カトノリ農園、9年目の春を迎えました!
トンと暖かくなった気温のおかげで、それまで心許なさそうな佇まいだった野菜たちは一気に成長し(そのせいで収穫が間に合わず菜花となって咲かせてしまったものもあるけれど)、行くたびに「ああ、これも採らなきゃ!それも採っておこう!」と、動きの少なかった冬から確実に季節が移り変わったことを感じます。
もしゃもしゃと育ったサラダほうれん草、茎一本葉一枚にうらやましいほどのハリがあり、途中で折れたり切れてしまわないよう、根元からゆっくり慎重に抜いていきます。
一緒に収穫したルッコラ、水菜、三池高菜なども、お家に連れ帰って、まずは大切なお手入れを。
葉物野菜の多くは、土や茎、根から切り離すと、その直後からみるみる元気を失い、時間が経てば経つほど、クッタリ度が増してしまうので、少しでも元のような、元気な状態に戻してあげるべく、軽く土などを洗い流した後、水を張ったボウルの中に根元を浸します。
この日は気温が高く、家に帰り着いた頃には野菜達はすっかりクッタリしていて、早速お水にイン!
そこから一晩浸けたままにしておくと、朝にはしっかり水を吸って、ピンとハリのある姿に復活してくれていました。
この状態が確認できたら、1把づつ取り出し、ようやくメインの作業に着手。
今回収穫したサラダほうれん草、茎があまりに太く、食べるにはちょっと硬い・・ので、葉だけを食べることに。
「こっちは大きいの、小さな葉はこっちのボウルへ・・・」
キッチンで一人、黙々仕分け作業。
ちなみにこのサラダほうれん草、茎から葉を切り離すたびに“ビーツ”のような“土っぽさ”を含む香りが鼻先まで届き、「どんな風に食べてくださるの?」なんて語りかけられているような気持ちに。
食べる前にまだ、お家に帰ってからも一作業があるなんて、畑を始めるまでは全く想像もしておらず、仕事などが続く日には、正直「あ・・やらなきゃ・・」と面倒に思うこともあるのですが、この“小さな手間”をかけることによって、より野菜が長持ちし、美味しく食べられるのなら、野菜を育てている責任として、やるべき事なんだろうな・・なんて考えられるようになりました。
バルサミコ酢、オリーブオイルでマリネしたサラダほうれん草に、オイル蒸しにしたスティックセニョール、温泉卵のサラダ。
サラダほうれん草のしっかりとした歯ごたえと、サクサクとしたスティックセニョールの食感、黄身のトロミ・・・
食べていて楽しい一品になりました。
こうしたお野菜を大切にしみじみ噛み締め、そしてまたエネルギーをもらいに畑へ!
春のキッチンの彩りは、ルッコラ、サラダほうれん草、三池高菜のお花で。
食べてよし、飾ってよし、ありがとう、春の畑!
加藤紀子
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