OurAgeの人気連載、NY発! 美しくなる「トリプル美食」を執筆しているのは、ニューヨーク(NY)在住の杉本佳子(よしこ)さん。毎回、うっとりするような美しいお料理の写真が印象的で、健康的でおいしいレシピが大好評です。今回は、ファッションジャーナリストであり、美容食研究家でもある杉本さんをご紹介します。
杉本佳子/ファッションジャーナリスト兼美容食研究家
1988年よりニューヨーク在住。1989年よりファッションジャーナリストとしてファッション、ファッションビジネス、小売りビジネスについて執筆。2013年より美容食研究家としても活動し始め、ブログ「YOSHIKOlicious Beauty」とインスタグラムを通じて、美肌効果の高い食材を中心に使い、美味しくて見た目がお洒落な料理を紹介している。
こちらの美しい一皿は、杉本さんの連載1回目に登場したアボカドトースト。レシピも調理も盛り付けも撮影も、全部ご自身で。この美的センスは、杉本さんのキャリアにありました。
NYに住みたくて、お金をためて渡米
ファッションが好きだった杉本さんは、文化服装学院のファッションデザイン専攻科(当時)を卒業後、東京ブラウスというアパレルメーカーにデザイナーとして就職しました。
「私が就職したのと同時に、父がアメリカのバージニア州に転勤になりまして。母は一緒に行くことになりましたが、私は当時住んでいた川崎の自宅で弟と暮らすことに。その年の夏休みにアメリカに遊びに行くことになり、3日間だけNYに立ち寄ったのです。それが私の初めての海外旅行で、それはそれは刺激的でした。日本でデザイナーとして働きながら、『ニューヨークで暮らしたい』と思いは募り、NYで働いている方をご紹介いただいたりしました」
当時、伊勢丹研究所を辞めてNYのファッション業界で働いていらした女性から、こんなアドバイスがあったそうです。
「20代で何のコネもなくNYに来るのは中途半端。30代になってしっかりコネクションをもってから来た方がいい。そうアドバイスしていただき、お金を貯めて30代で学生ビザで渡米したんです」
NY大学の語学クラスに入学し、最初は勉強の日々。2年目からは昼間の時間があいたので、日本を出るときに紹介してもらった、当時繊研新聞のニューヨーク通信員だった方に会いに行き、雑用などをお手伝いするようになったのだそう。この出会いが縁で、「記事を書かないか」と言われたのが、現在のキャリアにつながっています。
「元々ファッションと文章を書くことが好きだったので、この仕事は天職でした。主にアメリカ東海岸のファッションやファッションビジネス、小売りに関することなどを30年以上取材して書いています」
現在も本業はファッションジャーナリスト。このセンスが、料理の美しさにも生かされているのです。
65㎏まで太り、編み出した「6か条」
杉本さんは40代で出産を経験し、それまでは太ることはなかったのに断乳後、体重がどんどん増えていったそう。
「朝ごはんを抜いたり、食事をドリンクに置き換えるダイエットなどを続けたのですが、2回もお医者さんのお世話になる事態に。体調をかなり悪くして、ベッドから起き上がれなくなるような状態になりました。そこから独自で食べ方の研究を重ね、“美容食生活6か条”を組み立てました。それは、
1)食事の前に生のフルーツを食べる
2)食べ物を噛む回数を増やす
3)ディナーは早めに食べる
4)その日のスケジュールに合わせて食べる(運動量が少ない日は軽く)
5)炭水化物は減らす
6)適度な運動
という6か条。これを実践し、1年で16ポンド(約7.2kg)減らし、1年半で24ポンド(約11kg)の減量に成功しました」
元々料理が好きだったという杉本さんは、美容食研究家として研究を重ねるようになります。
「子供が小さい頃、お母さんたちと集まる時に手料理を持参して、『おいしい、お料理教室すればいいのに』と言われて、3年以上毎月お料理教室をやっていた時期がありました。今は、お料理教室はリクエストに応じて開催し、それとは別に美容食のお食事会を毎月開催しています」
食事で美しくなるために研究を重ね……
杉本さんのレシピは、「美肌によい食材を使い、食べておいしく、見た目にも気分が上がる!」というのがモットー。そして簡単にできるようにアレンジしているそうです。
「OurAgeの連載では『トリプル美食』と謳っています。美しくなって、おいしくて、気分が上がって3回ハッピーになる、という意味でトリプル美食です。食事は健康のために不可欠ですが、この年齢になったら美容だって気になりますよね。だから美肌によい栄養素を徹底的に調べ、さらにその含有量が高いものを選んでレシピを組み立てます。たとえば、『この食材はビタミンCが豊富!』と言われていても、栄養成分表を見て、もっとビタミンCの含有量が高い食材はないか、と調べます。そうやってできるだけ効率よく、しっかりと栄養を摂れるレシピを考えるのです」
その意識は、まさにジャーナリスト魂。間違いがなく、確実な情報を届けたい、という杉本さんのプロ意識の表れです。
「食事は毎日のことだから、限られた時間と予算で、できるだけ必要な栄養を摂りたいですよね。だから私のレシピは、栄養たっぷりです。それに、見た目にも美しいお料理を毎日食べること、食事のたびに気分が上がることはとても大切。私もできるだけ、日常の食事も見栄えよく作るようにしています。簡単なので、誰でもできますよ!」
栄養たっぷりの旬の食材も意識しているそうです。NYではファーマーズマーケットにでかけ、フレッシュな食材を買い求めるのが習慣。
「原稿を書きながら、『あ、あの組み合わせはおいしいかも』とひらめくことがよくあります。そのチャンスを逃さないように、自宅の冷蔵庫にはかなりの種類の食材をストックしていて、仕事の合間に作ってみたりしています。そもそもPCにずっと向かっているのは不健康ですよね。リフレッシュも兼ねて料理をしたり、レシピを考えるのはとても楽しいこと。これからもOurAgeの連載で、『トリプル美食』をたっぷりお届けしていきます。ぜひ作ってみてくださいね」
杉本佳子さんの人気連載、NY発! 美しくなる「トリプル美食」はこちら
撮影/織田桂子(本人ポートレート) 取材・文/島田ゆかり