片づける→散らかってくる→また片づける→散らかってくる→またまた片づける→散らかってくる……
この日々繰り返されるループがときどき
片づける→散らかってくる→片づけたいけど気力がない→どんどん散らかってくる→使いたいものがすぐ出てこなくなる・家にいてもくつろげない→イライラする→疲れがとれない・たまる
になることがあります。
そんなときに私が手にするのは片づけの本。
本に載っている整頓され掃除も行き届いた部屋の写真をながめていると、だんだん片づけようかという気力が湧き、重かった体がなんとなく動き出すのです。
いうなれば私にとって片づけの本は整理整頓や掃除をさぼりだしたときの特効薬。
そのためいろいろな片づけの本を読んできましたが、最近一番効き目があると思ったのはこの本です。
郊外にある本当にごくごく普通の集合住宅に暮らす著者が日々行っている掃除や整理収納の工夫が紹介されているのですが、だらけているときかなり効きます。圧巻は台所の写真。この記事でお見せできないのが残念ですが、カウンターの上に見事に何もないのです。
その写真を見ているだけで頭が軽くなり、どんよりした心が晴れ、「よし、うちも片づけるか!」と立ち上がれるのです。
正直、建築士やインテリアデザイナーが手がけたとおぼしき豪邸がキレイに整えられているのを見ても「どうせお掃除の専門業者が定期的にきてるんでしょ」「これだけ広ければ収納スペースいっぱいあるでしょうから、部屋はすっきりするよね」とつい思って見習う気にならない私ですが、この本に出てくるような一般的なマンションを自分の工夫で住みやすくキレイに整えているのを見るととても励まされます。
カウンターに(ほぼ)何もない台所。
これは私が手に取ってきたいくつもの片づけや整理収納の本に共通していることのひとつ。
そこで私も実践しはじめました。
カウンターの上にモノを置かないことのよさは掃除のしやすやだけではなく、ふと思い立って野菜の下処理をしようなんてときもパッと取りかかれるなど、家事の機動力が増すのです。
下は私の台所の様子です。
〝何もない〟状態ではありませんが、ふだんから極力モノを出しっぱなしにしないようになりました。
写真左端に見えるタッパーはぬか床。
これは朝寝室から廊下を通り、台所に入ったとき真っ先に目に入る場所にわざと置いてあります。
理由は「ぬか床をかきまぜるのを忘れないため」。
そのおかげかぬか漬け歴9年目になりますが、一度もダメにしたことはありません。
その少し間をあけた横に置いてある白いコーヒーカップもわざと出しっぱなしにしてあります。
朝起きたら真っ先にお湯をわかして白湯を飲むのですが、それに使うのです。
ほかには小さな観葉植物に水をあげたり、目玉焼きをつくるときフライパンにちょっと水を差したりする際もこのカップをパッとつかんで蛇口に持って行きます。
そしてわざと出しっぱなしにしている最後がやかん。
うちは電気の湯沸かしポットを持っておらず、お湯は使うたびにやかんで沸かしています。
なのでやかんの使用頻度が大変高く、そのためわざと出しっぱなしに。その代わり、やかんはちょくちょく磨いて焦げをとり、ピカピカとまではいかなくても見苦しくない程度をキープしています(ちなみに写真のやかんは25年以上使っているものです)。
このように〝何となく出しっぱなし〟や〝しまうのが面倒くさくて出しっぱなし〟というものはないようにしています。
片づけの本を見ていて学んだことはほかにもあります。
それは〝掃除がしやすい動線〟の大切さ。
下は数年前プチリフォームをしたとき、建具屋さんにつくってもらった台所の吊り棚ですが、棚にペーパーホルダーをふたつ組み込んでもらいました。
上がティッシュペーパーで、下がペーパータオル。
ペーパーホルダーのすぐ横には掃除に使う、クエン酸、セスキソーダ、次亜塩素酸(※)が入ったスプレーボトルを置き、そしてその上のほうにはふきんをちゃちゃっと洗う時に使うボウルを置いています。
〝掃除=キレイにする〟のに使うアイテムをここに固めて置くことで、右手でペーパータオルを掴むと同時に左手でスプレーボトルを掴めるので、ちょっとした汚れならパッと掃除できるようになりました。
このペーパーホルダーはトイレの小さな手洗い場にも。
衛生管理のしやすさから、人間のトイレだけではなく犬たちのトイレの掃除にも毎日ペーパータオルを使うのですが、壁に埋め込むことでペーパーを置くための場所をとらず本当に便利です。
店舗や商業施設では当たり前のように見かけるこのペーパーホルダーですが、家庭で取り付けていることはほぼないのではないでしょうか。実にもったいない、と思っています。
手を拭いたあとのペーパーでついでに洗面台の水はねも一拭きすれば、洗面台がビショビショのままなんてこともなくなります。
プチリフォームで取り付けたものの中で一番気に入っています。
※ギリコがここで使っているのは次亜塩素酸水です。次亜塩素酸水は食塩水、塩酸を電気分解した水溶液で、食品の消毒や物品の除菌などに用いられます。次亜塩素酸ナトリウムとは異なります(2022年11月10日追記)