ものづくりの姿勢を京都市に認められたファッションブランド
「マザーハウス京都三条寺町店」
ある日、京都に住む友人とランチの後、ショッピングを楽しみに三条通を歩いていた時、アーケードが始まる寺町通と交差する角にあるバッグが並ぶ店に立ち寄りました。
三条通は、明治からさまざまな洋館が建てられたハイカラな通り。また寺町通は、和紙店や香、組紐など老舗が店を構える、京都を代表するショッピングエリア。そこにある「マザーハウス京都三条寺町店」は、東京に本店をもち、国内および香港やシンガポールなどにも店舗を展開するファッションブランドです。
2階までフロアがある路面店には、バッグや小物などの種類豊富な品々が揃い、京都にも多くのファンがいるのです。
シンプルなデザインと独特のニュアンスある色が揃うバッグは、革製でも軽く、重いバッグが苦手な私にも使いやすそう。
なかでもリュックに早変わりするショルダーバッグは、旅行に重宝しそうな品です。たっぷり収納のバッグが多いのもうれしいこと。幅広い年齢層に愛されるデザインだとわかります。
実は、「マザーハウス」は、知る人ぞ知るユニークなものづくりブランド。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念の元、チーフデザイナーであり、代表を務める山口絵理子さんが、2006年にバングラデシュで、現地の特産品である麻素材(ジュート)でバッグを作ったことに始まります。
途上国にある素晴らしい素材や職人の技術との山口さんの出会いから、その国が持つ可能性を「ものづくり」を通じて世界に届けたいという思いをもって立ち上げられた「マザーハウス」。現在、バングラデシュ、ネパール、インド、インドネシア、スリランカ、ミャンマーの6か国に生産拠点を持ち、確かな腕を備えた職人やスタッフたちが、良質な素材を使い世界に通用するものづくりに従事しています。
この京都三条寺町に店を構える「マザーハウス」のものづくりの姿勢は、『SILK(京都市ソーシャルイノベーション研究所)』から高く評価され、2019年に、新たなサービスやシステムなどを生み出すことで、持続的に社会貢献をする「これからの1000年を紡ぐ企業」に認定されました。
*注「SILK」は『京都で社会的課題の解決を行うために独自の価値観を国内外に広めること』を目的に2015年に創設された研究所。
そもそもアジア諸国には、伝統的に優れた織物や染色の技術がありバングラデシュの天然素材(ジュート)にモダンなデザインを施したバッグは、これからの季節にピッタリ。
丈夫なつくりで、長く使えそう…。
また、1年を通じそばに置きたいのが、ネパールで紡がれたシルクやカシミヤなどのストールです。柔らかな肌触りは、良質の素材の証。旅に1枚あると重宝する逸品です。
なかでも、少し厚手のローシルク素材で作られた「京むらさき」色のストールは、京都限定の品(16,500円)。グラデーションの色彩で、撒き方によって雰囲気が替えられる優れもの。
「これ素敵~」と思わず見つめてしまったのが、宝石の産地スリランカのアメジストやローズクォーツなどのカラーストーンおよびミャンマーのルビーなどで作られたジュエリー。シンプルなデザインが、すごく今風で、カジュアルなファッションにもマッチします。
リーズナブルな値段も魅力的。特に誕生石など好きな2つのカラーストーンを組み合わせることができるネックレス(44,000円~)は、特別感もあり、贈り物にもしたい品。
さらに「このお財布も個性的で、いいわね~」と、四季をテーマにグラデーションに染めたレザーを使った財布やカードケースに、心惹かれる私です。
アジア諸国で作られた品々は、人の温もりが感じられるもの…。
京都のおみやげを探しに訪れる人も多い三条寺町エリア。そんな町歩きの時に、ぜひ立ち寄ってはいかがでしょ。
マザーハウス京都三条寺町店
京都市中京区三条寺町
☎075-254-8088
営業時間/平日12:00~20:00 土日祝11:00~20:00
定休日/第1・3月曜
小原誉子の京都の観光文化を伝えるブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」