20代より30代、30代より40代と、美しさも存在感も、ますます輝きを増している。パワフルなキャラクターを演じることが多いけれど、素顔の米倉涼子さんはもっと繊細、もっとフランク。日頃実践している美容のことや体づくりのこと、本音でいろいろ語ってくれた。
10年目の大門未知子が変わらずにいる理由は
米倉涼子さんは、やっぱり素敵な人。インタビューの冒頭、「最近、どうですか?」と伺ってみたら…。
「超疲れちゃった(笑)。『40代になったら楽しいよ』って芸能界の先輩たちから聞いていたので、すっごく期待してたんですけど。40代半ばでいきなりダッシュを始めちゃったから、やらなきゃいけないことが一気に増えすぎて、もう大変。自分の許容範囲を超えている気がして」
とりつくろったりカッコつけたり一切しないで、ガチの本音トークが始まった。
現在、第7シリーズの「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の撮影中。2020年に個人事務所を立ち上げてからは、自ら経営も行い、精神的にも肉体的にもフル回転の毎日が続いている。
2012年に「ドクターX」が始まったとき、米倉涼子さんは30代半ばだった。
「10年前のあの頃が私のピークだったんじゃないかな(笑)。いろんな面で整ってました。今は前よりすぐ疲れるし、もの忘れもするし。
シリーズごとに毎回ポスター撮りをするのですが、『以前のポスターはこうでした』って、ずらっと並べて見せてもらうと『あー、年とったなあ』って思うんです。撮影していても『前と同じようには歩けないよ』『前と同じようには走れないよ』『前と同じにはなれないよ』って思うの。
実は今回、ずっと履いていた素敵なヒール靴を少しだけ楽なものに変えました(笑)。連続ドラマをやるって本当に大変なので、体力を維持するのが一番の課題ですね」
そこで現在、体力維持のためにどういう対策をとっているのかというと。
「絶対にこれと決めてやるのは得意じゃないので、気になったことをやっている感じです。サプリメントは3秒くらいで飲めるので、増えてますね(笑)。
基本的にはマルチビタミンとビタミンB、D、マグネシウムなどを毎朝まとめて一気飲み。年齢を感じてマグネシウムをとるようにしたら、一瞬、これはいいかもと思いました。
疲れたときにマイヤーズ・カクテル(ビタミン・ミネラル点滴)も試したことがあります。それとキューピーコーワね!(笑) 効きそうなものは、とりあえずやってみたいと思うんです」
その抜群のプロポーションも、10年前と変わらない。米倉涼子さん演じる大門未知子はいつも、白衣の下はトレンド最先端のハイブランド・ファッション。時にはピンヒールで全力疾走したり、美脚を惜しげもなくさらしたり。
「いえ、そう見えるとしたら、姿勢のおかげかもしれませんね。なんかこう、肋骨を上げるというか、胸を高くする。疲れるとどうしても猫背になりがちだけど、おへそとバストトップの距離を最大限にするだけで背すじが伸びるし、ついでにお腹も引っ込んで、見かけがだいぶよくなります(笑)。
あと心がけているのは、肩甲骨を動かしたり、毎日ちゃんとお風呂に入って体を温めることくらいです」
ダイエットも特に意識はしないとか。
「食べたいときに食べたいものを食べています。ちょっと服がキツいな、太ったかなと思ったら多少は節制しますけど、それ以外は何もしていません。体を冷やさないように、寒い日には夕食を鍋物にしたり、その程度。昨日も寝る前にロールケーキ、食べちゃったしね(笑)」
「ドクターX ~外科医・大門未知子~」
群れを嫌い、権威を嫌い、圧倒的なスキルを武器に突き進むフリーランスの外科医・大門未知子(米倉涼子)。感染症の猛威により世界中で医療崩壊が起こる中、東帝大学病院に舞い戻った未知子は…。新たな敵役として登場する野村萬斎にも注目! 木曜21時テレビ朝日系列でオンエア中
米倉涼子さん
Ryoko Yonekura
1975年8月1日、神奈川県生まれ。’93年モデルデビュー。’99年に女優に転身し、数々のドラマ、映画、舞台に出演。2012年ミュージカル『CHICAGO』に主演し、NYブロードウェイデビュー。’17年、’19年に再演も果たす。2012年スタートの主演ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」が大ヒットし、現在第7シリーズに出演中。’20年4月に個人事務所Desafio(デサフィオ/「挑戦」を意味するスペイン語)を設立
撮影/土山大輔(TRON) ヘア&メイク/奥原清一 スタイリスト/えなみ眞理子 ネイル/菅 実加子 取材・原文/岡本麻佑