この夏のある日、三条通にある京友禅の老舗「千總(ちそう)」のギャラリーを久しぶりに覗いた時、1階のショップで出会ったのが、「QINUDE(キヌード)」というシンプルな容器のスキンケア製品です。スモーキーな白い容器は、なんともスタイリッシュ。実はスキンケアの容器というのは、並べて主張しすぎない、それでいて上質感が欲しいと思っています。そのパッケージに惹きつけられるように手に取ると、その容器は、洗面台のシンクに落としても割れないプラスチック製、しかもリサイクルができるもの。クレンジング、ローション、モイスチャーミルクの3品は、4,700円~7,900円という高級ラインながら、ガラス製ボトルを使わなかったところに、「う、この製品の開発者は、なかなかのセンスの持ち主…」と、まず変なところから興味を抱いたスキンケアです。
「なんで千總さんに置かれているのだろう?」と思いスタッフに伺うと、このスキンケア製品は、京友禅の老舗「千總」の着物に使用されているのと同じ国産の生糸のシルクフィブロイン(シルクから抽出したタンパク質)を配合したものだと知りました。
シルクは、人間の皮膚に含まれるアミノ酸を豊富に含み、肌の健やかな状態を保つと言われ、多くのスキンケア製品に使われています。「なんでまた…?」という思いを抱きつつ、さらにこの製品を見て行くと、そこに使われているシルクは、純国産のシルクなのです。実は、国内で流通するシルクの着物のほとんどは中国など外国産生糸によるもの。なんと今や1%しか国産生糸による着物はないのだそう。そのため国内の養蚕農家は激減。このままでは、日本の上質なシルクが危ない…という思いから純国産の絹を守る「絹甦(けんこう)プロジェクト」が立ち上げられ、その商品開発のひとつとしてスタートしたのが、この「QINUDE(キヌード)」というスキンケアです。日本の優れた養蚕技術を未来に繋げると共に、現代の人達が求めるシンプルで使いやすいスキンケア製品の誕生です。
「QINUDE(キヌード)」に使用されるのは、弘治元年(1555年)創業の京友禅の老舗「千總」が使用する純国産の高品質の絹と同じもの。製造するのは、最先端のスキンケア製品製造の技術を誇る京都の「メルヴェーユ株式会社」です。日本古来の上質の絹素材を使った京都生まれのスキンケアと言えます。
さっそく3ステップのスキンケアを、3週間ほど実際に体験しました。
クレンジングは、「絹で洗う」をコンセプトにしたジェルタイプで、ファンデーションなどを浮き上がらせるように、やさしくマッサージしながら顔全体にのばします。ぬるま湯で洗い流すと、さっぱり。ファンデーションもすっかり落ちているよう。肌もしっとりしています。ソープでのダブル洗顔は不要で、肌の皮脂を取り過ぎず余分な負担も少ないそう。「キヌード ダブルクレンジングジェルK 150ml 4,700円」(税別)
「絹で潤す」という透明のローションは、肌にのせるとトロミを感じます。肌の内部に沁み込むように、ゆっくり手で押さえながら、のばします。肌がふっくら潤い含んだ感じに。「キヌード ローションK 150ml 6,000円」(税別)
「絹で保つ」というモイスチャーミルク(乳液)は、こっくりとしたテクスチャーで、肌を包みます。少量で顔全体にのび、べとつき感もなく、滑らかな感じに。顔から首筋にのばし、首のシワ改善対策に。「キヌード モイストミルクK 150ml 7,900円」(税別)
毎日のお手入れは、シンプルに進みます。どの製品にも感じるゆずのような柑橘系の香りは、それだけでリラックスを誘うよう。使うのが楽しみになる香りです。
夏の暑さと紫外線でダメージを受けた肌を、シルクのパワーが穏やかに癒してくれる感じです。「なんか肌のキメが整ってきたみたい…」と鏡を見ながら…。思わずニッコリ。
幅広い年齢層が使用できるスキンケアです。
スタイリッシュなボトルなので、洗面台に並ぶ様子もスッキリしています。
京都の「千總本店」のショップで出会った「QINUDE(キヌード)」は、現在、オフィシャルサイトで販売をスタート。
スターターとして、トライアルセット各30ml1箱2,980円(税別)もあります。
使うほどに、肌が健やかになってゆくのを実感するスキンケアです。
株式会社QINUDE
京都市中京区室町通御池上ル御池之町323
☎050-5362-7678
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」