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【更年期の手指の不調・メノポハンド】メノポハンドの装具は夜間に装着するのがおすすめな理由

「へバーデン結節」や「ブシャール結節」、「母指CM関節症」など、更年期世代の女性に起きやすい手の不調(メノポハンド)。その痛みをやわらげる方法のひとつとして、最近では100円ショップでも装具が販売されています。手の不調に役立つ装具やテーピングの使い方のコツを、手外科専門医の下江隆司先生に教えていただきました。

手のケアをしながら寝る女性

テーピングはスポーツや作業のときに短時間の使用がベター

 

手や指が痛いからといって、仕事や家事を休むわけにはいかないことも多いと思います。普段の生活を続けながら、手の不調をこれ以上ひどくしないために役立つのがテーピングや装具です。

 

「手指の痛みをやわらげるための一番の対策は使いすぎをやめることです。しかし、普段の生活で指や手を使わないことは非常に難しいことでしょう。そのため、関節が痛いのを我慢して作業を続け、痛みをひどくしてしまっている方は少なくありません。

 

その場合にはテーピングなどによる患部の固定が有効です。ただし、テーピングは粘着力のあるテープを巻いて固定するため、長時間強くテーピングをしていると血行障害が起こりかねません。また、日中、手を洗ったときに濡れてしまったテーピングテープを放っておけば、皮膚に障害が起こることもあります。そのため、テーピングを使用する場合は、スポーツや作業をするときにして、長時間の連続使用は避けましょう」(下江隆司先生)

 

曲げると痛い親指を自分一人で簡単に固定できるサポートテープ

バトルウィン指プロテクター親指用_S-Mサイズ
テーピングの知識がなくても、1枚のテープで親指から手首にかけて簡単に固定ができます。通気性のいいテープ素材だから、蒸れにくくはがれにくい。

バトルウィン 指プロテクター 親指用(S~Mサイズ)6枚入り¥715(編集部調べ)/ニチバン

 

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適度な柔らかさの装具を身につけて患部を安静に!

 

「もうひとつ手軽な固定方法として装具があります。痛みや炎症があるときには安静にすることが大切ですが、長時間、ガチガチに固定してしまうと関節が拘縮して固まってしまいます。そのため、関節は長時間強く固定してはいけないのです。そこで役立つのが装具です。装具はいろいろな種類がありますが、ある程度の固定力があるものを選ぶのがよいでしょう。

 

私が、へバーデン結節の患者さんにおすすめしているのが錫(すず)製の装具です。錫は柔らかいので、ある程度自分の指の形状に合わせて形を調整でき、水にぬれても拭けばいいので扱いやすいのが利点です。

 

また、母指CM関節症に対しては、手首から親指の付け根までを固定するさまざまな種類の装具があり、100円ショップにも売っていますが、私は適度に固定できて柔らかいシリコン製の装具をおすすめしています。ただし、日中に装着したままいろいろな作業をするのはやや困難なため、夜間を中心に装着することをすすめています。ほかにも皆さんの気になるものがあったら試してみて、主治医がいればその装具を確認してもらい、自身の症状に本当に合うのかを聞いてみるのがよいでしょう」

 

手で曲げられて調整しやすい錫の特性を生かしたへバーデンリング
へバーデンリング

へバーデンリング

手指の第一関節に装着して固定する錫製のリング。手指の太さや形状に合わせて簡単に調整可能。錫は優れた抗菌性を持つため、着用したまま手洗いもできて衛生的。全5サイズ。

 

へバーデンリング<一般医療機器> ¥3,960/日本シグマックス


装具は夜間に装着することで痛みがやわらぐ可能性も!

 

「日中は装具をつけ、寝るときは外すほうがよいと思われている方が多いのですが、実は夜寝るときにこそ装具をつけたほうが、痛みがやわらぐ可能性があります。というのも、日中は意識があるので痛い動作は避けます。ところが寝ている間は、関節が痛くても無意識のうちに指を動かしたり、指を体の下敷きにしたり、気づかぬ間に痛い動作をしていることがあるのです。ですから、寝ているときに装具をすれば、気づかずに痛い動作をしてしまうことを予防できます。

 

また、日中に比べて長時間、装着を継続できるという利点もあります。寝ている間だけ装具をすることで、1~2カ月後には痛みがかなり楽になる人もいます。

 

日中は痛みを感じる動作を避け、就寝前から朝まではしっかりと装具を装着するのがおすすめです。そのためにも締めつけが強すぎない装具を選びましょう。夜間に装具を装着することで、皆さんが思っている以上に効果を感じられると思います」

 

 

 

【教えていただいた方】

下江隆司
下江隆司さん

手外科専門医・指導医。和歌山県立医科大学整形外科学講座講師。医学博士。日本整形外科学会専門医、日本足の外科学会認定医、厚生労働省認定臨床研修指導医。診察を行いながら、更年期と女性の手指の不調に関する疫学調査や臨床研究に積極的に取り組んでいる。

 

イラスト/てぶくろ星人 取材・文/山本美和

 

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