Book Reviw
朝ドラをより理解できる人物伝
『らんまんの笑顔「人間・牧野富太郎」伝』
谷 是 語り下ろし 谷村鯛夢 書留/集英社
1,760円
現在放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」。主人公のモデルである植物学者・牧野富太郎の人物伝。長年、牧野の功績を伝えてきた著者の、語り下ろし形式で書かれており、研究への熱意、破天荒な生き方、時代背景などがわかりやすい。ドラマの理解に役立つ一冊。
13人の女性たちに勇気をもらえる
『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』
ジェーン・スー 著/文藝春秋
1,650円
君島十和子、大草直子、一条ゆかりなど、各界で活躍する女性たちのインタビュー集。名コラムニストとしても知られる著者が、13人それぞれのコンプレックスと、それらをバネに飛躍していく過程を丁寧に引き出していく。仕事やパートナーシップについてのヒントもたっぷり!
ホテルマン×書家のバディを愛でて!
『墨のゆらめき』
三浦しをん 著/新潮社
1,760円
ホテルで働く続(つづき)が、仕事の都合で知り合った書家の遠田。すばらしい才能を持つ遠田は、続に「一緒に代筆屋をやろう」と持ちかけてくる。実直な続と自由人の遠田。二人のコミカルな会話のやり取りが、読み手を刺激する長編小説。男同士の絶妙な距離感を楽しめる。
心の傷を静かに癒す短編小説集
『夜空に浮かぶ欠けた月たち』
窪 美澄 著/KADOKAWA
1,870円
東京の片隅にある、小さなメンタルクリニック。そこへやってくるのは、キラキラした同級生になじめない大学生、娘を愛せない母親…。現代人が抱えている心の傷と再生までを描いた連作短編小説。どのエピソードにも共感でき、読み終えたあとには心が少し軽くなっているはず。
取材・原文/石井絵里