こんにちは。少し持ち直してきたと思ったら3度目の緊急事態宣言でエンタメ界も右往左往。とてもがっかりしているライブ大好き編集者のすぎです。
黙って拍手するだけの舞台やライブはOK、元気な若者が大勢集まるフェスは(魅力的なラインナップが発表されていますが)まだ我慢しよう・・と、一応、自分なりの判断基準で楽しみを見つけています。
さて、まだこんなに寂しいGWを迎えるとは思っていなかった4月の上旬、根津の弥生美術館で「田渕由美子展 ~1970’s『りぼん』おとめちっく♡メモリー~」を見てきました。
以前、一条ゆかり先生とお話ししたときに「りぼんの読者アンケートは、すごく気にしていた」とおっしゃるので、「でも先生は、ずっと1位だったんじゃないですか?」と聞くと、「違うのよ~。あの『おとめちっく』ブームの時は勝てなくて。悔しかったわ~」と。
げげっ。まさか自分が70年代後半の「おとめちっく」全盛期、陸奥A子先生と田渕由美子先生の大ファンでしたとは言えなくて、ドキドキしたのを覚えています。
田渕作品との出会いは小学5年生。中学時代に買ったコミックスを、大学で上京して以来5回の引っ越しを経てもなお持ち続けてるって、すごくないですか?
物が捨てられない、思い出好きな牡牛座O型です。
華麗でドラマチックな一条先生の作品に対して、「おとめちっく」漫画は、日常のスケッチ的な物語。たいていはシャイでドジな女の子が主人公で、身近な男の子との淡い恋愛をコミカルに描く作品が多かったのですが、ファッションやインテリアなど、その絵の可愛らしさも人気でした。
こちらも中学時代の思い出。タイムスケジュールや日記を毎日学校に提出する「生活記録」なるもののカバーに、田渕先生のイラストを模写していました。「せーかつきろくヨ!」という、ひらがな丸文字の表現に「おとめちっく」の強い影響を感じます(笑)。
『やさしいかおりのする秋に』という作品の扉絵だった左のイラストは、本当に好きでしたね。
展覧会では、漫画の原稿以外に、懐かしい『りぼん』の付録の展示もあって、「あ、このレターセット、持ってるかも!」と思って探してみたところ・・
ありました!
陸奥A子先生の付録のノートも発見。このノート、B5サイズの横開きで62ページもあって、中面のイラストも可愛く、まさにデラックスでした。もったいなくて使えないまま40年以上持ち続けているという・・。
弥生美術館に行ったのは、2018年の「一条ゆかり展」以来でした。実は2015年に「陸奥A子×少女ふろく展」というのもあったのですが、その時は気付かず、2016年の5月に福岡へライブ遠征したついでに、北九州市漫画ミュージアムでその展覧会を見たという思い出もあります。
今回の「田渕由美子展」で知ったのは、私が大好きだった『フランス窓便り』を描いていた頃、田渕先生は早稲田大学第一文学部に在籍中だったということ。
そして初の連載だったけれど、長いストーリーものは苦手で、白いペンキぬりのフランス窓のある小さな家で同居する3人の少女(大学生なのですが「少女」と書かれています)をそれぞれ主人公にした全3話のオムニバス作品にしたということ。シェアハウスものの、はしりですね。
当時の私は、「りぼん」で読むには大人っぽい、都会の大学生活に憧れていたのでしょうか? 今読むと、主人公の一人がずっとタバコを吸っていたりパチンコ屋に行ったりしていて驚くのですが(笑)。
こちらは展覧会のオリジナルグッズ。©Yumiko Tabuchi
私が購入したのは(右から)『フランス窓便り Part2:苗子』と『菜の花キャベツがささやいて』の扉絵ポストカードと、『林檎ものがたり』のメモ帳。
エプロンドレスやワンピース、チェックにリボンに小花柄などなど、今でも結構好きな私。(さすがにエプロンドレスは着ませんが、ワンピースはめっちゃ着てる)。そして、ひょろっとした草食&文化系男子が好きなのも、少女漫画由来のような・・。
三つ子の魂百まで。乙女心は永遠かもと思わせてくれる展覧会でした。
オンラインによる事前予約制。
新型コロナウイルス感染症予防対策による臨時休館のため、会期が6月27日(日)まで延長されました。今後の開館状況についてもHPでご確認ください。
同時に鑑賞できる「竹久夢二美術館」の展示も、乙女心を撃ち抜くオシャレさでした。