<お悩みその16>
私の夫は私より若く見られます。いつも私が母親で夫が子どもに見られます。でも私がこんなババアになったのは、夫が家事の事を何もしてくれないからです。ペットのお世話も私です。かわいい猫ちゃんなのでいいのですが、夫に似て、かまってくれないと噛んできます。自分の時間が持ちたいです。本当にムカツキます。(46歳・パート・大阪府)
<お答え>
たしかにムカつきますね(笑)。じゃあ、こうなったらダンナさんのためにあれこれやってあげるの、やめましょう。
少し家事の手を抜いて、自分の時間を「つくって」みましょうよ。この方は、自分の時間を持つってことに、そもそも罪悪感を感じているんだと思うの。軸が自分にないんです。
この方のように、家族のために自分の時間を捧げ過ぎな女性って多いですよね。若いうちは体力もありますし、人に尽くすことに喜びを感じる人もいます。でも、歳を重ねるにつけ、どうしても体力気力が落ちる。それで尽くすのが嫌な気持ちになって、つらく当たったりしたら、相手にも迷惑ですから。
何か自分の好きなことをやるとか、ちょっとプチ家出するとか、してみよう! で、ダンナが若々しいんだったら自分もちょっと若々しくしちゃおう! そのほうが逆にダンナは喜ぶかもしれないじゃない?
日本人ってみんな、“おしん体質”なんですよね。それが美徳だと学んできたから。私の友達でも、「私ばっかり忙しい」っていつも文句言ってる人がいます。エレクトーンやりたいって言うから、やればいいいじゃないって言うと、「でもダンナのごはんを作らなきゃ」って。
それなら週に1、2回、セブンイレブンのおいしいサバの味噌煮やシャケの塩焼きでも出しておけばいいんです。きれいにお皿に盛りつければ、ムカつきながら作ったものより、相手も喜ぶかもしれません。そうやって捧げる時間を少なくして、自分の時間をつくる。お金も時間も、自分のために使ってみましょう。この方も私の友達も、尽くしすぎ、アンド、立派な自分でいようとしすぎてるんですよ。立派というか、理想の自分ね。
1回、ダメな自分になってみましょう。で、どっちが心地いいか考えてみましょう。例えば一週間ずっと「買ってきたおかず祭」してもいいし、プチ家出でもいい。ダンナと猫の面倒をあれこれみるのをやめて、お散歩とか、映画を見に行ったりとかもしてみましょう。今、コロナだから気をつけながらね。
どうやってつくるもなにもね、つくっちゃったもん勝ちですよ、自分の時間なんて。ちょっとぐらい窓ガラスが曇っててもいいし、トイレに「さぼったリング」ができててもいいの。
ずぼらな自分を許す。例えばね、洗濯したら、干したところからとか乾燥機から下着をとって着てもだいじょうぶなの。実は私、体力的につらくなってきた2年ぐらい前に、そういうルールを作ったんです。もうね、畳んで棚に入れないわけ。そこから着てまた洗濯するから、すぐボロボロになる。そしたら処分すればいいんです。下着の数も整理できます。
ごはんにしても、海外の晩ごはんって一皿ですよね。つけてもサラダ程度で、日本の料亭みたいにゴチャゴチャ作らない。そこで、ちょっと足りないから卵焼きでも作ろうか…とか思うから疲れちゃうのよ。40歳50歳過ぎたらね、おかずの数は減らす。お料理家の土井先生もおかず一品とお味噌汁でいいって言っていることですし、そろそろ1回リセットしないと、これからどんどん、家事をやるのがつらくなりますから。
マンガで流行った「やめてみた!」じゃないけど、意外に、やめても生きていけることって多い。きちんとしすぎない、ずぼらな自分を許す。あと、ダンナの面倒を見ない自分を許す。軸を自分に戻しましょう。
自分からいろいろ抱え込んで「私だけが忙しい、大変だ」って言ってる人は、「あ~、私、一回やめるから(にっこり)。あとお願いね」って周りに言ってみるといいんです。そういうことを言えない教育を受けてきちゃたんですね、日本の女性は。今は主婦だってパートしたりして働かなきゃいけないのに、いまだにその呪いに縛られてる。でも、そんなことしてたら疲れて過労死する…というか、その前に心が疲れて病んじゃいますから。そろそろ「ずぼら宣言」、しちゃいましょう!
今はまた、コロナで心身ともにみなさん疲れています。疲れって甘く見てはいけません。ご自分を大切に。
イラスト/松元まり子
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