万華鏡 内なる自分を見つめる運トレ
~光と鏡が生み出す神秘~
潜在能力など、人の「内なるチカラ」にも底知れない深さがあって、まるで「小さな宇宙」と呼ぶにふさわしい、神秘的な世界と言われています。
たとえば神社仏閣などで聖なるパワーを頂く「運磨き」も素晴らしいけれど、時には自身の内なるパワー=小宇宙、を見つめることも、すごく大事。
今回はそんな「小宇宙の旅」に誘ってくれる“隠れ運トレスポット”『京都万華鏡ミュージアム姉小路館』をご紹介しますね。
美しい光を抱く万華鏡に自身の心を映す、という運トレは、実は私たち運勢学研究家が時々、こっそり使ってきた運気アップ法のひとつなんです。
小さな空間一面に、万華鏡、万華鏡、万華鏡!
そして360度すべての壁面に映し出される投映式万華鏡。

投映式万華鏡。たくさんの万華鏡が壁一面に映し出され、紋様が刻々と変化し続ける。©京都万華鏡ミュージアム姉小路館
キラキラと、美しい光の紋様が次々に変化していきます。
これはCGではなく万華鏡作家による本物の作品。

タイトル「暁光」を覗いて見えた景色。大きな陶器の坪型万華鏡で、陶芸家 小川文齋氏と万華鏡作家 山見浩司氏のコラボ作品

山見浩司作「十二単」を覗いた時に見えた景色。
え? 万華鏡??
って、子供の玩具じゃないの??
私もそう思っていたのですが、とんでもない・・・。
実はすごーく奥が深い世界なんです。
いまや万華鏡は、アメリカを中心に毎年世界大会まで開催されるほどの大芸術。
日本からもたくさんの万華鏡作家が受賞、そのレベルの高さで世界中のファンを魅了しているんです。
万華鏡は1816年、スコットランドの物理学者デーヴィッド・ブリュースターによって発明されました。
その3年後には江戸末期の日本に伝わり「百(ひゃく)色眼鏡(いろめがね)」と称され大流行したとか。

見る前からワクワクする万華鏡。「スターダスト」山見浩司氏
1980年代、アメリカを中心とした“万華鏡ルネサンス”により、現代のような芸術へと発展、今なお、万華鏡は美の進化を続けています。

手前の万華鏡、「MEBUKI」 佐藤元洋 作 若草色のボディラインがとてもエレガント。

これも万華鏡。あるだけで素敵なアート。「十二単」 山見浩司作

「風神雷神図万華鏡」 京都万華鏡ミュージアム制作監修
万華鏡はドライ&オイルタイプ、テレイドスコープなど、種類も様々。
ガラス細工等で造られたオブジェットをオイルに浮かせ、それを3枚ほどの鏡に映すことで、99%の異次元の世界が生まれます。
99%?
あとの1%は?
その1%こそが
「私たちの目」なんです。
万華鏡は「覗く」ことで初めて完成する光の宇宙。

山見浩司氏作「MIYAKO」を覗いて見えた景色。私の好きな作品のひとつ。
目に映った神秘の世界は、他の誰でもなく、覗いた人のためだけに生まれる瞬間芸術。
この先、同じ紋様に出会える確率はほぼ皆無。

万華鏡のタイトル「織と染」。 作者はベギー&スティーヴ キテルソン
万華鏡の世界は、感触や重さを感じることはできないけれど
私たちの目を通して確かに存在する神秘の世界。
そこは穏やかで平和的で、愛と喜びに満たされています。
心の望遠鏡である万華鏡をそっと覗いたとき、どんな光があなたを待ってくれているでしょうか?

「スターダスト」 山見浩司 作を覗いて見えた世界
鏡が映し出す美しい紋様は
もしかすると私たちの心を映しているのかも知れません。
その瞬間に出逢ったきらめきは
もう忘れたと思っていた私たち自身の内なる輝きなのかも知れません。
ところで、京都には廃校を活用したアート館が数多くありますが、
ここ京都万華鏡ミュージアム姉小路館もかつての中学校を改装したミュージアム。

京都万華鏡ミュージアム姉小路館。「kaleido scope」と書かれている。世界でも有名な万華鏡作家による渾身の作品が数多く展示されている。
ステキなのは館長さんや学芸員さんはじめ、スタッフ全員が笑顔で本当に生き生きと働いていらっしゃること。
スタッフが笑顔でいられる場所は「良い気」が宿っている証です。
京都を訪れたときは
ぜひ万華鏡ミュージアムにも足を伸ばしてみてください。
時には、自分の中の宇宙にトリップしてみるのもステキです。
天使のような澄んだ光の世界に出逢ったとき、
きっと心の中で何かが好転していくに違いありません。

どんな世界を映し出してくれるのかしら・・・。「源氏物語の世界」大塚新子・友子作

イラスト/sino