イライラ、汗だらだら、いつも疲れてる…そんな不調のまま過ごしていては、外見だって老け込んでしまいます。不調の原因は女性ホルモンが急激に減ったこと。そのシンプルな仕組みを忘れずに、つらい症状を長引かせない工夫を。
こんな症状、思い当たりませんか?
更年期に見られる症状は多種多様で、200以上あるといわれます。ホットフラッシュなど特有のものから、自分の弱い面が顕著になったり、感情面でも自分でコントロールできない変化が…。
今回の話を伺った先生
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。産婦人科医、医学博士。女性の健康のための啓蒙活動を行う。9月4日、吉川千明さんとの共著『「閉経」のホントがわかる本 〜更年期の体と心がラクになる!』(集英社)を上梓
緊急事態だと自覚して
不調にきちんと向き合って!
「女性ホルモンは、美と健康の“守り神”です。更年期は女性ホルモンが急激に減ってしまう時期のこと。思春期以降、ずっとサポートしてくれていた守り神がいなくなるので、美も健康も当然レベルダウンしてしまいます。いろいろな症状は閉経後に出ると思われがちですが、実は更年期の入り口のほうが多いんです。ホルモンの揺さぶりで、脳が暴走してしまうからです」
そう解説するのは、女性ホルモンと女性の健康の専門家、医師の対馬ルリ子先生。それにしても、あまりにもいろいろな症状があるのはなぜ?
「この時期、脳は卵巣がホルモンを出せないことに気がつかず、『頑張れ、頑張れ』と興奮して指令を出し続ける。体はすべて脳が司っているから、体全体に影響が出る。その人の弱い部分に特に症状が出やすいのです。また、症状の出方には、環境が大きく影響します。仕事や子ども、親の介護など、ストレスが引き金になることが多い。問題の環境が取り除かれれば、すっと治ってしまうこともよくありますよ」
大切なのは、こうした女性の体の仕組みをきちんと知ること。正しい知識を得ていれば、事前に予防もできるし、症状が出てからも対応できます。
「つらい症状を放っておくのはよくありません。症状が慢性化すると、女性ホルモンの低下というシンプルな原因が複雑化して、治りにくくなってしまいます。緊急事態だと自覚して、不調にきちんと向き合うこと。更年期を快適にし、その後も素敵な人生を送れるように、一歩踏み出しましょう!」
イラスト/しおたまこ 構成・原文/蓮見則子