京都の町中「京都文化博物館」そばの姉小路通沿いにある「京都鰹節株式会社」の中京営業所。そこでは、毎月24日に鰹節や利尻昆布をはじめ、さまざまな和食に欠かせないだしの特売が行われます。
たまたまその日に前を通りかかり、引き寄せられるように品々が並ぶ仮設ショップを覗きました。
明治10年創業の「京都鰹節株式会社」は、京都の有名料理屋さんをはじめ、国内外のさまざま飲食業界へ幅広く品を納める老舗のだしの専門店。この地で鰹節卸業を始めた創業者からだし一筋、現在は若き志村紘之さんが4代目の社長を務めます。
京都の本社をはじめ、大阪、金沢、東京にも事業所を開設、さらに長年培ったご縁から、優れた食材を育む産地と直結した工場で、上質で豊かな味わいの品々を作り続けているのです。
毎月24日の「フシの日」には、通常中京営業所として機能するビルの前に仮設ショップが設けられ、自らお客様に声をかけ、品を説明なさる会長の志村雅之さんと社長の志村紘之さんの姿が…。
「日本の食の豊かさを支えるのは、だしのパワー。良質なだしを使うことで、料理の美味しさは格段に違うんですよ」と社長さん。
仮設ショップに並ぶ、利尻昆布や削り節…これを使えば、確かに美味しい料理ができそう。
でも、なかなか本格的にだしを取るのは大変…と正直思ってしまいます。
「それなら、これがおすすめ~」と会長さんが紹介してくださったのは、「京の出会い」という名のだしパックです。
このネーミングは、さまざまなだしの素材が日本料理の本場、京都で出会い、美味しいだしになるという思いから。添加物(化学調味料、酵母エキス、タンパク加水分解物)などを一切使用せず、塩などの調味料も使っていない、いわし、さばの削りぶしと昆布だけのシンプルなもの。
でも、そこに使われる原材料は、プロの料理人が認める業務用のものを使用し、まさにプロの味が家庭で簡単に味わえるものだそう。
「これならできそうです~」と、手間のかかる料理が苦手な私でも大丈夫そう。
さっそく自宅でだしづくり。銀色の袋を開封した途端、フワ~っと美味しそうなだしの香りが漂ってきました。説明書の通りに、水500mlにだしパックを1個入れて、沸騰したら弱火で10分煮だします。
煮だしている間、家に漂うだしの豊かな風味。それだけで食欲が刺激されます。
味噌汁でこのだしを使うと、味噌を少な目にしても旨味たっぷりなので、塩分も自然に抑えられた美味しい味噌汁ができました。
そもそも日本のだしは、昆布の「グルタミン酸」と削り節の「イノシン酸」など健やかな体を保つために欠かせない成分がたっぷり含まれています。
この2つの素材の組み合わせは、旨味自体をもアップさせると同時に、体に必要な成分が吸収できる優れた食材。
元気いっぱいの会長さんとスベスベ肌の社長さん…う~これもだしのパワーかと密かに思う私です。もっと本物のだしを活用した料理を作りたいもの。
なんでも、このだしパックなどがセットされた詰め合わせは、おうちごはんが増えた今、贈答品に喜ばれる品として人気急上昇。
これは、関東風のすまし汁の雑煮にぴったりと、今から正月を楽しみに…。
さて、帰りがけに目にした「京風味付にしん姿煮」。
大晦日の年越しそばに京都らしい「にしんそば」が自宅で味わえるここ特製の加工食品パックにも心惹かれます。
この冬もコロナの影響で、年末年始をおうちごはんで過ごす人も多いはず。
いずれもお取り寄せができると聞き、東京の親戚にさっそく知らせることに。
毎月24日の特売日には、ここが手がけるレトルト食品や冷凍食品も多数登場。
もし京都にその日に来たら、ぜひ立ち寄っては…。
(1月、2月はお休み10時から17時)
おうちごはんで京都を感じる…そんなだしのご紹介でした。
「京都鰹節株式会社」中京営業所
京都市中京区姉小路高倉東入ル
☎075-265-4124
京都の文化・観光を伝えるブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」