婦業、女優業をこなしている。
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撮影/フルフォード海 ヘア&メイク/佐藤トモコ スタイリスト/寶田マリ 構成・原文/井尾淳子