年齢を重ねても華奢でかわいいイメージだけど、実は風吹ジュンさんは強靱なボディとタフなマインドの持ち主。
次々と楽しそうに仕事を続けているその秘訣は、運動や食事などきっちりとした自己管理と、なんでも面白がってしまうポジティブな生き方にあるみたい!
(江口のりこさん、小泉孝太郎さんと共演した映画『愛に乱暴』についてのインタビュー前編はコチラ)
撮影/富田一也 ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris) スタイリスト/岡本純子 取材・文/岡本麻佑
風吹ジュンさん
Profile
ふぶき・じゅん●1952年5月12日生まれ、富山県出身。75年、ドラマ「寺内貫太郞一家2」で俳優デビュー。『無能の人』(91年/竹中直人監督)で日本アカデミー賞優秀助演女優賞、『コキーユ ~貝殻~』(99年/中原俊監督)で報知映画賞主演女優賞を受賞。幅広い演技力でドラマ、映画に多数出演。近年の主な映画出演作に『浅田家!』(20年)、『Arc アーク』(21年)、『658㎞、陽子の旅』(23年)、『アイミタガイ』(24年11月1日公開)などがある。
よく寝てよく食べて、何をしていても楽しい!
元気の秘訣は? 風吹さんに伺うと、速攻で返事が。
「寝てます! よく寝てます。とにかく寝ないと損! と思っているので、1日7~8時間は寝ています」
たしかに睡眠は大事。それはわかっていても、年齢を重ねると寝つきが悪くなったり、短時間で目が覚めてしまったり、眠りが浅かったり。そんな悩みもよく聞くけれど。
「快眠サプリっていうのかな? 私はサントリーウエルネスの快眠セサミンというサプリメントに出会ってから、特に調子がいいですね。
きっと、社会的に眠りに関する悩みを持っている人が多いから、そういうサプリが充実してきたんじゃないかしら。私にはとてもよく効いていて、朝までぐっすり、深く眠れるようになりました」
もともと夜更かし大好き、という風吹さん。
「仕事で早寝早起きのとき以外は、超夜型です(笑)。TVで夜中に突然、すごく良質のドキュメンタリー番組をやってること、あるでしょ? ああいうの、ハマります。
あと、山の風景をダラダラと流している番組なんかも好き。ずっと見ていられる。映画ももちろん見ますよ。シーズンもののドラマを一気見することもあるし。でも寝るのも好きだから、外が朝陽で明るくなる前に寝るようにしています(笑)」
食べるものに関しても、積極的で研究心旺盛だ。
「今ハマっているのは、チムチュム鍋ですね。タイ料理で、ハーブや薬草を入れたスープに野菜とか豚肉を入れて、しゃぶしゃぶみたいにタレをつけていただくの。
材料はセットで売っているからそれを使うんですけど、自分流にアレンジして、タレにはお味噌と豆板醤、ごま油をごそっと入れます。スープはレモングラスやガランガル(生姜)、コブミカンの葉、赤唐辛子でぐつぐつ煮ると、すごくタイの香りになるんです。
そこにたっぷりのキノコやキャベツ、しゃぶしゃぶ用の豚肉を入れるだけ。豚肉ってビタミンBがとれるんですよね。もう本当に、元気になります」
ポピュラーになってきたタイ料理とはいえ、素材のハーブ類は、あまりなじみがない気もするけれど。
「最近はわりと、スーパーでも見かけますよ。見つけると多めに買って、冷凍しておきます。あとお味噌は、私は奄美大島の味噌を使っています。熟成させないで作るからフレッシュで粒々していて、甘みがあっておいしいの」
どうしてそんなに詳しいのかというと。
「外食して、『これ、おいしい!』って思うと、お店の人と仲良くなって、作り方を教わったりするのね(笑)。みんな優しいからいろいろ教えてくれます」
そう、風吹さんは吸収力抜群。おもしろそうなものを感知すると、近づいて見て聞いて、自分の中に取り込んでいく。
以前は中国茶にハマって現地まで買い付けに行ったり、山登りに目覚めて、難しいといわれる立山連峰の剣岳(つるぎだけ)まで制覇したり。
そんな風吹さんの腕には今、アップルウォッチが。
「転ぶとすぐわかるやつです(笑)。こけても、階段を降りても、すぐビビって鳴るんですよ。今こけましたね? 落ちましたね?って。いやいや、早く降りただけって言いたくなる(笑)。
発売してすぐに手に入れました。携帯電話もそうだけど、こういうのって、どんどん更新していかないと取り残されちゃうでしょ?
どんどんどんどん、え? こんなことができるの?って驚くのも楽しいですよ。今はスマホで撮影した写真を使って、自分だけのスタンプを作ったりして遊んでいます」
体力維持のためのジャイロトニックは、今も毎週通って継続中。
先日は久しぶりに山歩きをしようと、自分であれこれ検索して山に向かったそうで…。
「とにかく宿を予約して、夜中に行って泊まったんです。でもそこは私が行きたいと思っていた山とは全然違うところで。
朝になってそれに気づいて、『ここから登れる山はあるかしら?』って、また検索したりして(笑)。本当にドジ。だけどそれも楽しいの!」
この元気、この明るさが、今の風吹さんのキレイの素。
「どこに行っても楽しいから、それがまたエネルギーになって次の仕事に向かっていける。これからも、まだまだいろんなことができそうな気がしています」
『愛に乱暴』
専業主婦・初瀬桃子(江口のりこ)は結婚8年目の41歳。夫・真守(小泉孝太郎)の実家の敷地内に建つ「はなれ」で暮らしている。料理や趣味を楽しみながら、姑の照子(風吹ジュン)ともなんとかうまく折り合おうとしてきたが、近隣で相次ぐ不審火、愛猫の失踪、度々表示される不気味な不倫アカウントなど、不穏な出来事が起こり始め、徐々に日常の歯車がズレてくる…。
2024年8月30日(金)より、全国ロードショー
配給:東京テアトル
原作:吉田修一『愛に乱暴』(新潮文庫刊)
監督・脚本:森ガキ侑大
脚本:山﨑佐保子/鈴木史子
出演:江口のりこ 小泉孝太郎 馬場ふみか/風吹ジュン
Ⓒ2013 吉田修一/新潮社 Ⓒ2024「愛に乱暴」製作委員会