湯の街・温泉津温泉に暮らす気分で滞在
島根県・温泉津温泉
島根県の松江市で仕事があったので、せっかくならばと温泉津(ゆのつ)温泉まで足を延ばして泊まることにしました。到着したのは夕方。閉店時間のぎりぎりセーフで震湯カフェ内蔵丞(くらのじょう)へ滑り込み、早めの夕食をとることに。
江戸時代に温泉津・石見の奉行をしていた内藤家に伝承の食事をモチーフにした「奉行飯」。鶏飯をベースに、五目の具材をあたたかな御飯にのせて、出汁をたっぷりかけていただく奉行飯と、薬師湯の源泉で蒸した、たっぷりの温野菜、温泉卵がセットになっています。
ちょっと疲れた体にも内臓にも優しいお食事です。
勢いがついて、デザートも注文。地元の無農薬のバラの花びらを使った薔薇シフォンケーキと薔薇の花茶です。ローズの優しい香りに包まれて女っぷりもちょっとは磨きをかけられるかと期待しつつ、今夜は温泉に入って眠ります。
温泉は外湯の「薬師湯」へ入りに行きます。なまずの湯口からかけ流されるパワフルな源泉。成分濃いめのナトリウム・カルシウム―塩化物泉で炭酸ガスもたっぷり。注がれた温泉からプチプチ泡が跳ねています。温泉分析書では二酸化炭素ガス484mgですが、薬師湯の湯船では、炭酸泉の個性を強烈に感じます。
源泉温泉45.3℃、ちょっと熱めの温泉に首までどっぷりつかっていると、じんじんきたきた~!塩と炭酸ガスがダブルで働き、全身の毛細血管が開いていく感じ。ぐるぐる血行促進して爆裂発汗!これぞ薬師湯の湯力です。全身の肌が紅潮してめらめらと要らないものが浄化される気分。顔色が元気になって肌つやつやピカピカ。うれしー。
温泉津にはゲストハウス的に利用できる体験宿泊施設があります。そのひとつが今回泊まった温泉津庵です。通常は2名~4名で利用する一軒家ですが、ご相談してひとりで泊まらせていただくことに。路地裏の一軒家。なんだか住人になったような気分でウキウキします。
温泉津庵(一夜の我が家)へは、温泉街のメインストリートから、こんな路地を入って行きます。裏へ出ると水路があって、小さな石の橋を渡ると温泉津庵の玄関です。
朝も、もちろん薬師湯へ。
薬師湯は洋館のレトロモダンな建物。2階へあがると、優雅な雰囲気の休憩室があります。窓からは温泉津の街並みが眺められます。
家に戻って、のんびり朝ごはん。冷蔵庫に用意されている食材を自由に食べて良いという楽しいシステムなのです。チェックアウトして、モーニングコーヒーをいただきに再びカフェへ。
温泉津温泉は湯治場や温泉暮らしの雰囲気が感じられる裏路地がいっぱい。そんな風景を眺めながら、温泉マークのカプチーノを味わいます。ほんの一夜の温泉暮らし。心がほっと温まる旅でした。
温泉津温泉 薬師湯
石井宏子
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