本誌でもおなじみ、医学博士の対馬ルリ子先生と美容家の吉川千明さんの息の合ったかけ合いで、楽しくも内容のギュッと詰まった対談の後半です。今回は、2020年9月に発売された共著『「閉経」のホントがわかる本』のなかでも詳しく触れられている「ホルモン補充療法(HRT)」について語っていただきました。
お話を伺ったのは
対馬ルリ子さん
Ruriko Tsushima
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。産婦人科医、医学博士。女性の生涯にわたる健康を推進するNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立、さまざまな啓発活動や政策提言を行う。
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吉川千明さん
Chiaki Yoshikawa
1959年生まれ。美容家。オーガニックスペシャリスト。メノポーズカウンセラー。国内でのオーガニックビューティの第一人者。2020年から、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座にて「更年期カウンセリング外来」を担当。OurAgeのコラム「ハッピー女神プロジェクト」も人気。
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お二人がホルモン補充を重視しているのは、どうしてなのでしょう?
今回の著書では、ホルモン補充療法(HRT)について、いまだかつてないほどページ数が割かれ、治療の実際や効果などについても詳しく書かれています。
対馬 ホルモン補充療法はピルと混同されがちですが、ちょっと違います。ピルはエストロゲンと黄体ホルモン、ふたつのホルモンが一緒に入っていて、1日1錠ずつ飲むことで、ホルモンを安定させるという目的のお薬。一方のホルモン補充療法は、更年期に女性ホルモンが急激に落ちてきた人にホルモンをごく少量補って“軟着陸”させるためのもの。飲み薬もありますが、今はパッチやジェルが多いですね。
吉川 私が使っているのもパッチです。
対馬 ホルモンが急激にガーンと下がると不調が起こる。だからプロペラをつけて、ゆっくり安全に着陸させるのがホルモン補充療法なんです。更年期は、そのあとのほうが重要ですから。
吉川 そうそう。更年期に自分を大事にしてあげないと、その後の30年、40年の人生の質にかかわってきますよね。
対馬 ホルモン補充療法は乳がんリスクを高めるといわれていますけど、喫煙のほうがよほど大きいリスクです。逆に、大腸がんや骨粗しょう症が減るといったデータが世界的に認められていて、きちんと使えばいろんな健康メリットを引き出せるものでもあるんです。更年期には腟が乾燥するため性生活が困難になることも多いですが、女性ホルモンを補充することで、パートナーとの関係もよくなりますよ。
吉川 HRTは必ずドクターの診察を受けて、お医者さまと一緒に治療方針を考えながら処方されるものだから、本来は安心なはずですよね。
対馬 もちろん、運動とか栄養といった生活の基本がまずあって、ホルモン補充療法はそこにプラスするもの。更年期を乗り越え、長い老年期にスムーズにつなげていくためのものだと私は思っています。
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対馬ルリ子・吉川千明 著/集英社 1,870円
撮影/島袋智子 取材・原文/蓮見則子