Book Reviw
養老孟司さん著書の大ヒット作『バカの壁』シリーズ最新刊ほか、大人女性におすすめの4冊。
人間を多角的に考察した一冊
『ヒトの壁』
養老孟司 著/新潮新書
858円
大ヒット作『バカの壁』のシリーズ最新刊。80代の著者がコロナ禍の2年間の考察を綴る。ウイルスとヒトの関係、AIと人との違いとは。そして人間である著者と愛猫との別れ。文学、哲学、解剖学などの教養を基にした意見から、世の中の見方に新たな気づきを与えてくれます。
食養生の基礎がわかるエッセイ
『まいにち食薬養生帖』
井澤由美子 著/リトルモア
1,760円
料理家で、漢方や薬膳の専門家でもある著者が、「食べて養生する」をテーマにした一冊。卵、セロリ、牛すじ肉、かつお節など身近にある食材を、日にちとともにひとつ挙げ、栄養についての解説と、おいしい食べ方や使い方を伝授。春夏秋冬に応じた食生活についてのコラムも。
青年と元女優の甘美な物語
『ミス・サンシャイン』
吉田修一 著/文藝春秋
1,760円
大学院生の一心は教授の紹介で、元大女優「和楽京子」こと、鈴さんの家で資料整理をすることになる。小さな日常をともに過ごすうちに、一心は彼女が秘めている思いに触れて、心をときめかすように…。優しさ、思いやり、そして人間同士の愛をしみじみ味わえる長編小説。
独特な文体と壮絶な女の一生
『ミシンと金魚』
永井みみ 著/集英社
1,540円
「すばる文学賞」受賞作。認知症を患うカケイ。デイサービスのスタッフに「今までの人生は幸せでしたか?」と問われて答えたのは――。幸福と絶望、後悔と希望が描かれる、女性の一代記。自分に問いかけるような文体が独特で、最後の行までカケイの生き様に惹き込まれます。
取材・原文/石井絵里