40代半ばを過ぎた頃からいつも腰がだるくて、長時間立っているのがしんどくなりました。
整体やマッサージに年中通いましたが、施術直後は腰のだるさが消えていたのに家に着いた頃には元の木阿弥。
そのため費やした時間とお金を惜しく思うことがしばしばありました。
そんなある日、骨盤矯正の先生を取材した際、人生で初めて
「反り腰」
という言葉をきいたのです。
反り腰とは、下腹をぽこっと突き出すように腰を反らせている姿勢のこと。
下半身ぽっこりで見た目が悪くなるだけではなく、腰に負担がかかるのだそうです。
!
それってまさに私のことでは……。
ところが姿勢ってクセのひとつなので、直そうと思ってもそうそう簡単には直らないものです。
姿勢に気をつけていても、「ああ、腰がだるい」とふと感じたときには相変わらず反り腰に戻ってしまっているのです。
だるい腰を抱えたまま1年くらいは経ったころ、今度は睡眠の先生を取材する機会がありました。
「朝起きた瞬間からもう腰がだるいんです。
マットレスを変えたほうがいいでしょうか」
と日ごろの悩みを言ってみたら、先生はギリコの姿を束の間じっと見ると
「ベッドに仰向けに寝たとき腰の後ろに手が入るかどうか、チェックしてみてください」
と言いました。
そこで家でやってみました。
すると……
腰とマットレスの間に手の平がすっと入りました。
つまり仰向けに寝転がっているとき、腰とマットレスの間にけっこうな隙間が空いていたのです。
これはどういうことかというと私は起きているときだけではなく、寝ているときも反り腰だったのです。
どうりでいつも腰が痛いわけです。
この隙間をつぶそうとして寝る際は腰をマットレスに押し付けてみたりしましたが、それって快眠の世界とは程遠い。
テレビの通販番組をみながら
「『骨盤○○ベルト』とか『骨盤△△チェア』とかを買ったほうがいいのだろうか?」
と考えることもありました。
が、結果は
買う必要はなかった!
ではどうしたのかといいますと私の反り腰の改善に役立ったのは、なんと公園や駅にひっそり佇むベンチやイスだったのです。
それもなんの意匠も凝らされていない、座面が水平&真っ平のシンプルなベンチやイスです。
ではどういうベンチなのか、具体例をお見せします。
下の写真はギリコが自宅から最寄り駅まで行くとき、よく通る公園にあるベンチです。
真横から見てみましょう。
座面が水平で真っ平です。
これが私の反り腰を改善するのに理想的な座面を持つベンチのひとつなのです。
せっかくなので同じ公園にある別のベンチも見てみましょう↓
わかりますか?
座面に曲線があります。
これは私の反り腰改善には×なベンチ。
さらにもうひとつ別のベンチも見てみましょう↓
う~~ん、やはり座面に本当にわずかですが曲線があり、これも反り腰の改善に使えるベンチではありません。
ではさらに次に行きます。
上で紹介した公園のそばにあるベンチ↓
素晴らしい、座面が水平&真っ平!
これは反り腰改善にグッドなベンチです。
お次はこちら。
これもギリコの通勤経路にあるベンチ。
座面が水平&真っ平!
ただし石造りなので冬は座ると寒いのが難。
さらに次に行きます。
(え?しつこい?
でもあと少し我慢してくださいね)
これは自宅最寄り駅のベンチ。
実はこれがかなりのクセ者。
パッと見、座面が水平&真っ平に思えます。
でも横から見てみると……
実は傾斜していて水平ではないのです。
どうですか?
