予想外の閉経…不調改善の決め手は眠活と腸活
50代後半でも若くて可憐。以前と変わらない美貌を保ち続けている君島十和子さん。美容家という職業柄、ホルモン変化の波も乗りこなし、閉経への準備も万端にできていたのかと思いきや、実際はちょっと違っていました。数々の不調に向き合う姿勢に、どこか親近感を覚える君島十和子さんの紆余曲折ストーリーです。
君島十和子さん(57歳・FTC代表)
●閉経歴
- ・40代後半………子宮腺筋症のせいか月経痛があり、よく鎮痛剤を飲んでいた
- ・50歳……………動悸、肌や髪の毛、頭皮の乾燥を激しく感じるようになる
- ・54歳……………不正出血で婦人科を受診。低用量ピルを1カ月飲み、そのまま閉経
- ・55歳……………寝起きに、よく不安感に襲われるようになる
- ・56歳……………快眠と腸活のためにパーソナルトレーニングやウォーキングを開始
- ・57歳(現在)…すっきり感を感じられるまでに
低用量ピルの服用で、意外にあっけない閉経
──閉経までのプロセスを教えてくださいますか?
「月経がバラバラな状態が数年間続いていました。もともと子宮腺筋症があり、月経痛がひどくなったり不正出血がだらだらと続くようになったんです。婦人科を受診すると『一度、月経を止めましょう』と、低用量ピルを1カ月分出されました。
月経痛もすごく楽になってよかったのですが『飲み終わった頃に月経がきますから』と言われていたのに、結局こなくて、そのままさよなら。閉経したと言っていいと思います。最後の月経は54歳のときでした」
──更年期のつらい不調はなかったように見えますが、実際は?
「50代に入って動悸(どうき)がしたり、肌や髪の毛の乾燥を激しく感じはじめたのがそうだと思っていました。でも、本当につらかったのは閉経後。数年前からの『不安感』ですね。朝起き抜けに、何も心配事なんかないのに、ドキドキして胸が押しつぶされそうな不安感に襲われてしまう。
ちょうどそれがコロナ禍だったので、コロナの影響かなとか、心療内科に行くべきかなと思いました。閉経とはつながらず、何かの病気かもしれないと思ったほどです。
けれど更年期の記事を見ると、症状としてホットフラッシュやめまいなどと並んで、必ず『不安感』というのが出てくる。『これは更年期なのか!』と。インスタライブでその話をしてみると『私も』という人が100人以上もいてびっくり! みんなそうなんだとわかって、気持ちがとても楽になりました。
昔は、更年期自慢みたいでちょっと…と思っていましたけど、そうやってつらいことや悩みを口に出すことも大事なんだと、自分がこの世代になってみて初めてわかりました」
睡眠と腸内環境の改善ですっきりクリアに
──その不安感は、どうやって改善されたのですか?
「私は睡眠障害もないし、睡眠時間が短いわけでもないけれど、まず睡眠の質を見直してみようと思ったんです。睡眠中に出る成長ホルモンは25歳を過ぎると修復ホルモンと呼ばれるそうですね。
日中に受けた外的ダメージや内的ダメージを修復してくれるホルモン、効果的に使わない手はないと思ったの。せっかくの強い味方を自分で目減りさせてしまうのはもったいないと思いはじめて。
というのも、コロナ禍で在宅ワークになり、つい朝方まで韓流ドラマを見たりして睡眠のリズムも乱れていました。これではいけない、もうNetflixが見たくても絶対11時には寝る。朝に見たっていいじゃないか、睡眠を優先するんだ! と、眠りにつく時間を戻しました。
それまではTシャツにスウェットパンツで寝ていたのですが、きちんと入眠環境を整えようと思ってパジャマを着るようにしましたし、眠る前にハーブティーやCBDオイルを飲んでみたりいろいろ工夫しました」
──腸活もされていますよね?
「内臓の健康には自信があった自分が便秘がちになったことは、腸活するきっかけになりました。腸内環境ケアは食物繊維をとることに加えて、ヨーグルトなどのいろいろな乳酸菌と十分な水分、それから運動も必要。週1回パーソナルトレーナーについて運動し、週2回はウォーキングするようにしました。
腸と脳はつながっていて、腸活をするとまず自律神経が整う。自律神経が整うと更年期症状もやわらいでくる。それは体感としてすごくあります。腸活は肌に対してもメンタルの乱れにも体感が早かったですね」
──今の体調はどうですか?
「睡眠と腸活を重視したら、こんなにすっきりするのかという驚き。脳の先までクリアになるすっきり感を感じています。自分は、こんなにいい神様からのギフトをいただいていたんだと改めて思います。
閉経前後にはいろいろな変化が起こりますね。更年期は100人いたら100通り。若い頃の美容の悩みなら答えはほぼひとつですけれど、更年期の答えはひとつじゃない。病気じゃないかなんて悶々としているよりも、まず人に話したりしてみる。意外に答えは簡単だったりしますよ」
とにかく睡眠を大切にしている君島十和子さん
お気に入りのパジャマの素材は吸水性・吸湿性に優れたモダール。以前は素材になどこだわりがなかったそう。
ヘア、ボディなどのケアアイテム
[左から]ロールオンタイプのCBDオイル「ボタニカルCBDフレグランス PÉTALE」(エリクシノール)。サラッとなじんで心地よい「センシュアルリッチボディバーム」(Her lip to)。自らのブランドで開発した育毛エッセンス「髪のミカタ」(FTC)。色も大好きな入浴剤はエプソムソルトの「バスソルト」(MESET)。ネイルオイルは香りも重視して2タイプ(UKA)/すべて本人私物
ハーブティーを体調や気分に合わせて
[左奥から]「ウーマンズブレンド」(NeRoLi herb)。「パッションフラワーブレンド」(ヴェーダヴィ)。「冷えシーズンブレンド」(マリエン薬局)。手前の3つは「femme CHEERS tea」(芯身美茶)。
厳選サプリ
[左から]大豆イソフラボン含有加工食品「ソイマックス」(ニチモウバイオティックス)。肌代謝のために「ハトムギエキス末100%」(ファイン)。「CBDカプセル 1200」(エリクシノール)。自身が開発したNMNサプリ 「ULTIMATE15000」(FTC)。欠かせないビタミンC「Lypo-C リポ・カプセルビタミンC」(スピック)/すべて本人私物
君島十和子さん
Towako Kimijima
1966年生まれ。雑誌モデルや女優として活躍後、結婚を機に引退。現在は美容家であり、自身のコスメブランド「FTC」のクリエイティブディレクター。メディアで活躍しながら、SNSでの飾らない姿が大好評。『十和子道』(集英社)に続き、美と健康の秘訣を書いた『アラ還十和子』(講談社)を出版。
YouTube:君島十和子チャンネル
Instagram: @ftcbeauty.official
撮影/天日恵美子 柳 香穂<物> ヘア&メイク/黒田啓蔵(イリス) スタイリスト/青木宏予 取材・原文/蓮見則子