話題のダンスエンタテインメント『バーン・ザ・フロア』のステージ全17公演に、スペシャル・ゲストシンガーとして出演する西川貴教さん。
忙しい日々を送るその一方で、毎日のフィットネスを欠かさない。
ボディメイクにはまったきっかけは? どんなルーティンワークをこなしているの?
52歳の彼がOurAge読者に語る、美と健康にかける思いとは!
(西川さんが、音楽一筋になれなかった理由を語ったインタビュー前編はコチラ)
撮影/富田一也 ヘア&メイク/浅沼薫(Deep End) 取材・文/岡本麻佑
西川貴教さん
Profile
にしかわ・たかのり●1970年9月19日、滋賀県生まれ。1996年、ソロプロジェクト『T.M.Revolution』としてデビュー。2018年からは西川貴教名義での音楽活動を本格的に開始。2019年にNHK連続テレビ小説『スカーレット』に俳優として出演。俳優・声優・ラジオパーソナリティ、番組MCなど、多方面で活躍。2008年から初代『滋賀ふるさと観光大使』に任命され、2009 年以降、滋賀県初の大型野外ロックフェス『イナズマロック フェス』を主催。2020年、2021年『ベストボディ・ジャパン日本大会』モデルジャパン部門ゴールドクラス(50歳~59歳)で2 年連続優勝。2023年8月~9月にはミュージカル『スクールオブロック』で主人公デューイを演じる(柿澤勇人とのWキャスト)
20年かけて、筋肉を育て上げた
西川貴教さんが体づくりを始めたのは、30代に入るちょっと前のこと。
「もともと、食べてもまったく肉のつかない、ガリガリの体だったんです。20代後半から、1年で100本近くライブをやるようになって、とんでもないスケジュールで、そうなると体が回復しないまま次のステージに立つので、体が悲鳴をあげるんですね。毎回脱水症状を起こして倒れてた。
改善したくていろんな方に相談したら、『それはもう体重を増やして筋肉をつけるしかないよ』と。
ほら、普通の肉はしっとりしてるけど、水を切っていくとビーフジャーキーになるじゃないですか。ということは、筋肉がついていれば、そこに水分、つまり血液ですけど、水を貯めておくことができる。筋肉は水のタンクにもなるんです。だから『筋肉をつければ脱水症状はなくなるよ』と言われて、なるほど、と」
筋肉をつけたら、あきらかに脱水症状はなくなり、ステージに立つのが楽になった。
「そこからさらに、もっと動ける体をつくるにはどうしたらいいか考え始めたんです。
たとえば舞台のお話をいただくと、マチネもソワレもあって、連日みっちり繰り返すわけじゃないですか。納得した舞台を毎日、お客様に安定して提供できる体になるにはどうするか。その積み重ねでどんどん上の段階にシフトしていって、今に至るというわけです」
食べ物は、PFCバランスを基に組み立てる。PFCとは、人が健康を維持するために必要なエネルギー源、Protein(プロテイン/タンパク質)、Fat(ファット/脂質)、Carbohydrate(カーボハイドレート/炭水化物)の頭文字を繋げた言葉。
「僕は今体重が52~53キロなので、プロテインは×2 で、1日100グラムくらいを目安に。(通常、体重1キロあたり1グラムが1日に必要な量だといわれている)。
基本的にローファットですが、普段からグルテンフリーとカゼインフリーを意識していて、小麦と乳製品はほぼとりません。お米とかオーツ麦がメインですね。油もなるべく質の良い植物油やナッツ類でとるようにしています。
でもカロリーに関しては、ガソリンを入れないとエンジンが回らないので、そこまで気にせずとって、とりすぎたと思ったら有酸素運動で消費します」
ルーティンの有酸素運動は、毎日最低でも1時間。
「毎日必ず汗を流す時間を作ろうと決めているんです。大体いつも、走りますね。
時間がもったいないので、あえて外を走らずに、トレッドミルに乗って、タブレットでニュースを見て、世界情勢や日本の政治経済をチェックしながら走っています。余裕があればサウナにいって、そこでさらに深くニュース解説を見たり、動画で体に関する情報や栄養学の情報を勉強しています」
