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生き生きした女性たちにインスパイアされ 、南アフリカの健康食「ビルトン」を日本で起業

小野アムスデン道子

小野アムスデン道子

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、旅の楽しみ方を中心としたフリーランス・ライターへ。
旅と食や文化、アートなどライフスタイルについての執筆や編集、翻訳多数。
日本旅行作家協会会員。
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リアルにいろんなところに旅するのが難しいこの頃。でも、遠い異国での出会い、学びが人生にインパクトを与えたストーリーを伺うだけでも新鮮な刺激があります。人生もまた旅、今回はパートナーの駐在に帯同して行った南アフリカ(以下南ア)で、自分を大切する生き方を追求する南アの女性にインスパイアされ、現地のヘルシーで高タンパクなドライビーフ「ビルトン」を日本で製造販売している葉 真由さんを紹介します。

 

葉さんは、駐在先での子育てで出会った女性たちが、育児中も自分磨きをして、ものすごく自分を大事にしている姿にまずひかれたといいます。そして、勤務という形にとらわれない自由な働き方をしている女性も多いのだそう。そんな南アでフィットネスに関心のある人にはもちろん、1000億円市場規模の商品と言われるほどポピュラーなヘルシーフードが「ビルトン」でした。

小野アムスデン道子 ビルトンbilton

牛肉をスライスしてドライするビーフジャーキーに対して、ビルトンは牛肉をステーキサイズの塊のまま乾燥させるので、食感がしっとりしているのが特徴。いつでもどこでも食べられる「持ち運べるステーキ」という感じ。おつまみやおやつとして、ちょっと小腹が空いた時につまむのにもぴったりです。

 

日本にないこのビルトンを自分で作って起業するというのに驚かされますが、日本にいる時に生保大手に勤務して子育てしながらの勤務にたいへんな思いをしていた葉さんは「南アの女性の自由な生き方」がとても刺激になったといいます。「会社に縛られるのではなく、自分を大事にできる働き方を日本で創りたい」という気持ちで、自宅隣りの厨房で国産牛を使った「ヨウズビルトン」を作り始めました。国産牛を使い、味つけに酢などを使っている以外は、着色料・保存料も無添加です。身体にいいものにこだわりながら、商品検査を受けて、厚生労働省の販売許可を取ったそう。

 

小野アムスデン道子 ビルトン  bod ycontest

ビルトンの製造販売と同時に取り組んでいたのが、ベストボディ・ジャパンという肉体美と健康的な美しさを表現する大会への挑戦。南アは身体を鍛えるのが文化でもあって、葉さんもジムでのトレーニングはその頃からしていたそうですが、大会出場には鍛えられた美しさを見せなければいけません。食と適度な運動による身体づくりを自身で実践することでビルトンの販売戦略にもなると思いチャレンジ、見事2019年に優勝したそうです。

 

小野アムスデン道子 ビルトンMrs. contest

葉さんは、さらに今年はミセスジャパンのコンテストに挑戦しています。スピーチでミセスとしての生き方をアピールし、経験などバックボーンも問われまる大会です。2020年大阪代表に選出され、仕事と9歳、7歳、3歳の男児3人の育児と多忙な中でも、5月に全国大会に向けてフィットネスや美容にも気を払っています。時間を作るコツは「やってもらいたいことは遠慮しないで言う」ことだそうです。

 

葉さんは「日本ではまだ女の人が家のことは全部やらなきゃという文化があると思います。私も日本で専業主婦時代はそうでした。それが南アでは、男性の育児参加が普通で、それを目のあたりにして日本のこの文化を変えていきたいと思ったんです」と言います。

 

小野アムスデン道子 ビルトン banana

お母様が潰瘍性大腸炎になられたこともあり、ビルトンの次には腸活や腸によい食品に注目。南アの高地で無農薬・自然栽培されたグリーンバナナを使った「グリーンバナナフラワー」も販売しています。これは、グルテンフリーで小麦粉の代替として使えるほか、ヨーグルトやスムージーにそのまま混ぜて食べられますが、レジスタントスターチという吸収されずにそのまま腸まで届く難消化性デンプンで善玉菌の餌になるのだそう。これは南アのバナナ農場で作られていて南アの雇用増に少しでも貢献できればという気持ちもあるそう。

小野アムスデン道子 ビルトン 葉さんsouthafricaにて

ビルトンなどの製造販売、ミセスジャパンコンテストへの挑戦、そして3人の子育てと大忙しですが、基本にあるのは食べて健康、美&元気を大事にすること、そして自由な働き方を実践しているという張り合いも。南アで同じ育児中の女性たちから受けた刺激はいまも葉さんの支えになっています。

 

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