古都奈良でゆったり街歩きを楽しもう!
神のお使いとされた鹿たちが静かに草を食む奈良。緑の春日山原始林、興福寺五重塔を水面に映す猿沢池など、心地よい気の流れを感じるのは、さすが1300年以上の歴史を持つ古都。そんな奈良で、大人の立ち寄りスポットをご紹介します。
近鉄奈良駅前から続く昔ながらの「ひがしむき商店街」にある創業1863年という良質の麻織物「奈良晒(ならざらし)」のお店が「麻布おかい」です。奈良晒は、武士の裃(かみしも)などにも用いられた高級麻織物で、奈良の伝統工芸品です。店内には手触りのよいふきんやかわいい財布などの奈良晒を使った品がいっぱい。
元興寺の旧境内に江戸時代からの町家が並ぶ「ならまち」もそぞろ歩きが楽しいエリア。今や全国的にも知られる「中川政七商店」も1716年にこの地で奈良晒の商いを始めたのが起こり。築130年の町家で麻のものづくり体験(土日開催、要予約、限定ポーチ付き3,850円)ができる布蔵や、洒落た品が並ぶショップと飲食店が入るガラス張りの新しい「鹿猿狐ビルヂング」も覗いてみて。
荒池のほとりに立つ「奈良ホテル」は、1909年の開業から数々の著名人が訪れた歴史あるホテル。瓦葺きの建物のなかに足を踏み入れると、赤い絨毯の敷かれた大階段があり重厚な雰囲気です。
御簾(みす)や和風のシャンデリアが部屋を飾る210号室は、オードリー・ヘップバーンが宿泊した部屋。重厚なマホガニーの調度品は当時のものをメンテナンスして、今も使っているそう。
本館一階「ザ・バー」では、「ラストエンペラー」溥儀(ふぎ)が訪れた時に新調された美しいエッチングの入ったクリスタルグラスで、ブランデーベースのカクテル「サイドカー」(2,600円)を飲むことができます。
奈良公園に佇むスモールラグジュアリーリゾート「ふふ 奈良」は、大和張りのシックな黒い外観。「庭屋一如(庭と建物の融合)」をテーマに隈研吾氏が設計し、石組みと植栽が美しい中庭は日本を代表するランドスケープアーキテクトの宮城俊作氏によるもの。
別棟のレストラン「滴翠」のランチメニュー「和漢の香り 焼きカレー」は、クチナシライスに薬膳カレーとチーズをかけて焼き上げた一品。すごいボリュームに見えますが、体によさそうな薬膳カレーに焼きチーズがとてもマッチしてペロリといけてしまいます。飛鳥のなめらかプリンも付いた写真のセットが1,800円、単品980円とお手頃です。