『おしゃれの制服化「今日着ていく服がない!」から脱する究極の方法』
著者インタビュー
一田憲子さん
Noriko Ichida
女性誌、書籍の執筆で活躍する編集者・ライター。器や雑貨、インテリア、食からファッションまで、生活に彩りを添える企画を独自の切り口で手がけ、多くのファンを獲得。主宰するサイト「外の音、内の香」も人気。HP
"いつも同じ印象"でいい!
大人が迷わないおしゃれ術を新提案
「クローゼットの服は増えていくのに、何を着てもきまらない…」。
年齢を重ね、そんなふうに感じている女性も多いはず。フリーライターとして活躍しながら、若い頃からずっ と"おしゃれの迷子"だったという一田憲子さんに、転機が訪れたのは40歳の頃でした。
「編集者としてファッションの本を手がける中で、同世代や年上のおしゃれ上手な女性たちを何人も取材したんです。そこでまず学んだのが、大人の女性に"すごく張りきったおしゃれ"は必要ないということ。むしろカッコいい人は、ごく普通の服を着ているんですね。例えば、シンプルな白シャツにテーパードパンツ。そこに赤いメガネに赤いピアスなど、ディテールの足し算でさりげなく個性を演出する。ブランド名や凝ったデザインに頼るのではなく、普通の服だからこそ光るその人だけのちょっとしたセンスで、いい感じに 見えるということを教えてもらいました」
人と違う特別感がおしゃれの秘訣だと思っていた一田さん。自分をいい感じに見せてくれる"普通の服でいい"という大発見は、その後の洋服選びの大きな指針になったそう。
「さらに、素敵な人は"いつも同じ印象"だと気がついて。多くの服に囲まれているスタイリストさんでも、ご自身はいつも同じテイスト。自分の体型や行動パターンに合う服はこれ、と決めているんですね。でも、いろんな服をとっかえひっかえするよりも、つねに同じスタイルを貫くことでその人らしさが立ち上ってくる。同じ印象はつまらないと思う方もいるでしょうが、私自身は、人生後半のおしゃれはそこまで刺激的じゃなくてもいいのかなって(笑)。若い頃とは肌や体型が変わってくる世代にとって、自分らしく心地よくいられる服を見つけて"制服化"することは、新しいおしゃれの楽しみ方だと思います」
普通だけれど平凡じゃない。同じ印象だけれどいつも素敵。おしゃれの制服化を成功させるコツは、"分析力"とも語ります。
「おすすめは、手持ちの中でなぜか自分に似合う服をじっくり観察すること。このパンツは腰まわりにタックがあるからお尻がすっきり見えるんだとか、足首が出る丈だから全体もほっそり見えるとか、きちんと分析してその法則を理解するんです。着るときにも意識が必要。シャツならボタンを開ける、袖をまくるなどのひと工夫で、もっとしっくりくる着こなしができるはず」
今すぐ役に立つ、大人のおしゃれの制服化セオリーが詰まった著書は、自分らしいベーシック・スタイルを見つける一助に。
『おしゃれの制服化 「今日着ていく服がない!」 から脱する究極の方法』
一田憲子 著/SBクリエイティブ 1,450円
ファッションの達人たちに学んだセオリーを軸に、自分らしく、着心地がよく、でもちょっといい感じに見せてくれる服を見つけることを"制服化"と定義。リラックスした大人のためのおしゃれ術を紹介。
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