更年期の不調を、ようやく口に出して言えるようになってきた日本。おかげで更年期に関する情報も世の中にあふれています。正しく情報を選び、自分の症状と向き合って、きちんと改善していこうという勇気も必要です。
今回の話を伺った先生
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。産婦人科医、医学博士。女性の健康のための啓蒙活動を行う。9月4日、吉川千明さんとの共著『「閉経」のホントがわかる本 〜更年期の体と心がラクになる!』(集英社)を上梓
リラクセーション&自律神経を整える
呼吸法、 温熱療法、 マインドフルネス 、アロマテラピー
さまざまな更年期の症状は、自律神経のバランスがとれないために起きていることがほとんど。お腹を使って横隔膜を動かす、深くゆったりした腹式呼吸、今自分が感じていることに集中するマインドフルネス、一滴の香りが不調から救ってくれる可能性もあるアロマテラピー。これらは、心身をリラックスさせ、自律神経を整えるのに有効です。ちょっと試してみるなら自己流でもいいのですが、つらい症状には、専門家に正しい方法を学んで対応を。
どんどん研究が進んでいる!
サプリメント
食品に分類されるサプリメントは、日本の薬機法では「○○に効く」「○○の症状を改善する」と効能を謳(うた)えないため、症状にジャストフィットするものが見つからない…と思う人も多いはず。そんな中、注目の「エクオール」は、イソフラボンの作用の源といわれている成分。婦人科のドクターも認めるほど、期待がかかります。できれば、最低3週間は飲み続けてみるといいでしょう。
女性の健康と美をサポートするエクオールが4粒で10㎎とれるサプリメント。エクエル[エクオール含有食品]112粒¥4,000/大塚製薬
ヨガ、ウォーキング、家トレ…
適度な運動
運動と健康は切っても切れないもの。更年期の症状にも適度な運動が効果的であることは科学的にも証明されています。運動初心者は、ハードな運動がストレスになるので、ヨガやウォーキング、家で行うような自重トレーニングなどから試してみましょう。
よく眠れると体調は確実にアップ!
快眠習慣
実は、更年期の症状でいちばん多いのが睡眠トラブル。きちんと眠れないだけでQOLは下がり、ほかの不調が出る原因にもなりかねません。眠れない、眠りが浅いなどを軽視せず、快眠を得るための工夫を。最近はスマホを持ってベッドに入る習慣のある人も多く、それが知らず知らず睡眠障害の原因になっているので注意が必要です。
これだけで症状が軽くなるかも!
カウンセリング
感情、精神面など情動トラブルに悩む人は、カウンセリングによる治療もおすすめ。ただ、更年期のうつ症状の場合は一般的なうつとは違うので、女性医療に詳しい先生を選ぶことが鉄則。婦人科でカウンセリングを行なっていることも多いので、ファーストチョイスに。心療内科より先に婦人科と覚えておきましょう。
イラスト/しおたまこ 構成・原文/蓮見則子