「13年前日本に来た時、女性が自由に歩くことを見て本当に驚きました。自分の故郷では女性がひとりで外を歩くこともできなかった。日本は女性がイキイキして生活できて、平和な国、幸せな国民だと思いました」
TV画面で真摯に語るのは、アシュラフ・バブリさん、40歳。アフガニスタン出身、現在は日本在住の男性です。
ある日たまたまTVで、彼を取り上げた番組「ワタシが日本に住む理由」を見かけた私は、そのまま画面に釘付けになりました。
2022年、これほど“平和”“戦争”について、身近に考えさせられた年もなかったと思います。2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、いまだに解決には程遠い状態。日本にいる私たちも決して他人事ではなく、東アジアの国際情勢、エネルギー資源の確保、円安など、様々な問題を突きつけられています。
戦争や混乱に人々が巻き込まれているのは、ウクライナばかりではありません。昨年、アメリカが撤退、タリバンが復権したのがアフガニスタン。国外へ脱出しようと人々が空港に押し寄せ、飛行機にしがみついていた姿は衝撃的でした。
タリバンといえば、前政権では女性の教育や仕事を極端に制限、ブルカという全身を覆う衣装を強要したなど、女性の自由を多く奪いました。復権した現在、建前では女性の自由を守る、としていますが、現地の人は警戒しています。9月30日にはカブールの女子生徒が通う塾で、自爆テロが発生、多くの少女が犠牲になりました。
バブリさんは、TVの中で日本の公園に足を運び、ポツリとつぶやきます。
「13年前、毎日公園に来て、親子が遊んでいる姿を見て平和を感じていました。当時、アフガニスタンではタリバンが公園に行ける日も決めてしまって、男性と女性は別々の日に行かなければならなかった。家族みんなで一緒に、公園で過ごせないんですよね。
日本では普通に見えるこの景色だけど、世界では普通じゃない。こんな平和なところがあるんだと思いました」
バブリさんは現在、日本のアフガニスタン大使館で働いています。とはいえ、タリバン復権後、日本とアフガニスタンは国交断絶の状態。大使館のスタッフは5人しかおらず、しかも無給状態です。
「え、じゃあどうやって生活しているんですか?」という質問に「もう一つの仕事で収入を得ています」とバブリさん。日本人女性・愛さんと2014年に結婚、現在、千葉県松戸市で「アフガンサフラン」というショップを経営、アフガニスタンから輸入したサフランやドライフルーツ、ナッツなどを販売しています。
って、ちょーっと待った!!松戸市って…私の出身地じゃないですか!えーっ、駅から近い!えー、そんな店があったのか。知らなかった…ということであわてて検索。するとHPには「世界一フルーツがおいしいと言われるアフガニスタン産のドライフルーツを広めたいという思いから、現地の適正価格フェアトレードでかつ女性が働ける環境、農家さんを応援、支援し、自社で通関手続きをし日本に直輸入しています」とあります。
そっか、ではものは試し。ということでオンラインで購入してみました。
アフガンサフラン「スーパーフード ナッツ&レーズン 5種」(3,000円)
「世界一おいしい」って、どんなもんだろうと食べてみたら…
え、甘ー-いっ!というか、美味しいー--!なんというかお日さまの恵みを感じる、凝縮された甘さなのです。成分表示を見てみましたが、「レーズン」しか書いてありません。え、何もプラスしていないの!?なのに、なぜこんなに甘いの!?すると「天日干しにて本来の味や酵素が生き、栄養成分が凝縮されています。着色料、食品添加物、砂糖不使用、遺伝子組み換えはありません」とあります。
いや、確かに。このセットはレーズン3種にアーモンド(アーモンドのみ塩を使用)、そしてマルベリー(桑の実)というラインナップです。
左からレッドレーズン、マルベリー、グリーンレーズン。それぞれ美味しさが違います。レッドレーズンの濃縮された甘さに対し、グリーンレーズンはほどよい酸味がいい感じ。そしてマルベリー、私、初めて食べましたが、まー美味しいこと!現地では「森のキャラメル」と呼ばれているそう。確かにキャラメルの風味がありますが、歯にくっつかないキャラメルなのです。
さらにさらにうれしいのは、みんな栄養、ミネラル豊富だということ。たとえばマルベリーは食物繊維、鉄分、ビタミンC、日本人に不足しがちな亜鉛なども豊富に含まれているそう。レーズン類はアントシアニン、ポリフェノールが豊富。抗酸化作用がとても高いとか。いやー美味しいだけでなく、女性にうれしい成分満載なんて、スゴいと思いませんか?
私はおやつにヨーグルトにレーズンやマルベリーを入れて食べます。夜はワインにあわせて、チーズ&レーズンも最高に美味しいです♪
そしてさらにうれしいのは、現地の女性の就労支援になっていること。
「アフガンサフランで販売したものの収益は、アフガニスタンの女性の雇用の拡大に繋がります。アフガニスタンでは女性の仕事がまだまだ少なく、家族を養うためにやむなく紛争地域での仕事や身を売る仕事に就かざるをえない人が多数存在します。
アフガニスタンの農業の発展は、アフガニスタンの女性の雇用の拡大、さらには世界の平和へと繋がっていきます」
美味しく食べて女性支援になり、ひいては世界平和に貢献できるかも…というか、この美味しさを私だけが独り占めしてはもったいない!ぜひトライしてみてくださいね!