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プレ更年期に運動習慣をつけて心身の状態を整えれば、更年期の不調も軽減

“プレ更年期”は、更年期や閉経に向けたマネジメントを始めるいい機会。そう提唱する産婦人科専門医の吉形玲美先生が、具体的にするべきことをレクチャー。今回は、運動習慣がテーマです。プレ更年期に体を動かすことで期待できる効果や、この世代におすすめの運動について、お話を伺いました。

筋肉量が増えることで更年期の症状が軽減

 

健康のために、日々行いたい運動。特にプレ更年期に運動習慣をつけておくと、どのような効果が期待できるのでしょうか。

 

 

「まず、運動して筋肉量を増やすと、テストステロンという男性ホルモンの分泌が促されます。更年期に入ると、女性ホルモンが少なくなりますが、そんなときに代わりに大きな役割を果たしてくれるのが、この男性ホルモン。

 

テストステロンには、筋肉や骨の質を高める、血管を若々しく保つ、バランス感覚や運動機能を向上させる、社会性やモチベーションを向上させる…など、たくさんの働きがあるんです。プレ更年期のうちに筋肉量を増やしておくと、テストステロンの分泌量が多くなって元気でいられるようになり、更年期の症状を軽減させる効果が期待できるでしょう。

 

また、運動するとセロトニンやエンドルフィンなどの幸せホルモンの分泌量もアップ。そのため、メンタルの安定にもつながります。さらに、運動の種類によっては、前回お伝えしたように骨密度を上げる効果が高いものも。運動習慣をつけておくことは、更年期の心身にさまざまないい影響をもたらしてくれると言えるでしょう」(吉形玲美先生)

 

 

ウォーキングやダンスなら筋肉も骨密度もUP!

 

プレ更年期

 

具体的に、おすすめの運動についても伺いました。

 

 

「総合的におすすめなのは、ウォーキングやダンスといった、広い場所を動き回るような有酸素運動。特にダンスは、下肢から体幹への強度やジャンプなどでの骨荷重など、筋肉をつけるという点でも、骨密度を上げるという点でも有効だと思います。手足を自由に動かせたり、特別な道具が不要だったりするところもポイントですよね。

 

自律神経を整え、メンタルを安定させるという意味でおすすめなのは、ピラティスやヨガ。ピラティスは、胸式呼吸を行うことで交感神経に働きかけ、心身を活性化するため、爽快感を得られます。ヨガは、腹式呼吸を行うことで副交感神経に働きかけ、心身を落ち着かせるため、リラックス効果を得られます。

 

どちらにも、女性ホルモンの変化に伴う自律神経の乱れが引き起こす症状を軽減させる効果があります。座位や臥位で行うので骨加重はかかりませんが、インナーマッスルはしっかり使うため、継続することで筋肉量を増やすことにもつながるでしょう。

 

骨密度を上げるためには、前回ご紹介した縄跳びや歩き方の工夫をするほか、簡単な体操、かかと落としをするのも◎。つま先立ちしたあと、そのままストンと床にかかとを落とすだけ。かかとに体重を感じる程度に、1日30回を目安に行って。運動が苦手な人にも挑戦しやすく、家事や仕事の合間にもできるので、習慣化しやすい体操だと思います。

 

ご自身にとって無理のない範囲で、筋肉をつける運動、自律神経を整える運動、骨密度を上げる運動を、上手に組み合わせられるといいですね」

 

 

記事が続きます

筋トレをするなら日中の活動時間帯に

 

プレ更年期

 

最近は、40代、50代の女性もジムやパーソナルトレーニングに通う方が増えています。

 

 

「中高年以降は、日常的に歩いたりするだけでは、どうしても筋肉量が足りなくなってしまうんです。ジムやパーソナルトレーニングでの筋トレは、それが防げるので有意義。特に取り入れるといいのは、下半身の筋肉を強化するメニュー。ただし、筋トレをしすぎると酸化ストレスによって逆に老化してしまいかねないのでご注意を。

 

また筋トレなど、ハードな運動をするのは日中の活動時間帯がベストです。朝一番だと急に体を動かすことが負担になる場合があり、夕方は副交感神経を優位にしてリラックスしていきたいタイミングなので、なるべく控えめに。朝や夕方には、ソフトなヨガなどを習慣にするといいでしょう。

 

ちなみに私自身は、社交ダンスを続けているのですが、先生や選手の皆さんは、姿勢も体の動きも本当に美しい! 社交ダンスは、全身活動・知的活動・芸術的活動の3つが同時複合的に行われるもので、近年、認知症リスクが下がる運動としても注目を集めているんですよ。

 

そのほか、生活の中ではできるだけエレベーターやエスカレーターではなく、階段を使うようにすることも心がけています。毎日、地下鉄のホームから地上までを階段で上るようにしていたら、いつの間にか平気になっていました(笑)。

 

筋トレやダンスはハードルが高いという場合は、余裕のあるときや荷物の軽いときに、こういったちょっとした運動を積み重ねて、筋肉量の低下を緩やかにできるといいですよね」

 

 

【教えていただいた方】

吉形玲美
吉形玲美さん
産婦人科医、医学博士
Instagram Instagram

大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、インスタグラムでも発信。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社)。

取材・文/藤本幸授美 写真/Shutterstock

 

参考資料/『40代から始めよう!  閉経マネジメント』吉形玲美・著¥1,650/講談社

閉経マネジメント書影

 

 

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