「そんなの当たり前じゃん!」って、思った人もいると思うけれど、「考えている」って、ただぼんやり考えるんじゃないの。しつこくしつこく思い続けるというか、これでもかというくらい求め続けるという感じですね。
たとえば私は、子どもの頃から、「フランス落としの窓がある洋館に住みたい」とずーっと考えてました。えっ、「フランス落としの窓」って、どんな窓かって?
それは洋館建築で使われる窓で、いわゆる日本でよくある横開きのサッシとは違って、両開きになっている窓のことです。このフランス窓を下部で固定する錠を「フランス落とし」っていうのよね(ドアなどでもフランス落としは使われているから、見ればわかると思うけど、詳しくはネットで調べてね)。
子どもの頃、洋画でこの窓を見て以来、すっかりとりこになって、「いつかあんな窓のある家に住みたい」って、10年も20年もず〰️〰️っと呪いのように思い続けて、漫画にも描きまくり、そしてついについにフランス落としの窓のある三角お屋根の、近所の人に不二家と言われた洋館を建てたのじゃ〰️〰️!!
つまりね、何が言いたいかと言うと、いつもいつもそのことを思い描いていると、チャンスが訪れた時に、脳がすぐさま反応して行動に移すことができるんですね。だから針の穴ほどの小さなチャンスも見逃さず、AからBへ、BからCへと、どんどんチャンスを広げていくことができる!!
たとえばファッションが好きな人だったら、電車に乗っても人の服が気になるだろうし、「ウ~ン、ブローチだけはかわいいけどトレーナーにはやめようよ」「あのブーツ、素敵だなあ。どこで買ったの?聞きたい〜」なんて観察してるから、情報がいっぱい集まってくるし、流行にも敏感になるし、自分もおしゃれになるんだと思うの。
一条の体験だけど、『嫌い』が多いと不愉快で不自由で、『好き』が増えると楽しくて自由になるなあと思いました。好き嫌いの話なんだけどね、一条は野菜のほとんどが嫌いだったので、外食が大変で、特に日本人でネギが嫌いだとまー面倒くさくて最悪です。
努力してどんどん野菜を克服して、いい歳してアレ嫌いコレ嫌いって言わなければいけない外食時のストレスが減って、安心して食事が楽しめます♡
だから、何を考えるか、何を好きか、何に興味があるかで、その人の人生は決まるんだから、何歳になっても、好きなことが増えれば増えるほど人生が鮮やかに色付くと思います!
「砂の城」りぼん1978年12月号扉
取材・文/佐藤裕美
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「不倫、それは峠の茶屋に似ている
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