冬になると、何度も頼ってしまうのが、鍋料理。
好きな野菜、お肉やお豆腐などを入れて火にかけ、湯気が上がり始めたら冷蔵庫からビールを、コトコトと鳴る音をつまみにまずは一杯。
「さあどうぞ!」と言わんばかりに、鍋蓋がカタカタ言い始めたら「冬、最高!」
蓋を外して、いただきます!
中でも、お気に入りは“ピエンロー鍋”。
グラフィックデザイナーであり作家の妹尾河童さんが、レシピや作り方を雑誌で紹介されているのを見かけ、「ピエンローってナンダロー?」と作ってみたのは、かれこれ9年ほど前。
干し椎茸を一晩戻し、その戻し汁に、白菜、豚肉、鶏肉、春雨を入れて、具材が煮えたら、最後にごま油を回しかけて完成!
そこから各自、取り分けた器の中に塩や一味で味を整えれば、「おいしいなあ・・」がずっと。
このピエンロー、「主役は白菜!」と言われていて、とにかく美味しく食べたい気持ちが強い我が家は、寒さによって白菜の甘さがより引き出される時期まで我慢強く待つほど。
なので今年は新年早々、都内にも雪が降った直後に初収穫!
2022年のピエンロー、ようやく拝めることができました。
ちなみにピエンローに関しては、夫が鍋奉行。
至ってシンプルな作り方だからか、私はすぐに「ここにお豆腐入れちゃおう!」「春菊も!」なんてアレンジをしようとしたり、「ポン酢もいいよね」などルールを破りがちなので、レシピに忠実に作ることができ、「それは違う」とキッパリ正してくれる性格の夫に委ねることにしました。
なので私は、そこに行き着くための白菜作り担当。
「冬の鍋なんて考えられない」と思うほど暑さが残る畑で、種をまいたのは去年9月の初め。
芽が出て、葉が伸びて、丸まって・・
白菜の成長は至ってゆっくりで静か、だからかその間の記録写真・・・忘れがち。
気づけば3ヶ月後には、こんなにも成長してました。
お花のように広がる葉の姿、このまま見ていたいほど美しい・・のだけど、霜が降りて白菜内にある水分が凍ってしまうと、“霜枯れ”を起こしてしまうので、防ぐための“頭縛り”で寒さ対策。
「この辺?もっと上かな?」白菜を抱え込みながら一玉ずつ。
ゆるすぎず、強すぎず、ひたすらに美味しく成長することを願いながらの作業。
趣味の畑では少しの数で終わるけど、白菜を出荷なさる農家さんはどれほどの時間を費やすのでしょう・・・(涙)。
最近のお気に入りは、なんといっても”オレンジ白菜”。
「さっぱり」と言うより「ほのかな甘み」が楽しめ、生でも、煮込んでトロトロを味わっても、和食にも洋食にも中華にも、どのシーンにもピッタリハマる万能白菜!
「こんなに美味しいのなら、もうオレンジ白菜だけ育てることにしよう!」
今季はそんな気持ちで植えたのでした。
収穫をした翌日、食べる前には玄関先で干します。
そうすることによって白菜の水分が抜けて甘味成分が増し、さらにはお出汁や調味料が馴染みやすくなるので、美味しく鍋を食べるための、大事なひと作業。
そしてお鍋の準備をと、白菜を切り分けたら、私のお役目終了。
夫にバトンタッチして、お椀片手にぬくぬく延々に、ピエンロー堪能時間!
この味わいは、数ヶ月かけて育てた白菜が、夫婦二人で半玉ペロリ、
四人いたなら軽く一玉消費しちゃうほどの美味しさ。
まだまだ寒い日は続き、着込みすぎたせいで畑で動きにくくなったり、持った野菜の冷たさに思わず震えることもありますが、それでも冬野菜が放つ、今しか味わえない魅力を「もう食べ切った!」と思うまで、存分に感じようと思います。
あと何回ピエンロー出来るかなあ??
ほうれん草を使って常夜鍋もいいなあ・・・
大根おろしを入れてみぞれ鍋も・・・
キャベツ増し増し、もつ鍋も・・・
今夜は、どんな鍋にしましょうかね?
加藤紀子
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