イライラ、汗だらだら、いつも疲れてる…そんな不調のまま過ごしていては、外見だって老け込んでしまいます。不調の原因は女性ホルモンが急激に減ったこと。そのシンプルな仕組みを忘れずに、つらい症状を長引かせない工夫を。
今回の話を伺った先生
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。産婦人科医、医学博士。女性の健康のための啓蒙活動を行う。9月4日、吉川千明さんとの共著『「閉経」のホントがわかる本 〜更年期の体と心がラクになる!』(集英社)を上梓
更年期は閉経を挟んだ10年間
更年期は「閉経前の5年間と、閉経後の5年間とを合わせた10年間」のこと。女性ホルモンが急激に減りはじめ、閉経を迎え、その後、ホルモン分泌がほぼゼロになるまでの期間を指します。
日本人の平均閉経年齢は50.5歳なので、45〜55歳が平均的な更年期ということに。
更年期に症状が出る3大要因とは?
症状の出方は人によって差があります。重症度も違えば、いろいろな症状が出てしまう人、ほとんど何も感じないまま乗りきれてしまう人も。
その違いは、3つの要因によるといわれています。卵巣からのホルモンがなくなるという根本的な体の変化に加えて、性格や体質、そのときの環境が引き金となって症状が出るのです。
特に影響が大きいのは環境要因で、そこが改善されるとすーっと症状が軽くなる人も少なくありません。
脳の混乱が不調の原因
脳は卵巣の老化に気づかず「ホルモンを出せ出せ」と指令を出し続けます。指令に応えてもらえないと脳はパニック状態に。
全身を司っている脳本来の役割を果たせなくなり、調整をミスしたり暴走を始めたりするので、体のいろいろな機能に支障をきたします。それが更年期の不調の正体です。
イラスト/しおたまこ 構成・原文/蓮見則子