2019年春に、京都の町の中心地、四条室町に京都の経済の発展のため「京都経済センター」の新しいビルが完成し、その1階の一角に「きものステーション・京都」ができました。ここは、和装、テキスタイル、アパレル、インテリア、寝具などを扱う業者が加盟する「京都織物卸商業組合」が運営し、きものをより多くの人に楽しんでもらうためのきものの魅力発信基地。着物に関するさまざまな情報発信、また気軽に着物に親しめる京都文化に関わるいろいろなイベントなどが行われています。
京都の町歩きの途中に立ち寄った私は、スニーカーにパンツというカジュアルな服装。「どうぞ~気軽に中へ~」とスタッフの方に促され中へ進みます。
ここでは「京都織物卸商業組合」に加盟する多彩な分野の業者さんが、毎月持ち回りで展示・販売を担当。この日は、風呂敷が並んでいました。
「時間があれば、今から茶道体験できますから、どうぞ~」と。奥には、畳敷きのスペースがあり、裏千家講師による「初めてのお茶教室」が毎月第2土曜日に開催されています。
約30分の体験は、1回1,500円でお茶をいただく時の作法のご指導だけでなく、参加者は、袱紗で茶器や茶杓を清め、茶筅を使い、自らお茶を点ていただくというもの。一般的な茶道体験では触れない、袱紗や茶筅などを実際に使うことで、いっそう茶道が身近に感じます。
外国人だけでなく、日本人でも、自分でお茶を点てたことがある人は、少ないはず。それが体験できるのは、なんとも魅力的。「こういう体験から、日本文化に関心を深めて頂き、着物を着る機会が増えたら…」というのが、実施されるワークショップの狙いです。
美味しいお菓子をいただき、自分で点てたお茶をいただく、楽しいひととき。
ほかにいけばな、型染め、京くみひもの教室という日本文化に関するワークショップも用意されて、事前に予約するだけで、何も用意しなくても参加でき、旅行の途中の楽しみにもなります。(有料)
私がワークショップの中で、特に心惹かれたのは、着物に関するもの。「ちくちく和裁教室」は、半襟の付け方をはじめ、ほつれ直しや寸法直しなどを和裁師の方に教わることができるそう。「頂いた着物があるんですが、どうもサイズが合わなくて~」という人には、嬉しい教室。
また気軽にゆかたや着物を楽しむために実施している着付け教室「室町きもの教室」は、月替わりに内容が変わり、10月は「自分で結ぶ半幅帯」で、大人の洒落た半幅帯の結び方なども教われます。これは、自分の半幅帯と腰紐1本を用意すれば、洋服の上から教えてもらえ、なんとも気楽。所要時間は約2時間で、1回定員4名、参加料は1000円です。私が以前から知りたかった大人の半幅帯結びが学べるとあって、「これに参加します」と、その場で申し込みました。
ワークショップは、すべて1回だけで参加でき、参加料も、また材料費が掛かるもの以外は、1000円台というのもかなり魅力的。
さらに毎月第4土曜日の13時~16時に開催の「きものよろず相談」は、着物に関するあらゆる悩みに専門家が無料で相談にのってくれます。「もらった着物にシミや汚れがあって、それをどうしたものか~」とか、「古い着物を直すには、どの部分をどうしたらいいか、費用を掛ける価値があるか…」など、いろいろな悩みに答えてくれます。
「呉服屋さんに持ってゆくと、なんか他の物も買わされそうで怖い…」という人も多いそう。でも、ここでは、専門家のアドバイスだけ。もちろん必要とあれば、悩みを解決できる専門業者も教えてもらえます。「タンスに眠ったままの母や叔母からもらった着物や帯を、どうしよう~」と思っている私には、ありがたい相談室です。
ぜひ、京都を訪れる時に、相談したい着物や帯を持って来てはいかがでしょ。着物の本場、京都には、着物のお悩みに対処できる専門家が多く、安心して任せることができます。
「どこに相談したらいいかわからない…」そんな人におすすめの場所。
タンスの肥やしの着物を蘇らせたい、もっと着物を楽しみたい…。「きものステーション・京都」を訪れて、秋に向かい着物への思いが募ります。憧れのきもの美人になれるかも…
きものステーション・京都
京都市下京区四条通室町東入ル函谷鉾町78 京都経済センター1F
☎075‐353‐1011 営業時間:11:00~19:00 木曜休
ワークショップなどの情報や申込みは、ホームページで
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」