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北欧のファブリックはリメイク向き!

新谷麻佐子

新谷麻佐子

あらたに・あさこ●イラストレーター&編集者。2014年にムーミンの作者トーベ・ヤンソンが暮らした島「クルーヴハル」に、友人でライターの内山さつきと1週間滞在したのをきっかけに、kukkameri(クッカメリ=フィンランド語で「花の海」の意) を結成。以後、フィンランドの小さな町や四季、暮らしと文化をテーマに取材を続けている。著書に『とっておきのフィンランド』(ダイヤモンド社)がある。http://kukkameri.com

暮らしに溶け込む手作り

 

6月に入り、じめじめしてきましたね。近ごろ、フィンランドの人たちとメールのやり取りをしていると、「今週は忙しいの!」とか、メールの終わりは「素敵な夏をね!」という言葉で締められていて、「もうすぐ夏がやってくる!」とウキウキそわそわしているのが伝わってきます。

 

冬が長い北欧の人たちにとって、太陽が最も長く照り輝く6月は特別です。紫外線を気にして日傘をさす私たち日本人と違って、街のカフェやレストランではテラス席に好んで座り、気持ち良さそうに太陽の光を浴びて過ごしています。

そんな夏の間は、小さな街でも毎週末のように屋外マーケットが開催されているので、そういうところでローカルの人々と交流ができるのが旅の楽しみのひとつです。

上の写真はフィンランド南西部の町、タンミサーリを訪れた時のもの。新じゃが、ディル、とれたての魚など、新鮮な食材のほか、お花や雑貨類も並んでいました

 

特に心に残っているのは、ヘルシンキから電車で1時間、さらにバスで20分ほどのところにあるフィスカルス村のマーケット。

フィスカルスに到着すると、美しいフィスカルス川が迎えてくれます。

 

ここで、私たちkukkameriの心をわしづかみにするお店との出会いがありました。

お店といっても、かわいらしいおばあちゃんが手作りしたアイテムをテーブルいっぱいに並べて売っているだけなのですが、北欧デザインのヴィンテージクロスを使った、素敵な帽子の数々に目が釘づけです。

 

広げてみると、この帽子、なんだか見たことのないようなかたちをしています。おばあちゃんは知っている英単語を並べながら、身振り手振りで、この帽子のかぶり方は2wayあること、それぞれどのようにかぶったらいいのかを笑顔で教えてくれました。

帽子の下についている太いひも(りぼん?)を頭のてっぺんで結ぶのか、はたまた下で結ぶのか。

好みが分かれるところですが、上で結ぶスタイルが私のお気に入りです。

 

そんな素敵なおばあちゃんのハンドメイドを思い出し、私もこのたびリメイクにチャレンジしました。

 

というのも、子どもの頃からショートカットまたはボブが定番なのですが、この自粛生活で伸びたい放題に伸びてしまった髪の毛にちょっぴりイライラ。なんとか気分の上がる方法はないだろうかと考えていたのです。

 

そこで、使い古したマリメッコのトートをリメイクすることに。フィンランドを旅したことがある人なら、もしくはフィンランドに行ったことがなくともマリメッコファンなら1枚は持っているであろう、あのトートバッグです。

 

2009年に初めてフィンランドに行った時に買ったトートバッグは、うれしくて毎日のように使っていました。職業柄、パソコンや重たい資料をたっぷり入れて持ち歩くことも多く、気づけば持ち手のところがボロボロ。人前で使うのは恥ずかしいほどなので、次第に出番がなくなりました。

 

こんな感じです!

バッグ本体も汚れがあちこち目立っていました。でもケシの花の柄「ウニッコ」はやっぱり好きだし、捨てるなんてできません。

 

私には、おばあちゃんの帽子のような立体的なものを作るのは難しいので、作り方をネットで検索して、ヘアバンドに変身させました。

どうです? なかなか素敵でしょう? マリメッコのファブリックがおしゃれで、インパクトも強いので、縫った部分の処理が少々甘くても気になりません。

 

フィンランドの女性は、ちょっとした時間を見つけて、日頃からジャムやコーディアルなどの保存食はもちろん、ミトンなどの日用品も、なんでもささっと手づくりしてしまいます。なかなか全部は真似できないけれど、「お気に入りのアイテムをリメイクして長く愛用する」という暮らしのアイディアをひとつ取り入れることができました。

 

お気に入りのヘアバンドのおかげで、梅雨時期&自粛モードの髪の毛伸び放題ボサボサヘアもすっきり! これで人と顔を合わせるZoom会議にも気分良く参加できそうです。

 

 

新谷麻佐子さんの北欧旅連載

『今人気の田園ツーリズム。フィンランド、ラトビア、エストニアに行ってきました!』

 

 

 

 

 

 

 

 

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