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閉経前のドバドバ出血、耐え忍ぶなんてもう古い! では、どんな方法があるの?

周期が乱れてきて、閉経が近いような気もするけれど、突然の大量出血! そんな経験をする女性は多くいます。「最後の大暴れみたいに突然、大量出血した」「白いソファが血の海地獄になった」「一緒にいた息子に救急車を呼ばれた」なんていう体験談を耳にすると、不安に思う人も多いはず。閉経前のこの状態、コントロールできますか?

閉経前のドバドバ出血。知識としては知っていても、実際に自分もそうなったらと思うと、なんとかできないかと考えてしまいますよね。
具体的な治療法やコントロール法については、医師によってさまざまな意見や方法があります。
今回も更年期の患者さんを数多く診ている、二人の婦人科の医師にお聞きしました。

 

驚く人も多いけれど、黄体ホルモン剤で解決できること!

 

【教えていただいた方】

八田真理子
八田真理子さん
産婦人科専門医
公式サイトを見る

幅広い世代の女性の診療・カウンセリングを行う地域密着型クリニック「 聖順会 ジュノ・ヴェスタ クリニック八田」院長。著書に『思春期女子のからだと心 Q&A 資料ダウンロード付き』(労働教育センター)、『産婦人科医が教える オトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』(アスコム)ほか。

 

突然ドバーっと出血する人は多いですね。

これは、子宮粘膜下筋腫やポリープ、子宮頸がんや子宮体がんなど器質的疾患が原因でなければ、閉経前に変動する女性ホルモンが、最後の力を振り絞った「打ち上げ花火のフィナーレ」みたいな感じ。春先の雪山に表層雪崩(なだれ)が発生するように、子宮内膜を厚くキープできず、大量出血を起こすことがあるのです。
厚くなった子宮内膜が急に剥がれ、春先の雪山みたいにドドーっと雪崩を起こすんですよ。

一度だけじゃなく、何度も大量出血する人もいます。
多いまま止まらないという人もいますね、ほんと人それぞれなんです。
いずれは止まるけれど、患者さんはすごく不安になっちゃいますよね。
それで、クリニックに飛び込んでくる方が多いです。「今日、うわーっと出血しちゃったの」って。

 

こうした大量出血には、黄体ホルモン剤が効くんです。わりとすぐに反応しますね。何日か連続服用すると、そのあと数日で月経がくるのでコントロールできるんです。

具体的には、私はノアルテンという経口黄体ホルモン剤をおすすめします。これは昔からある隠れたロングセラーの薬。

エストロゲン作用のある黄体ホルモン剤で、これが第1世代なんですよ。ノアルテンに勝るものはないと思ってます。
リーズナブルな薬だから、製薬会社の儲けにならないでしょうけど、私のクリニックでは数多く使っています。

 

もともと生理不順や無月経の症状に対して、周期のリズムを整える目的で使うのですが、乳がんの既往とかがなければ使えるもので、多くの人は効きます。

ちょっとむくみやすいとか胸が張るなどの副作用も人によってあるので、どれくらい続けたらどうなるかを、一人ずつ診ながらですね。

ノアルテンでなければデュファストンとかプロベラです。効果はちょっと弱いんですけど。

〈白い服も怖がらず、着られるようにしてあげたい!〉

大量出血はね、私たち医者でも困るんですよ。私も閉経前は「先生、白衣が日の丸みたいになってますよ!」なんて言われたことがあります。

白い服が怖くて着られなくなっちゃうでしょう、皆さん。
ずっとナプキンを当てていないといけないから、「ナプキン代だけですごいことになってます」なんていう方もいるし。

「昼でも夜用ナプキンをずっと当てているから、お尻が真っ赤になっちゃって」なんていう人もいました。

 

 

でも皆さん、そんなことで悩んでいるより、婦人科で治療したほうがいいです!
もう月経はコントロールしていかないといけない時代です。快適にできる時代なんです。

若い人の生理痛とか、どの世代でもそうですけれど、女性にしかないこの月経というものを、絶対快適にすべきだと思うんです。

特に、更年期には不調が出たりしますからね。月経のことで悩む必要はないの!
婦人科に行きましょう。

 

ホルモンと月経の仕組みから説明して、選択肢を提案します!

 

【教えていただいた方】

土屋眞弓
土屋眞弓さん
婦人科医、美容皮膚科医
公式サイトを見る

土屋産婦人科院長および目蒲病院理事長。土屋産婦人科では、婦人科一般、美容皮膚科診療担当。“Total Care For Women” 、女性のライフスタイルを総合的にサポートしたいと考えている女性のためのクリニックで、東京都練馬区で産婦人科・婦人科・美容皮膚科の診療・治療をしています。1959年の開院以来、2代目として地域に密着した、患者さんに負担のない診療を心がけています。

 

これは更年期に入ったつひとつのサイン。卵巣の機能が衰えてくるために起こる変化ですよね。

周期が短くなったり、長くあいたり、経血量が少なくなったりする人が多そうに思えますが、逆にナプキンから漏れるほど大量出血したりする人は多いです。

 

ドバドバっと出るのは、ホルモン分泌が不安定になって子宮内膜がうまく剥がれず、厚くなりすぎるから。
それが急に剥がれると、大量出血や不正出血が起こるんですね。

出血が多いというと子宮筋腫や子宮内膜症の症状のひとつですが、どちらもないのに出血量が多くなっちゃう方もいます。

心配だというのは当然のことですし、出血のコントロールをしたいと受診される方もいらっしゃいます。

 

量を少なくするには、子宮内膜の増殖を抑える黄体ホルモン剤、ディナゲストを使うのが私の第1選択。
次に、偽閉経にする薬、レルミナを提案しますね。

 

「子宮内膜が剥がれるのが月経だけれど、閉経前のホルモンのバランスがくずれることで出血量が多くなっちゃうんです。

出血量を少なくするには、子宮内膜の増殖を抑えるお薬を飲んだら出血が少なくなるでしょう。もしくはホルモンを抑えるレルミナに頼るのがいいのよ」とお話をして、納得していただいてますね。

 

「どうしてもそういうものは飲みたくない」という方なら、漢方薬を飲んでいただくこともあります。
この年代は飲む薬の量が多くて困っている方が多いので、その辺は患者さんとのお話次第ですね。

 

 

イラスト/Shutterstock  取材・文/蓮見則子

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