ユダヤ人の女医さんからもらったセックスセラピストの電話番号に電話をすると、「できるだけ夫婦で一緒に来てほしい」と言われました。
夫に話すと、絶対嫌だと断固拒否。
それをセックスセラピストに伝えると、しょうがないという感じで、まずは私一人で行くことを認めてくれました。
アポイントをとって行った部屋は、少し薄暗いリビングルームのような部屋でした。
そこで女性のセックスセラピストと対峙した私。
当時は女性の友人たちともセックスの話をすることはほとんどなかったので、初対面の他人とそういう話をすることにとても居心地の悪さを感じたものです。
話しているうちに、「マスタベーションはしますか?」と聞かれ、そこでも昭和生まれの日本人女性の一面が出た私。
「え~(そんなこと聞かれるなんて!?恥ずかしい~)…しません…」と言ったら、
「しないの?え、どうしてしないの?」と聞かれ、さらに言葉に詰まりました。
「どうしてしないの?」と聞かれても…
「罪悪感を感じるの?」と聞かれ、「そうですね~」となんとなく応じる私。
セックスセラピストから、「マスタベーションは悪いことではない。まずはマスタベーションをするように」と強くすすめられ、そのためのバイブレーターも「これを買いなさい」と特定されました。
「普通のマッサージにも使えるものだから、届いてもセックストイとは思われないからいいでしょ?エンジョイ!」と言われ、しぶしぶネットで注文。
そして、セラピストから改めて、夫にも来させるように、もしも2人で来るのがどうしても嫌なら夫1人でもいいからとにかく来させるようにと言われました。
夫に再度頼んだところ、「君のために1度だけ行く。でも1人で行く。効果はないと思う」と言いつつ行ってくれました。
夫とのセッションが終わった頃にセックスセラピストに電話したところ、彼女は夫に私と2人で改めて来るように話したそうですが、夫は聞く耳もたず。「お役にたてなくてごめんなさい」と言われました。
そして、「バイブレーターは使ってる?感じる?」と聞かれました。
「ああ、まあ使ってます。でもどこをどうしたら感じるのかまだよくわからなくて。まあでも感じることは感じます」と、恥ずかしさもあいまって、なんともあいまいな答えになる私。
「えっと、中に入れるんじゃないのよ、入れてないわよね?」と聞かれ、(え、こんなのが入る膣ってどんな膣?そんな人いるんだろうか?)と頭の中が疑問符でいっぱいになりながら、「いえ、中には入れてないです」と答えました。
「まあ、そのまま続けてね」と言われ、「また来ますか?」と聞かれましたが、お金もかかるし、また行っても特別効果が感じられないような気がして、セックスセラピストに行ったのは、結局その時だけでした。
バイブレーターを買ったのはその時が生まれて初めてでしたが、結果的には良かったと思います。
マスタベーションに罪悪感や違和感をもつのは違う、まずは自分のからだでどこが一番感じるのか、どこをどう刺激してもらうと感じるのか、自分でわかっていることはとても大事だと、後に自覚するようになりましたが、そういう自覚に至るための最初の一歩になったと思います。
自分のどこが感じるのか自分がわかっていないのに、相手にわかってもらおうというのはむしろ図々しいですよね。
まずは自分でわかっていることが大事と、今では思っています。