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「死ぬまで歩けるからだ」になりたいなら、まず「読む」べし!?

山本圭子

山本圭子

出版社勤務を経て、ライターに。『MORE』『COSMOPOLITAN』『MAQUIA』でブックスコラムを担当したのち、現在『eclat』『青春と読書』などで書評や著者インタビューを手がける。

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小さい頃から運動が大の苦手だった私は「運動すべきなのはわかっているけど、疲れるからイヤだな。劣等感にさいなまれるのも避けたいし」とぼんやり思っていました。3年前までは。

 

3年前の秋、年末の南米旅行が迫るにつれ「高所や長時間のフライトに耐えられるだろうか」とだんだん不安に。
「とにかく体力をつけなければ!」と一大決心をして、近くのジムに入会し、まずお試し無料のパーソナルトレーニングを受けてみたのです。

 

これが大正解でした。

 

実は以前、テニススクールに通っていた時期があったのですが、ド下手だった私はラリーすらあまり続けられなかった。相手に「すみません」と言い続けることに嫌気がさして、すぐに辞めてしまいました。

 

でも、パーソナルトレーニングは個人のレベルに合わせた運動なので、ひとりで自分なりにがんばればいい。すごく気が楽でした。

 

さて、みっちり1時間のトレーニングを10日に1回ほど3年間続けて、からだの変化(疲れにくくなった、歩くのが速くなった、肩こりが激減したなど)を実感するようになった先日のこと。偶然書店で見つけたのが、トレーナーさんがいつもおっしゃっていることや私がやっているトレーニングの内容にぴったり合致する本だったのです。それが『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』。

 

書評_photo

『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』 フィジカルトレーナー 中野ジェームズ修一/著 慶応義塾大学医学部スポーツ医学総合センター 伊藤恵梨/監修 日経BP ¥1300 「一日一万歩」「筋トレすると脚が太くなる」などは間違った常識。肩こり、更年期症状などからだの悩みにあわせて女性向けの運動法をレクチャーした本

 

著者は青学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当している、フィジカルトレーナーの第一人者・中野ジェームズ修一さん。彼が女性向けの運動の本を書いた理由は“男性より女性のほうが健康への意識が高く、医師に「運動しなさい」と言われたら真面目にやらなくちゃと思う人が多いのに、運動を阻む敵があるから”。

 

その敵というのが、運動習慣のない人が多いこと、そして筋力不足の人が多いこと。
(まさに私がそう!)
そして女性の不調の多くは、筋力不足が原因だというのです。

 

肥満ややせすぎ、脚のむくみなどになぜ運動が効くのか、そしてどんな運動をすればいいのかは読んでいただくとして、私が一番ドキッとしたのはロコモティブシンドロームの話でした。

 

ロコモティブシンドロームとは、足腰が衰え、自分の力で日常生活が送れなくなる症状のこと。

 

「多くの人がロコモ予備軍になっている理由は、習慣的に運動している人が少ないことに加え、日常生活のなかで体を動かす機会が減っていることが原因です」

「ただ筋肉をつけるだけではロコモ対策にはなりません。その筋肉を使って体を動かすために必要な様々な能力も、トレーニングによって鍛えなければならないのです」

 

この流れで紹介されているトレーニングが、まさに私がパーソナルトレーニングを始めた頃にやっていたあれこれ。たとえば、太もも全体と瞬発力をトレーニングする「反動を使ったフロントランジ&バックランジ」は

 

① 両腕を下ろして真っ直ぐに立つ。脚を大きく1歩前に踏み出して、腰を落とす。
② そこから反動を利用して、脚を戻して真っ直ぐ立つ。
③ 先ほどと同じ脚を今度は大きく後ろに踏み出し、腰を落とす。
④ また反動を使って元の位置に戻る。足を替えながらこれらを素早く行い、20回×2セットを目標にする。

 

最近は頭上にプレートを持ち、歩きながらこれを行っていますが、ぐらつきそうになっても「ロコモ予防だ!」と思えば踏ん張れる……ような気がします。

 

健康や運動に関する本はあまりにも種類が多く、なかには「威勢のいいタイトルだけどホント?」と言いたくなるものもありますが、今回紹介した本は慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センターの伊藤恵梨さんが監修。医学的に正しいこと、男と女では運動のやり方が違うことに主眼を置いているので、やってみる価値ありではないでしょうか。

 

とりあえず私は「よし、トレーニングを続けるぞ」とかたく決心しました!
モットーは「ちょっとずつでも長く」です。

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