老舗の香木店「山田松香木店」が作った、
香木の香りがベースのハンドクリームとソリッドパフューム
寒さと乾燥(積み重なる年齢も…)で、手荒れが気になる日々を過ごしていた今年の冬。ある日、某外資系ホテルのスパで見つけたハンドクリームとソリッドパフュームに心惹かれました。
シンプルな白を基調としたパッケージで、「白檀」と「龍涎香(りゅうぜんこう)」の2種類の香りがある品々。柚や桜の香りという「和」をイメージしたものは、見たことがありますが、お香を思わせる香りのものは初めて…。どこの製品かとみると、なんと香木の老舗「山田松香木店」とありました。
「京都御所」の西、室町通沿いにある「山田松香木店(やまだまつこうぼくてん)」は、江戸・寛政年間に創業した香木の専門店。
平安時代頃から育まれた、香道を頂点とする日本の香りの伝統を今に受け継ぎ、多くの薫香の品々を作り続ける老舗です。
「源氏物語」にも登場する雅な香り…あらゆる日本の文化に、香りは不可欠な存在と言えましょう。華やかに香りを放つ西洋の香水などと異なり、「和の香り」は、仄かに漂う甘い香りの中に品格と静かさを併せ持ち、自らを強く主張しない、なにか寄り添うような奥ゆかしさを感じさせます。
ハンドクリーム50g 各1,320円(税込)
さて、まずハンドクリームを手に取ると、しっとりとしたなめらかな使い心地と共に、ほのかに甘い香りが手を包みます。それは今まで使ったことがあるハンドクリームとは異なる静かさと温かさを感じさせる香りです。
ちなみに「白檀」は、インドやインドネシアなどに産出する香木で、幹の芯の部分に含まれる精油が豊かな香りを放ちます。また「龍涎香」は、動物性香料でマッコウクジラの消化器内に生じるロウ状物質で、人を魅了する独特の甘い香りを持っています。どちらも昔から、その香りには、心を癒し、鎮めるパワーがあると言われ、今に至るまで、日本の暮らしの中に使われる香りです。
伸びがよく、保湿成分も配合されたハンドクリームは、それ自体も優れもの。香りの持続力もあり、パソコンを使いながら時々ツヤツヤ肌になった手を鼻に近づけると、ほんのり甘い香りが漂い、なんとも心癒されるよう。確かに料理をするときは、香りがちょっと気になるかもしれませんが、普段、香水を使わない方にも、外出時に使いたくなる、特別な品になるのではないでしょうか。
ソリッドパフューム10g 各1,980円(税込)
ハンドクリームより香りが持続するのが、練り香水のソリッドパフューム。アルコールベースの香水より、香り立ちもおだやかで、まさに奥ゆかしい香り使いになります。手首の内側や襟足などに、少量を馴染ませるようにつけるのがポイント。和服の時は、その香りの魅力をいっそう感じそう。
いずれの品も、大人の女性にこそ、ふさわしく、OURAGE世代の魅力を、奥ゆかしく漂わせる品になるのでは…。
山田松香木店
京都市上京区勘解由小路164(室町通下立売上ル)
☎075‐441‐1123
営業時間 10:00~17:30 年末年始・お盆休み
*ハンドクリームとソリッドパフュームは、オンラインショップでも購入可能。
小原誉子のブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」