これまで何度、いや何十回も国内外あちこちのマルシェで野菜を買ってきているはずなのに、いざ売る側となると、こうもドキドキするものなのですね。
「もしも・・・だったら」なんて、起きてもいないネガティブな出来事を想像しては、頭を振って打ち消し、そうならないようために様子を見たりケアをしたり。
そんなドキドキは何かというと先日、人生初となるお野菜販売の機会を頂きました!
陶芸教室メンバーでランチを楽しんでいた冬のある日、薬膳料理のケータリングで日々多くの方の胃袋を笑顔にしているお友達が「みんなで器やお料理、そしてお野菜販売のイベントとかやれたらいいな〜」と提案。
その日は一同「そうだねえ」なんてふんわりした会話で終えたものの、コロナ禍を経験してからというもの「出来るうちに出来ることは楽しむべし」的な教訓が誰の心の中にもあり、いつからかお教室で会うたび、土をこねながらそれぞれが出来る役割を口に。
「紀子さんの野菜を食べたときの衝撃をみんなにも知って欲しい!」と、彼女からもらったありがたい言葉に喜ぶ一方、イベント予定時の畑は、冬野菜が終わり春夏野菜が出来るまで収穫物が極端に減る端境期(はざかいき)真っ只中。どんなお野菜が出せるか、畑の若師匠や畑メイトさんに相談に乗ってもらいながら、準備を進めてみることに。
キャベツの周りにある草を一気に片付ける日もあれば、「あと少し、頑張ってくれ!」と終息に向かうケールにエールを届ける日も。
なんとか販売用のお野菜は整ったものの、その野菜を何に詰めるか問題が。
それぞれをビニール袋に個包装するのが便利だけど、この時代において出来るかぎりゴミは減らしたい・・・、でも野菜の乾燥は防ぎたい・・・、誰にとっても優しい販売って、どうすればいいんだろう?
今回は新聞紙で作った袋に詰める方法を取り入れることにしました。
これならお野菜を数種類入れてもバラバラになりにくく、乾燥からも守れる上に持ち帰りにも良さそう!
さらに願わくばその袋の再利用だって(生ゴミなどを入れてもいいですね)!と、夜な夜なYouTubeを観ながら新聞紙を折るも、ああ・・・悲しき不器用。
ヨレヨレになる、端が破れる、これだとマチがない・・・(涙)、そんな私を見た畑メイトさんが作業場にてテキパキ折ってくれたことによって、見事完成!
乾燥しにくいお野菜はそのまま直接、水分が抜けやすいものは野菜自身の水分で乾燥を防ぐ用袋に入れて、「春のサラダセット」として販売することに(それぞれに良い保存方法は目下研究中)。
「八百屋さんみたい!」トランクいっぱいに詰めた野菜を見て、一気に販売スイッチオン!
「こちらはケール、ルッコラ、新玉ねぎ、ラディッシュのセットで、春キャベツと小松菜も単体でご用意ありますー」なんて、オープンした途端・・・
続々とお客様が!
私と知らず買ってくださる方、おしゃべりして気づいてくださる方、「一度食べてみたかった」な友人知人、そして「サインと小松菜ください」なんてファンの方も。
どなたもとても興味深くお野菜を手にしてくださり、どう食べたら良いかの情報交換なども楽しめたほか、生産者から消費者の方々に野菜を通して生きるに繋がるものを届けるという意味、大切さを身をもって学ぶことが出来ました。
おかげで販売からわずかな時間でお野菜は全て売り切れ、さらにはその夜から翌日にかけて、華麗な姿に調理された野菜料理写真がSNS上にも!
畑を始めた11年前には育てた野菜の販売が出来るなんて一ミリの想像もしていなかったけれど、経験を重ねると時に新たなドアが開き、一歩進めるという勉強と自信になりました。
そして同時に「畑をやりたいんです」のご相談の声を頂き、野菜作りへの関心の高さも感じたりもしたので、次回はどなたでもトライしやすい「スーパーで買ったコレを植える!」野菜作りをご紹介しようと思います!
加藤紀子
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