『その服捨てるのちょっと待った! リメイクしたらオンリーワンができました。』
著者インタビュー
津田蘭子さん
Ranko Tsuda
イラストレーターとして雑誌、書籍、広告などで幅広く活躍。40代で手作り服の魅力にハマり、每日着ている服は100%手作り、年間100着以上も作るように。その楽しさを綴ったブログも話題。著書に『家庭科3だった私がワードローブ100%手作り服になりました。』(ワニブックス)ほか
タンスの不用品が宝の山に!
新たな価値を生むリメイクの魅力
流行遅れのスカーフが一転、モードなネックレスに。着古したデニムパンツが、使い勝手のよいエプロンに。そんなクローゼットに眠っている処分待ちのアイテムを、おしゃれに変身させるアイデアが満載の本書。
「誰かに譲るにはイマイチ、でも捨てるに忍びない服や小物ってありませんか? ならばそれを利用して、気軽に手作りにトライしてほしいというのがこの本のテーマです。なんといっても材料はもともと不用品。失敗しても痛手がありません(笑)」と蘭子さん。
「一から布を切ったり縫ったりするのとは違い、既成品の美しいディテールを活用できるのがリメイクのいいところ。シャツの衿や袖、スカートのウエストベルトやポケットなど、自作では難しい部分を残しつつ好みのアレンジを加えるだけで、オンリーワンの作品になるんです。
また、柄が派手すぎて使いにくいネクタイやスカーフなども実はリメイク向き。クッションやペンケースといった雑貨に仕立て直せば、そのインパクトでかえってあかぬけた印象になります。目指すのは、節約感漂うリサイクルではなく、過去の姿よりワンランク素敵になるアップサイクル!」
その言葉通り、蘭子流のリメイク作品はいかにも“手作り風”のファンシー感がなく、セレクトショップの一点もののように洗練された雰囲気。実際に身につけたい、飾りたいと思うものばかりです。
「あえてテクニックを盛り込まず、シンプルに作るのがポイントですね。フリルやリボンなど、あれこれ細工を欲張りすぎると子どもっぽくなりがちなので。この本で紹介する作品はすべて型紙いらず、最短で10分あれば完成するものもありますよ」
もともと家庭科の成績はおもに3、試行錯誤しながら、初心者でも失敗しないソーイング術を学んできた津田さんだけあって各プロセスはわかりやすく、かわいい漫画やイラストが満載で、読み物としても引き込まれます。
「布と糸の相性などごくごく基本的な解説も載せていますが、手芸のハウツー本というより、雑誌感覚で楽しめる本を意識しました。もう不用だと思っていたアイテムがこんなに素敵に見違えるんだ! という発見や、お店で売っているような素敵な服がリメイクで作れちゃう! という可能性を、ワクワクと味わっていただけたらいいなと思います」
自宅時間が増えた今、もの作りの楽しさをローコストで堪能しながら、タンスの整理もセンス磨きもできちゃうリメイク、今すぐ試さずにはいられません!
『その服捨てるのちょっと待った! リメイクしたらオンリーワンができました。』
津田蘭子 著/JTBパブリッシング
1,430円
出番がなくなった服や使わないまましまっていた小物。処分に困る不用品を、鮮やかによみがえらせるリメイク方法を紹介。簡単で実用的、元の状態より素敵なものというお題のもと、手作りの楽しさ、魅力を発信。
撮影/矢部ひとみ 取材・原文/小田芳枝