軽井沢近辺でも降雨量が少なく、晴天率の高い御代田。浅間山の麓に位置し、広大な敷地を有する「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」は、豊かな森に囲まれ、縄文時代の人々が暮らしていた場所に建っています。息づく植物にもパワーを感じます。
その本館5階のオールデイダイニングにて、新緑の美しい6月に、植物療法士の森田敦子さんとのコラボレーションによる、食とフィトテラピーのワークショップが開催されました。
2020年9月ローンチの日本初の植物バイオメソドロジー(バイオ植物療法)のライフケアブランド「Waphyto」は、日本の風土で育まれた植物の力を最大限に引き出して作られた、森田さんの22年の研究の集大成。それをホテルで初めて導入したことがきっかけで、植物の力と、その取り入れ方をレクチャーしていただくことになったそう。
エネルギーのある場所とは? 植物の成分を最大限に引き出すには? そこには、なかなか聞けない興味深いストーリーがありました。
ワークショップが行われる、ホテル5階のオールデイダイニング「ラ・ルミエール・クレール」のテラスからの山並みと御代田の町の眺めは、青い空に映え、風が心地よく空気は清々しく、ここにいるだけで浄化されそうな気配に満ちています。
向かって右が森田さん。左のビューティージャーナリスト安倍佐和子さんとのトークセッションからスタート!
「実は、「Waphyto」と「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」には共通点があったのです。
Waphytoのある東三河地方は、世界有数の断層帯、九州から関東へ横断している日本一の長さの「中央構造線」上に位置していて、地球上でもっともエネルギーの溢れる場所として知られています。「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」もこの中央構造線上にあるのです。この巡りあわせには、ロマンを感じましたね。
ここから少し南には、「ゼロ磁場」という地球の持つプラスとマイナスのエネルギーが拮抗して大きなエネルギーを生み出しているパワースポット「分杭峠」もあります。ここのパワーは世界最強レベル。そして、火山の吹きあがりでできた断層は、2億数千年前の古いところと、数千年のところなど、異なる地層が接するところがあり、「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」もそういった場所に立つからこその、豊かな恵みを大地からもたらされているのです」
森田さんが大切にしている言葉、「身土不二(しんどふじ)」=「身体(身)と環境(土)は一体で、身体を作る食べ物は環境が育てる」を体感できる場所といえそうです。
「今回はその恩恵を受け、豊かな大地で育った植物の、しかも5月のある時期のものでないと取れない成分を抽出してきました」
それは、森田さんが5月にここを訪れてシェフと敷地と森を歩き、これだ! とお互いに閃いた、料理にも生きる2つの植物の成分『アカマツのエッセンシャルオイル』と、『ルバーブの水溶性成分』。
シェフが自ら、5月にしか採れない柔らかいアカマツの新芽と実をたくさん集め、ルバーブとともに東三河に送り、それを森田さんが2週間で抽出、テスト、チェックをして完成させた貴重なもの。
「この時期のアカマツの新芽と実には、エイジングケアに有効なレスベラトロールが豊富に含まれています。ポリフェノールは6000種くらいあると言われていますが、その中でも、糖の代謝をよくしてくれ、細胞を作るエネルギーになっていくトランスレスベラトロールが多く含まれ、これはアカマツの芽から、飽和水蒸気圧を使い35℃の沸騰で抽出します。実に含まれるアントシアニジンは血行をよくする作用があり、こちらは45℃で抽出します。
レスベラトロールは、サプリなどでもありますが、お肉と一緒に食物として食事の時に摂ると、相乗効果が倍増するのです。
ルバーブのフラボノイドも、この時期、リコピン、フリスキンなどが豊富で、この色素成分は、血流やむくみにいいですね」
この貴重な2つの成分を使って、まずはオリジナルインナーリキッドを作り、そのあとは、シェフの特別メニューで堪能します。
森田さんが東三河で完全無農薬で作っている、ベースになるゴツコラ、スギナ、桑、ヨモギ、菊、レモンの花の成分に松の実の油性成分を加え、御代田近くの純度の高い名水、黒曜石の水と合わせたローションのベースに、6つのフィトテラピーのオイルから好みのものを選んで加えます。
1から6まで、それぞれ4~6種類くらいのアロマオイルを森田さんが組み合わせています。ユーカリやティートゥリー、ラベンダーやネロリ、ベチュバ、フランキンセンスなどなど。
それぞれ、リフレッシュから鎮静、自己肯定感、感受性を豊かにする、センシュアルといったコンセプトで配合されていて、無意識に自分が欲しているものを選ぶものだそう。
先のリキッドを瓶に入れ、1~6から選んだオイルを、注射器で取って加えます。ちょっと実験ぽくて楽しい作業!
