よく「ダンナのせいで、私の人生、不幸になった」みたいなことを言う人がいますよね。私も以前、その手の知人に泣き言を言われたことがあります。その人のダンナは大学教授なんだけど、遊び人で、家庭をかえりみない人だったために、自分はひとりで苦労したというんですね。たぶん私に同情してほしくて、そんな話をしたんでしょう。
最初のうちは、私も「そうですか、大変ですね」って聞いてたんだけど、「私の不幸は、すべて旦那のせい」みたいなことを言うから、だんだん腹がたってきて。「あの〜、そんなに嫌なのになぜ離婚しないんですか」って…言ってしまいました。
そうしたら、「子どもがいるから離婚できなかった」みたいなことを言うから
『違いますよね。あなたは、離婚して、ひとりで苦労しながら子どもを養っていくのと、大学教授に養ってもらうのと天秤にかけて、養ってもらうほうがいいと判断したから離婚しなかったんじゃないですか!?そもそも“うまくいかないのは、全部ダンナのせい”と言うけど、ダンナから与えられたものについては何ひとつ言わないのはおかしいし、離婚しないと決めたのは、自分なんだから、自分の決断に覚悟を持つべきじゃないでしょうか』
と、言おうかどうしょうかためらっていたら…残念!!
『なぜ離婚をしない!?』のくだりで私にめげたらしく、先手を打たれて泣き出されてしまいました。くっそ〜どこまでも被害者ポジション取る…プロだわ。
いやいや、相談した相手が悪かったわね(笑)。
でも、「悪いことは全部人のせい」って、どうしたらそこまで厚かましくなれるのかと思いましたよ。もちろんダンナも悪いのでしょう。しかしね、そういう男を結婚相手に選んだのも自分(親に決められたと言ってたけど、逃げることもできます)、離婚しないでいるのも自分。裏を返せば、自分の選択次第で幸せにも不幸にもなるってことです。
お勉強ができても、馬鹿な選択をする人が、たくさんいます。
自分を幸せにできるのは自分しかいないのだから、自分を正しく愛して、甘やかさないで、幸せにしてあげてください❤
「淋しい大人たち」(RMC『有閑倶楽部』第12巻収録)
取材・文/佐藤裕美