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還暦目前にして「何ひとつ衰えを感じない」という山口智子さんの元気の素は?(インタビュー/後編)

『ツーリズムEXPOジャパン2024』のスペシャル・サポーターに就任した山口智子さん。

世界中を旅してきた経験から、移動中や旅先での過ごし方はマスタークラス。

旅の知恵は旅先だけでなく、人生を楽しく生きる秘訣にもつながって、もうすぐ還暦を迎える今も元気でキレイ、ハッピーなこの笑顔の素になっている。

 

(山口さんがしてきた旅や、旅の魅力についてのインタビュー前編はコチラ

 

撮影/露木聡子 ヘア&メイク/根本亜沙美(Eureka) 取材・文/岡本麻佑

山口智子さん腕組み上半身写真

山口智子さん
Profile

やまぐち・ともこ●1964年10月20日生まれ、栃木県出身。1988年NHK朝の連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』ヒロインで俳優デビュー。数々のドラマや映画に出演。1995年に俳優の唐沢寿明さんと結婚。子供の頃から旅への憧れがあり、2010年から世界の音楽文化を映像ライブラリーに収めるプロジェクト『LISTEN.』をスタート。10年で26の国を訪れ、2022年に二次元コードから音楽映像を体感できる書籍『LISTEN.』(生きのびるブックス)を発刊。2023年から日本再発見の旅を綴るYouTubeチャンネル『山口智子の風穴!?』を配信中。

 

いつか、愉快なばあちゃんになりたい

旅慣れている山口智子さんの、旅行カバンの中身が知りたかった。

 

「旅は、本当に必要なものを選び取る訓練の場でもありますね。30年くらいかけてやっと、少しずつ旅の荷物を減らせるようになりました。昔はシャンプーやコンディショナーの大きなボトルを詰め込んで、全てに用意周到すぎてやたら荷物の多い人間でした」

 

今は、ヘアケアに関しては、泡立たないクリームシャンプーを、ひとつだけ。

 

「自分の体の自然の力を引き出す意味でも、過保護にしすぎず、引き算でケアしています。

泡のシャンプーは髪の油分を落としすぎるので、泡の立たないクリーム状のものをちょっとだけ使って、洗いすぎないようにしたら、コンディショナーも必要なくなって、荷物もスッキリ。スキンケアもオールインワンタイプです」

 

着るものも、旅を快適に過ごすための重要アイテム。何度も飛行機で移動するうちに、重要なことに気がついた。

 

「オーガニックコットンやシルクなどの自然素材に包まれていると、飛行機移動や時差によるストレスからの回復力が早い気がします。肌触りが心地いいというだけでなく、目に見えない自然の力で、細胞をいつの間にか癒してくれるのでしょうね。

自分で体験してみて、その威力を実感してます。天然素材を活かした繊維の職人技も、最近はとても進化してますからね」

 

そして旅に必ず持って行く、元気の素がある。

 

「いつも昆布茶を持って行きます。なかなか温かい飲み物が飲めない場所もあるから。小さなトラベル湯沸かし器で、ホテルの部屋でお湯を沸かして昆布茶を飲むとほっとします。

パウダー状の昆布茶ではなくて、塩昆布にお湯を注ぐタイプ。最後に食べる昆布の切れ端も美味しい。昆布茶で舌も心もリセットしていれば、日本食も恋しくはなりません(笑)」

 

さらに必ず持っていくのが、折りたたみの大きくなるビニルバッグ。

 

「物を厳選したいとか言いながら、旅先での買い物も大好きです。

その土地ならではの一期一会で、今しか出会えないと思う工芸品や民族衣装などは、即決で買います。私の体は日本規格に収まらないビッグサイズなので、海外では大きなサイズを買いだめするチャンス。だから帰国時は、大きな折りたたみバッグが一つ増えます(笑)」

山口智子さん目線無し上半身写真

なるほど、基礎体力もハンパない。そもそも元気じゃないと旅には行けない。

 

「私はフラメンコが大好き。踊っている限りは気力体力、バッチリです。踊るほど、疲労は回復しちゃいます」

 

それはいったい、どういうことかというと。

 

「30歳の頃フラメンコを始めて、でもだんだん振り付け重視の日本で習うフラメンコに疑問が芽生えて…まるでラジオ体操みたいで苦しくて、一時期遠ざかっていました。

でも10年ほど前に旅先のスペインで偶然、暮らしに根ざした庶民のフラメンコに出会って、また恋に落ちて修行を再開しました。歌やギターの音をしっかり体に吸収して、今ある命に感謝しながら踊るフラメンコは、生きる喜びです。明日も頑張ろうというパワーが湧いてくる。

 

コロナ禍では、オンラインでスペインと繋がりながら学んでいましたが、今は素晴らしい踊り手の皆さんがたくさん来日して、クラスを開いてくれるようになったので嬉しいです。

