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幻の祇園祭と200年を経て甦る「鷹山」の便りから、京都に思いを馳せる夏

オチャリーナ

オチャリーナ

お茶好き、カフェ好きで、お茶のんで仲間とおしゃべりするのが至福。
コリ症、冷え性なので、鍼とかお灸で癒しています。
一番最近の担当は、翻訳のシリーズ本『こんにちは! 同意』&『こんにちは! 生理』。既刊の絵本『子どもを守る言葉「同意」って何?』も含め、「自分も相手も大切にする関係」に役立つ本を手がけたいと思っています。

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灼熱の東京に届いた涼やかな音色は…? 復興間近の山、「鷹山」のお囃子!

ずっと五輪&緊急事態の東京で、今年もひっそりと過ごすしかない毎日。昨年に続き、近場のカキ氷にせめてもの癒しを求めるのみ、というリピート状態が続いています。

そんな中、7月半ばにライターの坪田三千代さんからピポン!、とメッセージが届きました。旅を専門にする坪田さんは、ワクチン接種も既に終えられ、慎重に活動中。

 

「今、京都です。今年も祇園祭の山鉾巡行は中止ですが、山鉾だけ建てるところもあるようですね。私は今回、約200年ぶりの復活を目指して準備している休眠中の山、『鷹山』のお囃子を聞きました。 星のや京都にて」

 

渡月橋近くから舟で桂川を登って着く、星のや京都のあるあたりは、同じ流れでも「大堰川」(おおいがわ)というそうです。この写真を見ているだけで、灼熱の東京から一瞬エスケイプできる感じ!

 

わあ、いいなあ!

京都もしばらく行っていないし、実はワタクシ、祇園祭を直に見たことがありません。「祇園祭の少し前」の夏の京都に行った事なら何度もあるのですが!

 

以前は女性誌の編集を担当していたので、雑誌の取材で京都には何度も行っていましたが、京都といえば「秋」が定番。10月の紅葉前に発売の号に載せるためには、だいたい3ヶ月くらい前、つまり7月ごろに取材に行きます。となると、まさに祇園祭のシーズン!…なのですが、祇園祭が始まると京都の老舗さんは大忙しで、そんな中に取材なんかに行くのは大迷惑。なので、その時期を避けて直前にうかがっていたのです。

そして東京に戻って記事作りに励むころ、祇園祭が始まりニュースで見る…、とまあ、そういうスレ違いの運命だったのでした。(大げさ・笑)

 

そんな中に届いたメッセージについていた動画では、報道などで耳にするあの、「コンチキチン」という独特のメロディを目の前で演奏されていました。

 

▼動画(▷を押すと開始されます。音が出ますので、音量にご注意ください)

もっと聞きたい!と思わされる、チラ見せな感じがまたニクいったら!(許可を得て掲載しています)

 

迫力もあってしかも雅(みやび)な感じ! なんだかすっかり気持ちは京都に…。特に今年も巡行は中止になってしまった中で、お囃子を聴く機会なんて、東京ではレアです。目に映る緑も、みなさんの佇まいも、よく見るとお揃いのマスク(!)や手拭いも、美しい! すっかりうっとりしてしまいました。

 

 

応仁の乱以前からの由緒ある山が「休み山」から蘇るのは来年。今、まさにカウントダウン中! 

でも、なぜ今回、祇園から離れた星のや京都さんで祇園祭のお囃子のお披露目があったのでしょう? うかがってみると、興味深い理由がありました。

 

「200年前に大雨で懸装品が傷んでしまって以来、休眠状態(休み山)となってしまった『鷹山』という山を復活させようという事で、地元(中京区の衣棚町近辺)の方々が頑張っていらっしゃるようです。いよいよ来年の復活、となって、それに向けて、お囃子の準備も余念なく進めているそう。だけど今年は祇園祭の山鉾巡行がないため、お披露目する機会も多くない。そんな中で京都の文化の発展を応援している星のや京都さんで、鷹山さんのお囃子を大堰川に浮かべた舟から楽しむアクティビティ『京のお囃子舟』が実施されることになったそう。(2021年は7月に6回実施で終了。2022年夏も開催予定とのこと)

ただ、この日は前日の雨で川が増水して船が出せなくなったので、敷地内のお庭で開催。舟が出せなかったのは残念でしたが、お囃子を間近で聞けたうえ、皆さんに交じっての鐘つき体験もできて、十二分に楽しみました!」(坪田さん)

 

なるほど! そんな理由があったのですね。まさに現在進行形のドラマのクライマックスが間近、と思うとワクワクしてきます。そして、鐘つき体験、楽しそう!

 

さっそく、「鷹山」さんの保存会のホームページも見てみました。

応仁の乱より前から巡行していた曳山の「鷹山」は、華やかな意匠も見事だったそうですが、文政9年(1826年)の大雨で傷み、翌年から巡行への加列が途絶えていたそう。今は新しく見事な山を復興、お囃子も揃ってほぼ準備完了となり、来年の祇園祭を待つばかり、という状況が詳しく記されています。山の由来や意匠の意味などもわかり、初心者のワタシにも勉強になります。

 

 

公益財団法人 鷹山保存会H Pより(許可を得て掲載)。鷹山の美しい姿!復元された実物を直に見てみたい、と思います

 

数百年単位で歴史が息づく町ならではの、復活の物語。来年の夏が楽しみですねえ!(コロナ禍が終わっていますように!)

そんな、奥行き深い祇園祭のお囃子が、嵐山に響き渡り川面を揺らす、星のや京都さんの『京のお囃子舟』…。なんて優雅な趣向でしょう!

 

「星のや京都さんは、夏でも市街よりぐっと涼しく、大堰川を眺めるひとときや、お庭の植栽や苔むす石段などに癒されました。そうそう、少し前に料理長が代わられて、お料理がますます美味しくなったこともお知らせしておきます♪」

 

と届いた写真はこちら。

 

 

坪田さんが絶賛する料理長の高橋さんは京都吉兆にいらしたそう。自然をとり込んで美しくおいしいお料理は、京都ならでは。東京にいる我々にはうらやましい限り。でも、写真を愛でて食べた気分に(笑!)

 

ぬぬ、気になり過ぎます!

 

目も耳も舌(!)も、遠い京都を恋しく感じて、想いを馳せる夏。お土産にいただいた「厄除け飾りちまき」を飾ってコロナを追い払い、秋には京都に行けるといいなあ。そして、来年こそは現地で、「幻」でなく本番の祇園祭で「鷹山」さんの新しくて由緒ある山を、そしてできたら大堰川の水面も、ぜひこの目で見てみたいと思います!

 

写真は坪田さん所蔵の、「鷹山」さんの扇子とちまき(左が厄除け飾りのちまき)。今年も祇園祭期間中は販売されていたそうでH Pにも掲載がありました。「疫病退散」の小さな絵馬も可愛くて、ご利益ありそう!

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