そうやってタフな体を手に入れた西川さん、コロナ禍をきっかけに、美しい筋肉美を競う『ベストボディ・ジャパン日本大会』に出場することになった。
「毎年、地元の滋賀で主催している音楽イベントがあるんですけど、2020年はコロナの影響でオンラインになったんです。そこでしばらく滋賀に滞在しているときに、飛び込みで地元のジムに行ったんですよ。するとそこのトレーナーの方が『ここまでやられているんだったら、大会とかどうですか?』って。
『いやいや僕なんか』って言ったんですけど、興味がないわけじゃないので『次は出てみますかね』って軽―く言ったら、『11月に大会がありますよ』って。
そのとき9月でしたから、たった2ヶ月じゃ無理だろうと思ったんですけど。偶然そこに行って、たまたま声をかけてもらって、運命というか縁を感じたので、出場することにしました。ちょうど50歳というタイミングでもありましたし、新しいことに挑戦するのもアリかな、と(笑)」
モデル部門、50代の部で、見事優勝した。
「正直、僕はオーディションというものを受けたことがなかった。でもここでは今の自分の体を見てもらって審査されて、優劣がつけられる。新鮮だったし、刺激を受けました。せっかくだからとトコトン突き詰めて、目一杯勉強させてもらいました」
その翌年もコロナは収まらず、再び出場。
「次の年も優勝して、2連覇することができました(笑)。以来、そこで得た知見を生かしながらトレーニングしています。こういう知識は日々更新されていて、良いと言われていたものが、ある日突然、実はマイナス効果だったと言われたり、昨日までの常識が今日ひっくりかえることも多いので、常にアップデートしながら、今に至ります」
おかげで、52歳だというのに肉体の衰えを感じることはないという。
「正直、そんなことを感じている余裕がない、という(笑)。今、目の前にあることに夢中です。
とにかく時間の流れが速くて、今年ももう、半分過ぎようとしていますからね! こうやってずるずる生きて行くんだろうと思うけど、肉体が健やかじゃないと、何もできないのは確かですから。
人生の折り返しを迎えている今、ここから先の自分がもう一段二段、レベルアップしていくためには、限られた時間の中で自分を鍛えていくしかないんです」
西川さんの強烈な元気オーラは、こんなふうにできていたのかと、思わず納得。
最後に、西川さんほどはできないけれど、体のために何かしたいOurAge読者にアドバイスを!
「一番手軽で誰にでもできるフィットネスは、歩くことです。特段ジムとか行かなくても、ご近所でいいから歩いてみるのが一番。できれば少し早歩きで、歩幅を広めにして、胸を張って歩いてください。
サプリメントも大事だけど、たとえばカルシウムは、地面にかかとをつけたときの衝撃で効率良く体に作用する。やっぱり運動は必要なんです。
人間は頭が重いので、重心を前に移すと自然と足が出て歩けてしまう。とぼとぼ散歩して『自分は歩いている』と思っている人も多いけど、フィットネス的には、それは単に重心が移動しているだけで、歩いていることにはなりません。
ももをあげて、足を蹴り上げて、前に進む。30分でいいんです。僕はそれだけでも全然いいと思います!」
カンテレ開局65周年記念『バーン・ザ・フロア BE BRAVE.TOGETHER.』
ワルツやタンゴ、サンバをはじめストリート・ダンスやコンテンポラリーダンスの要素まで取り込んだ、圧巻のダンスパフォーマンス。世界30カ国以上で上演され、日本では2002年から2018年まで10回の公演を重ね、45万人の観客を魅了してきた。2020年の公演中止を乗り越え、セットを新たに新曲も盛り込む今回の公演はチャンピオン級のダンサー16名が登場、さらに日本公演ならではの特別なコラボレーションとして西川貴教をスペシャル・ゲストシンガーを迎えて行われる。
東京公演2023年6月14日(水)~6月18日(日) 全8回 日本青年館ホール
大阪公演2023年6月20日(火)~6月25日(日) 全9回 クールジャパンパーク大阪 WWホール
公式ホームページ https://www.ktv.jp/btf/