みんな日本のラーメンが大好きで、ラーメンを食べることを楽しみに来日してくれる(笑)。スペインにも年1で修行に行きますが、食文化が素晴らしい」

 

フラメンコといえば、汗を散らしながら官能的に踊る、みたいなイメージが強いけど。

 

「私は体育会系やナルシスト系の踊りは苦手(笑)。

私が心惹かれるフラメンコは、商店街の普通のおじいちゃんおばあちゃんがサラッと踊る、人生の味わいが滲み出るフラメンコ。ちょっとした動きやユーモラスな仕草や表情で、周りをあっと言わせる奇跡の瞬間を生み出す。真似したくても真似できない、人生の歳月に磨かれた究極の技。どう生きてきたかが表れるのが、フラメンコの面白さ」

 

では再開したフラメンコ、以前とはどこがどう違うのかというと。

 

「心と脳をものすごく使います。脳を使わないと、ただの筋肉運動になっちゃう。多分マシンの運動よりも、脳を使うダンスの方がものすごくカロリーを消費するんじゃないかな? 心も体も活性化します。

歌やギターを聴いて、心が湧き立つ。その喜びが体中に満ちて、体と脳と心が生き生きと結びつき出して、幸福感に満たされる。おかげで最近は記憶力も増して、体力や知力が年々増加してる気がします」

 

アウトプットしたあとの心と体には、踊る喜びがエネルギーとしてチャージされていく。そうやってフラメンコによる循環が完成するのだろう。

 

「もうすぐ還暦ですが、人生で今が最高潮です。何ひとつ衰えを感じていません。雑念が削ぎ落とされて、無理なく、本来の自分に近づいている感じ。

自分自身の内なる声に耳を傾けて、自分の心と体が幸せになるための道がやっとわかってきた。

 

若い頃のほうが、ホルモンの力に操られていたような気がします。怒りが収まらなかったり、泣きたくてたまらなくなったり… 別の誰かに憑依されて操られていたような(笑)」

山口智子さん笑顔の全身写真

もちろん、以前より目が見えにくかったり、疲れが抜けなかったり。気がつけばそんなこともあるけれど。

 

「確かに細かい字は見えにくくなってますが、それほど不便に感じない。若い頃は視力が良すぎて眼鏡に憧れてたから、今は老眼メガネで遊べるから嬉しい。

体の声を聞いて、今までより前進するスピードを緩めてみれば、今まで見えなかった新しい景色が見えてくる。

 

人生の逆境は、発想を変えて面白がるべき。『面白い!』『幸せ!』というポジティブな意識に集中していれば、自ずと楽しいことがどんどん増えていく。

 

今の髪色も、グレイヘアを目指す前に遊んでみようと思って。ただのゴールドじゃないんですよ。カーキ・イエロー・オリーブグリーンが入った、特別なゴールドです。大好きな色だから、合わせる服も色々可能性が広がって楽しい。

 

まず自分を快適に、幸せにしてあげることは、嬉しい責任。自分が最高の状態でいないと、まわりの人をハッピーに巻き込んでいけないから」

 

この先も、旅に出る。

 

「還暦を機に原点回帰で、故郷日本を改めて旅してみたいと思っています。

古墳とか磐座(いわくら。神聖な巨石のこと)とか遺跡とか、古代を探ることは、実は宇宙的でワクワクする。天体の動きを意識した太陽の道に巨石群が建てられていたり、当たり前に宇宙と関わって生きていたことがかっこいい!

古代って、超最先端。自然や天体のバイオリズムを、生き抜く知恵としていた古代にもっと学びたいです。遥かな遠い地へ赴く旅も面白いけれど、数千年数万年前の人間の歴史への旅は、壮大な時間旅行へ迷い込む快感です」

 

時空を超えてまたひとつ、新しい航路を見つけたみたい。

そうやって旅を重ねて、目指すのは“おもしろいばあさん”だ。

 

「歳をとっても、幸せを広めるために世の中の役に立ちたい。生きてきた人生の感動を、面白く語れるばあちゃんになりたいですね。

誰よりも楽しそうな愉快なばあちゃん。若者がこぞって話を聞きたくなるような、超エンターテインメントのストーリーテリングを目指したい!」

 

『ツーリズムEXPOジャパン2024』

ツーリズムEXPOジャパン ポスタービジュアル

「世界のツーリズムをリードする」総合観光イベントとして2014年から開催されているツーリズムEXPOジャパン。世界各地からの最新情報や、日本全国の魅力が集結する世界最大級の旅の祭典が9月28、29日に東京ビッグサイトで開かれます。9月28日(土)には、2024スペシャル・サポーターに就任した山口智子さんのトークショーも開催予定。入場券など詳しくは公式サイトで確認を。https://www.t-expo.jp/

※9月26、27日は業界日のため一般の方は入場いただけません。

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