オリンピックの馬術競技で話題になった「だるま」とは?
みなさん、東京オリンピック2020の馬術競技で「だるま」が注目されたことはご存じですか? 競技から1か月以上たった9月10日時点でも、Yahoo!検索で「オリンピック 乗馬」と入力すると、否応なく1番最初に「オリンピック 乗馬 だるま」という候補が出てくるほど。(※その後順位は変動。)
オリンピックの総合馬術の3つ目の競技「障害馬術」の障害物に「だるま」のオブジェがあり、馬達が怖がって(?)減点が続出した、と話題になっていました。
そのオブジェの一部がこちらです。
オリ・パラ馬術の競技会場だった馬事公苑(東京都世田谷区)が、パラリンピック終了後、2日間だけ一般公開されたので「だるま」見たさに行ってきましたよ。
NHKの見逃し動画で競技を再確認すると、だるま障害物は二連続で配置され、先ほどの写真の球形のだるま以外にも、たくさんのだるまが炎の中から見ている、おどろおどろしい“書き割り”も鎮座しています。
乗馬を趣味とする友人によりますと、馬事公苑には世界の名馬が集まっていたとか。馬の性格はさまざまで、繊細さん、怖がりさんもいるそう。名馬さん達、結構な割合でだるま障害物のバーを落としていましたよ。
名馬さん「ええい、この未知の丸い動物は何者ぞ? こちらを睨みつけているぞ…ど、どうしても近づかなくてはいけないのか、なら仕方ないから飛ぶけど…え、あ、よいしょっと」
と足が縮こまってバーをひっかけたとしても、さもありなんです。
このだるま障害物、障害馬術(個人)の夕方の予選で登場しましたが、夜の決勝では引っ込められ別のものに替えられていましたよ。私たちからすると、縁起ものなのですけれど…残念ながら名馬さんたちには伝わりませんでしたね。
今回知ったのですが、オリンピックの障害馬術競技では、遊び心あるデザインの障害物で開催国をアピールするのはよくあることらしいです。確かに“映え”ますよね。
「力士」「花札」「新幹線」…日本をアピールする障害物が続々!
さて、ほかの障害物も日本ならではのものが並んでいます。
こちら、「こけし」は、どの馬もなんなくクリアしていました。
名馬さん「はは~ん、これはどう見ても木彫りですわね。マトリョーシカより弱そう、へっちゃらよ!」
右手前に置かれた数字が飛ぶ順番。こけしは14番目の障害物ということになります。ちなみに障害物の高さは160cm、奥行きは200cmを超えるものもあるそうです。
こちらも話題になった「力士」。右手で掴んだポールにバーをかけて使用します。
名馬さん「き、君は、戦いを挑んでいるのか、はたまた通せんぼか~!?」
なんと花札も。
名馬さん「あら、おきれい。でもうちの選手のエルメスのスカーフにはかないませんことよ。ふふっ」
お化け屋敷っぽいという声もあった「和髪」。
名馬さん「だから、目が怖いって…!」
こちらのお城、モデルは姫路の白鷺城でしょうか。天守から石垣まで細かな細工がされていて、心を込めて作られたことが伝わってきます。
名馬さん「お、日本の白い城、ノイシュバンシュタイン城か? なかなか美しいではないか! 失敬して跨いでいくよ」
地味にかわいい「新幹線と桜」。
名馬さん「びゅわーん、びゅわーん、走るー。鼻歌交じりに飛び越えちゃえ!」
さて、JRAが運営する馬事公苑。アリーナを囲む観戦席はオリ・パラ用の仮設施設で、これで見納め。今後取り壊されるそうです。
ところで、このオリ・パラでは「多様性」について思い巡らす機会が多かったですね。他者の立場に寄り添って考えられたらと思いました。
今回の私の「定年女子あるある(かもしれない)川柳」は。
五輪見て 馬の気持ちを 推しはかる
ついでですが、オリ・パラ延期中の2020年秋にも、馬事公苑の公開日があり、行ってみました。
敷地内の「武蔵野自然林」という散策路には、物語から飛び出してきたようなツリーハウスができていましたよ。
手洗い場もお馬さん。
馬事公苑の再開は2023年とのこと。待ち遠しいです。