できたオリジナルローションは、ほのかに良い香り。お風呂上りにたっぷり取ってばしゃっとつけたい感じです。
ワークショップを終えると、お部屋でまずは、大きな窓を開けてゆったり大塩温泉の半露天風呂に浸かると、たちまち副交感神経が優位になっていきます。
お部屋や施設については、前回の森のグラン・オーベルジュ「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」の記事を参考にして下さい。
2階のラウンジのテラスも寛げます。夕方、日没前の風が涼やか。
5階のオールデイダイニング「ラ・ルミエール・クレール」のテラスで夕焼けを眺めてからディナーに向かうのも素敵です。
柳原シェフとWaphytoのコラボメニューには、前出のアカマツやルバーブ以外にも、豊かな信州の食材が溢れています。
鮎には、オメガ3を豊富に含むナッツのプラリネと、葉物を合わせていました。
葉物にはジアスターゼやビタミンCが含まれているなど、メニューに詳しい栄養素の解説もあって、食材の成分や力を理解しつつ食べるのが面白い!
ハタに合わせた根曲竹は、ビタミンKをはじめ、カルシウムやミネラルがいっぱいとか、ソースにアカシアのポリフェノールが加わると、糖の調整ができてダイエット効果にもなるなど、さまざまな知識が読めるのも楽しいのです。
山ブドウのポリフェノールは、脂質代謝や血液の循環を高めてくれると読むと、思わず家でも山ブドウでお肉料理のソースを作ってみようかなと思ってみたり。
よもぎのフロマージュブランは、ほんとうにヨモギの香りが高く、御代田特有の土と植物のパワーを実感!
ヘモグロビンも活発に生成され、粘膜や肌や髪に生かされる気がしてきます。
フルコース食べてももたれない、野菜もふんだんな柳原シェフのディナーの後は、星空を眺めてまた温泉に浸かって、おやすみなさい。
翌朝は、アカマツの成分を含んだハーブティの入ったPOKETLE(タンブラー)を携えて、Phyto散歩へ。
まずは料理にも使われている、野菜やハーブ、花が育てられている温室に向かいます。
とにかく野菜がみずみずしい!!
トマトのひげの密度と長さを見ても、いかに生命力にあふれた、力のある野菜が育っているかがわかります。
野菜はぷりぷり、葉も美しい緑で勢いがあり、ここの野菜を朝食で食べられるとは、なんたる幸せ! と思えます。
エッセンシャルオイルをつくったアカマツもチェック。もう5月の状態とは違います、と触らせてもらいます。
左が森田さん、右が柳原シェフ。
ちなみにこちらが5月の新芽と実。これでないとパワフルな成分が抽出できないそう。
このあと森の散策路を、森田さんとシェフから草木の見方、使い方などを教わりながら散歩して、ほどよくお腹がすいたところで朝食へ。
5階のオールデイダイニングは、真ん中に暖炉があり、どの時間に訪れてもほんとうに気持ちいい眺め!
朝食には、ふんだんに新鮮な野菜が供されます。
まずは、野菜と豆のスープ。
季節のサラダはしゃきしゃきで、噛むと水分が溢れ出て、みずみずしさを感じます。
ポーチドエッグには、アスパラと、きたやつハムの生ハム。
ジュースやヨーグルトも含め、地元の製品が充実しています。
朝食をもって、イベントは終了。なんだか体の中から元気になったような気がします。
Waphytoの製品は、お部屋のアメニティで試せますが、1階のラウンジに製品も置いてあり、購入も可能。
植物の自然な香りと、驚くほど伸びのよいテクスチャー、肌がすべすべもっちりする感触に、しばし肌を触っていたくなったりします。
今回の、自然と料理のマリアージュの素晴らしさは、自然のもたらす恵みへのリスペクトへとつながり、「身体は食べているものでできている」ことを自分自身の身体で感じる体験になりました。
この土地の恩恵を受けて育った食材を、この森に囲まれた同じ場所の光と空気の中で味わえることは、至福。
7月16日まで、森田さんの監修で食とフィトテラピーのマリアージュを体験できる、「日本の植物の恵み Waphyto ×HIRAMATSU」1泊夕朝食付プランを実施中。
夕食はWaphyto監修の特別ディナー、朝食は東信州の恵みを味わう洋朝食+Waphyto「インナーリキッド」をお一人1本プレゼントという内容です。
長野県佐久郡御代田町大字塩野375-723
☎0267‐31‐5680
¥54,100~(2名1室利用の1名料金 夕朝食付 税サ込)