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50代、チャラチャラと軽い私たちの日本語

すぎ

すぎ

趣味は好きなバンドのライブ追っかけをしながら、全国のおいしいものを食べること。
摂生のストレスよりも心の健康を一番に、楽しい! 幸せ! と思える毎日を送りたいと思っています。(ただ自分に甘いだけ……かも?)

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こんにちは。宮本浩次さんの47都道府県ツアー、石垣島公演を「(日程的に)行けるかな~、でも行きたいな~、えいっ!!」と意を決して申し込んだところ、抽選に外れてしまったライブ大好き編集者のすぎです。

仕事しろよってことですね。はい、わかりました。しょんぼり・・。

 

さて、以前、私は英語がとても苦手で、「スヌーピーえいご」で朝の脳トレを始めた話 を書きましたが(ちなみに、ちゃんと今も続いています!)、日本語は大好き。

言葉の意味とか読み方とか語源とか、ついつい調べたくなるタイプです。

 

編集者という仕事柄、もちろん「正しい日本語を使わなければ」という気持ちはあるのですが、その一方で「今、流行っている言葉」や「若者言葉」にも興味津々。痛くない程度に使ってみたいと思ったりもします。

 

そんな「言葉」好きな私が、面白い!と思った本が、こちら。

酒井順子著「うまれることば、しぬことば」

酒井順子さんのエッセイ『うまれることば、しぬことば』です。

 

酒井順子さんといえば、2003年に発表した『負け犬の遠吠え』が大変話題になりました。

「未婚・子ナシ・30代以上の女性」を「負け犬」と名付け、自虐も込めて、その生態をユーモア溢れる文章で描き出したエッセイです。

酒井順子「負け犬の遠吠え」

東京生まれで小中高と私立のミッションスクール(女子校)に通い、高校生の頃から雑誌『オリーブ』にエッセイを寄稿。大学卒業後は大手広告代理店に就職するも3年で退職して、専業のエッセイストに。

 

地方出身の私からしたら、いかにも都会的できらびやかな経歴。世代が近いという以外にはあまり接点もなさそうに思えるのですが、世の中を俯瞰して冷静に分析する感じとか、女性の気持ちや行動を上品かつちょっと意地悪(笑)に表現する文章には、いつも「ふふっ」と笑ってしまいます。

 

今回の『うまれることば、しぬことば』は、2019年12月から2021年9月にかけてwebサイトで発表されたエッセイをまとめたもの。

言葉について考えることで、とことん曖昧さを好む日本人の性質や、社会の変化が浮かび上がってきます。

 

「コロナとの戦い」「コロナに負けるな!」と言われても、「戦い」の内容が今ひとつ戦いっぽくない。我々に課された最も大きな責務は「不平を言わず、家にいる」ことで、とくに戦意や勇気をふり絞らなくともできる・・というツッコミはコロナ禍ならでは。

 

ほかにも『「陰キャ」(陰気なキャラクター)と「根暗」の違い』とか、『「自分らしさ」に疲弊して』いる現代の若者の考察とか、「おまえ」ソングが多かった昭和の歌謡曲と二人称の話とか、語尾とジェンダーについての『「だよ」、「のよ」、「です」』など、どの章も面白いのですが、特に印象的だったのが『「ご迷惑」と「ご心配」』の章。

 

なぜ「ご迷惑」と「ご心配」はセットなのか。

「ご指導」と「ご鞭撻(べんたつ)」というのもあるけれど、「鞭撻」とは「ムチ打つ」という意味。「これからもご指導ください」だけでは響きが緩いので、「ご鞭撻」を入れてピリッと引き締め、真剣味をアピールするのではないか。しかし体罰はもちろん精神的ムチ打ちもモラハラになる世では、「ご鞭撻」もそう遠くない未来に、言ってはいけない言葉になるはず。「ご指導、ご鞭撻」という名コンビには、解散の危機が迫っているのでした。・・とか(笑)。

さらにコロナ禍で「ご理解、ご協力」の定型文があまりに連発されることへのイライラなど、「ご○○とご××」についての最終的な解釈には、なるほどな~と納得しました。

酒井順子「中年だって生きている」

『中年だって生きている』というエッセイの文庫版あとがきで、「我々世代の特徴は、「中年でも(精神的に)軽い」ところ」「いくつになっても自身の中でチャラチャラという音が聞こえ続けている」と書いていた酒井さん。

 

私自身、「うっそー」「本当?」で会話していた中高生時代から時は流れ、50代後半。「マジでヤバイ」なんて言う大人になるとは、思いもしなかったです。

 

 

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