「尿もれが改善しなくて切実に悩んでます」と話すK美さんに、理学療法士の田舎中真由美先生が不調の原因を解明&解決します!
ママ友K美さんのお悩みカルテ
ママ友K美さん(48歳)
- ●出産状況
33歳 第一子、35歳 第二子(4250g)、39歳 第三子 すべて自然分娩 - ●体の不調と悩み
1日に数回尿もれ。体を動かしているとき、運動するときなど。切実に悩んでいる - ●悩みを解消するためにしていること
レーザー治療、エムセラ治療、筋トレ(改善なし) - ●日中の過ごし方について
座っていることが多い(椅子あるいは床)、デスクワーク - ●運動習慣について
YouTubeを見ながら筋トレ・ストレッチ
尿もれ改善に真剣に取り組むようになったきっかけは、胃カメラを飲んだときの出来事。「起きたらひどい尿もれをしていて。看護師さんの驚いた表情がショックでした」
ママ友K美さんの場合
- ・骨盤が左にねじれている
- ・骨盤底筋に左右差がある(左が硬い)
- ・骨盤の後傾歪み(腹圧が直接骨盤にかかりやすい)
- ・表面の筋肉を鍛えすぎ、インナーマッスルがうまく働かない
ママ友K美さんの尿もれの原因は、体の使い方のクセに加えて、「筋肉をタイミングよく使えなくなっている」ことと判明!
また、「自己流トレーニングのせいで、腹斜筋など、外側の筋肉ばかり鍛えてしまったようです。肝心の骨盤底筋、腟を引き上げるインナーマッスルは弱いので下腹が支えきれず、下に押されて尿もれを起こしていたかも」(田舎中真由美さん)。
骨盤は井上さんとは反対で、完全に後傾しているそう。前傾よりも後傾タイプは腹圧がダイレクトにかかってしまうため、尿もれにつながりやすいのだとか。
ほかの治療をする前に、骨盤の位置を戻し、骨盤底筋を鍛えて改善を図ることに!
理学療法士の田舎中真由美さん(上写真右)に相談する井上晴美さんとK美さん。
※井上晴美さんがお手本のストレッチを実践します。
この順番でトレーニング!
骨盤の歪みをとる!
もも裏ストレッチ
- ● 椅子に浅く座り、一方の足を前に出しつま先を上に
- ● 股関節を手で押さえながら、上体を前に傾ける
- ● 腹式呼吸を10〜15秒繰り返す
- ● 反対側の足も同様に行う
骨盤の左右差をとる!
ハッピーベイビーストレッチ
- ● あお向けになり、両膝を曲げて両手で膝を抱える
- ● 両手を膝の内側から伸ばし、足を小指側から持つ
- ● 膝を開いて、かかとを天井に向ける
- ● ゆっくりと腹式呼吸を10回ほど繰り返す
骨盤底筋と腟を同時に鍛える!
骨盤底筋トレーニング
- ● 床によつばいの姿勢をとる
- ● 握った両手で額を支える。足はつま先立ちで
- ● 腹式呼吸(吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにへこむ)を行う。吐くときに腟を頭の方向に引き上げる
「まずは骨盤の角度を元に戻すのが先決!」のママ友K美さんは、下半身のトレーニングのみでOK。
特にもも裏ストレッチでもも裏を伸ばし、股関節を柔らかくすることが第一歩。
もも裏ストレッチとハッピーベイビーストレッチで骨盤の歪みをとり、骨盤底筋トレーニングはK美さんの骨盤の状態をしっかり診断した結果、「6秒6回5セット」を毎日行うことになりました。
※骨盤底筋&腟トレーニングの基本5つの動作は、コチラの記事で読むことができます。
診断を終えて
腟を引き上げる動きが難しく、体の筋肉をうまく使えていない、と実感。
でも「骨盤底筋の硬さがとれると骨盤の歪みもとれるので、ほかの治療はしなくてもトレーニングで尿もれは治せる」と教わって、希望を持ちました!
指導してくれたのは
田舎中真由美さん
Mayumi Tayanaka
フィジオセンター センター長。臨床経験20年以上、1万5000人以上診てきた理学療法士。専門は腰や骨盤まわりの痛み、産後の骨盤まわりの緩みや痛み、尿もれの改善
撮影/フルフォード海 ヘア&メイク/佐藤トモコ スタイリスト/寶田マリ 構成・原文/井尾淳子