一口にベンチの座面と言っても、こんなにいろいろなタイプがあるのです。
絶対に一度屈んで真横からイスを見て、座面が水平で平らかどうかをチェックする。
これがとても大事なのです。
お待たせしました。
ではいよいよ
「なぜ反り腰改善にベンチの座面が水平&真っ平なことがキモなのか」
を説明したいと思います。
結論からいうと、反ってしまっている腰をまっすぐにするには〝骨盤を立てること〟が大事。
ところがこの〝骨盤を立てる〟というのがどういうことなのか、ギリコには長い間よくわからなかったのです。
お腹に力を入れてみたり、壁に背中を当ててまっすぐにしてみたりといろいろ自分でやってみても
「あ、ほら今、骨盤が立った!」
と思えることがなかったのです。
その長年謎だった〝骨盤が立っている状態〟が具体的にどういうことなのかわかったのは、呼吸法のレッスンを体験したとき。
骨盤の立て方を教わったのです。
<骨盤の立て方>
①下のような座面が水平&真っ平のイスに、肩幅くらいに足を広げて腰掛けます。
膝の角度は90度にし、両手を胸の前で×の形に組み、上体を前方30~45度くらいまで倒します。
このとき上半身は頭の重みを感じているはずです。
②倒した上体を徐々に起こしていきます。
③頭の重みを上半身が感じなくなった瞬間(←この〝瞬間〟が大事)にそこで動きを止めます。
これが〝骨盤が立っている〟ときなのです。
そしてこのときお尻の座骨は、垂直にイスの座面に刺さっているはずです。
(座面が水平&真っ平でないと、この骨盤が立った瞬間や座骨が座面に垂直に刺さっているのを体感しにくいので、さっきからいろんなベンチをお見せしていたのです)
骨盤が立っていると、頭の重みを上半身(腰を含む)は感じていないので体はとてもラク。
長時間立っていても、座っていても疲れません。
この〝骨盤が立っている〟人の代表例がお坊さんだそうです。
確かに法事のときなどにお経をあげている後ろ姿は、自然なたたずまいでありながらスッと背骨が伸び安定していて、とてもきれいです。
以降、座面が水平&真っ平なベンチやイスを見つけては<骨盤の立て方>を練習するようになったのです。
(なんでわざわざ駅とか公園とかでやるの……と思われた方も多いことと思います。
座面が水平&真っ平なイスが自宅にもあるのですが外国製のイスで座面の位置が私には高く、座ると足が床につかないのです……)
さぁ、読者のみなさんもここからは一緒に「診断」をしてみましょう。
これから登場するベンチやイスは反り腰改善にグッドなものでしょうか?
下はギリコが通勤時に乗り換える駅のベンチ↓。
さぁ反り腰改善にグッドなベンチだと思いますか?
答えは……
じゃじゃ~~ん!
座面が水平&真っ平なのでグッドなベンチ。
ただし金属製なので冬はお尻が寒い……。
では次行きます。
ギリコの勤める会社の最寄り駅のベンチです↓。
はい、簡単ですね。
答えは×です。
おまけに背もたれがこんなに後ろに傾斜しているので、これに寄りかかったら骨盤もかなり後傾してしまいます。
恐ろしい、、、
では次↓。
簡単ですね。
×です。
平な箇所がひとつもないフォルム。
骨盤のことを思うと、今やこのタイプのイスは滅多に座ることがなくなったギリコです。
では次↓。
答えは意外に思えるかもしれませんが×。
これは座面は水平&平らなのですが、ふかふかのクッションが入っていて不安定な上、座骨が座面に突き刺さっているのを実感しにくいのです。
そう座面が固いことも大事なのです。
ではいよいよラスト。
このイスはどうでしょう?
答えは意外かもしれませんが×。
横から見てみると微妙な傾斜があるのです。
しかも座面前方の端(膝の裏が当たる部分。下の写真でいうと右端)にも傾斜がついているので、座る際90度に膝を曲げにくい。
とにかく反り腰を直したかった私は、こんな調子で街中でベンチやイスを見つけては座面をチェックし続けました。
公園や駅だけではなく、デパートやよく行くビルのロビーなどで水平&真っ平な座面のベンチやイスを見つけたら、頭にメモ。
そしてそこを通るときは座り、<骨盤の立て方>を練習するよう心掛けました。
駅のホームで電車を待っている数分間なんて練習には最適です。
誰かと待ち合わせていて相手が遅れてきそうなんてときには、すかさず付近の座面が水平&真っ平なベンチを探して練習しました。
ほかには犬の散歩中が絶好の練習タイム。
ウチの犬は好きな公園と好きではない公園があるのですが、夢中で練習していた頃は犬の気持ちはその際無視して〝座面が水平&真っ平なベンチがある公園〟を第一優先で散歩。
地面のにおいを嗅いでいて歩みの進まないワンコの横で、次々とお目当てのベンチに座っては<骨盤の立て方>を練習しました。
その甲斐あり、体が骨盤が立っている状態を覚えることができた今、反り腰は改善。
そうなると電車に乗ったときスプリングのきいた不安定なイスに座っているよりも、地に足をしっかりつけ骨盤を立てた状態で立っている方がラクに感じるようになってきたのです。
この練習、隙間時間にできるのでおすすめですよ。