「青春は飴のようにのびる!!」を実現し続ける、奇跡の70歳
漫画家として第一線を走り続けてきた一条ゆかりさん。10年前に東京・杉並区の一軒家に引っ越してからは、長年の夢だったという家庭菜園を実現して悠々自適な生活を送っているそう。今回は、韓国語の勉強とハイテクライフについて伺いました。好奇心旺盛な性格は、脳トレにも役立っているとか。
(19年12月取材)
Yukari Ichijo
一条ゆかりさん
1949年、岡山県生まれ。高校1年生のとき、「雨の子ノンちゃん」で単行本デビュー。’67年、第1回りぼん新人漫画賞に「雪のセレナーデ」が準入選し、「りぼん」にデビュー。以降、コメディからシリアスな恋愛ものまで、次々と大ヒットを生み出し、長きにわたり少女マンガ界に君臨。’86年、『有閑倶楽部』で第10回講談社漫画賞少女部門受賞。2007年、『プライド』で第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。
OurAge連載のコラム、「今週を乗り切る一言」も、大好評。
楽しくてラクちんな老後には
ハイテク機能が欠かせません!
悠々自適の生活を送る中で、一条さんが脳トレのために続けているのが韓国語。
「もう15年くらい断続的に続けていて、今は週に1回自宅でレッスンを受けています(緊急事態宣言時は自粛、現在はレッスンを復活)。単語を覚えるのは苦手だけれど、適度に脳にストレスを与えて、『キーッ、わからない!』ってなるくらいが老化防止になると思うのよね」
キッチンやトイレに韓国語を書き出した紙を貼り、日々、脳を活性化。その頭の柔らかさは、スマホやタブレットを使いこなす姿からもうかがい知れます。
冷蔵庫のドアに貼られた韓国語の単語リスト。「なるへそー、あっそっ、そうか…」など微妙なニュアンスの違いも。
「最近は音声機能を使うことが多くなりました。視力が悪いのでLINEも音声入力だとラクなんですね。特にiPadは点や丸、改行まで全部音声でやってくれるので、メモを取ったりするのにすごく便利。それとGoogleアシスタントがめちゃくちゃ賢いです。家でストレッチをするときに『タイマー1分かけて』って頼むと、『はい、1分ですね。スタート』って勝手にやってくれるのよ。すごい、近未来だわって(笑)」
作業中は、作務衣を愛用。「『プライド』の頃から絵はパソコンで描いています」。現在はコミックスのカバーや、友達に頼まれてカットを描くことがあるそう。
デジタルへの尽きない好奇心は、まるで若者のよう!
「でも、最初はデジタル否定派だったんですよ。パソコンで絵を描くなんて…と毛嫌いしてたんです。そんなとき、とあるイベントに行ったらパソコンがズラーッと並んでいて、調べ物ができるようになっていたんですね。パソコンができない私がそこでぼんやりしていたら、杖をついたおじいさんがオヨヨヨとやってきて、カタカタカタとすごい勢いで検索を始めたの。それを見て『負けた!』と(笑)。そして何もできない自分が猛烈に恥ずかしいと思ったんです」
元来の負けず嫌いもありますが、自分の考えに固執せず、柔軟に変わることができるからこそ、一条さんは進化し続けることができるのでしょう。
「お年寄りこそ、ハイテクなものが使えると便利だと思うのよね。新しい機能をどんどんマスターしなくっちゃ!」
次回は、すべて自分流にカスタマイズするのが好きな一条ゆかりさんのライフスタイルをご紹介します。
みんながハマった一条ゆかり作品①
デザイナー
モデルの亜美と、トップデザイナーの鳳麗香。秘められた二人の因縁がやがて悲劇を招く。少女漫画のタブーを超えた衝撃作
撮影/山田英博 取材・原文/佐藤裕美