私の昔の知り合いに、寂しがり屋の女がいて、本当は超うざいんだけど、最初のうちは男にすごいモテる!確かに「寂しいの」「家に帰りたくない」「一緒にいたい」ってそこそこの女に言われたら、「こいつ、かわいいな。俺をこんなに慕ってくれて」って男は…ねぇ…なるんですよ。据え膳食わぬは男の恥とか、よく分からない恥が頭をグルグル占領して、危険な据え膳に手を出すわけですよ。
でも、ずっとその調子でつきあってると、男のほうがだんだん面倒臭くなって、「うざいな、こいつ」って、結局フラれちゃうの。
これは人間の性だからしょうがないんだけど、人間って求められるとうれしいのよ。でも、たくさん求められるとうざいのよ(笑)。だから恋愛では、ここの調整が実に難しい!
しかも気をつけないといけないのは、つきあう相手によって、キャパの量が違うってこと。キャパの大きな男にはたくさん求めてもなんとか大丈夫だけど、キャパが小さくて、いつもギリギリのところでボールを返してる男に、さらにもうひとつ求めたら、キレるか、折れるか、逃げるか。どっちにしろ無い袖は振れませんからねえ、早いか遅いかの差はあれど間違いなく、フラレます!だから、相手の許容量を見抜く賢さが必要なんだよね。
これがいわゆる“恋の駆け引き”ってことで、押したら逃げるけど、じゃあいいやと引いたら向こうが追いかけて来る、みたいな。そういう塩梅というのが恋愛には大事で、最初にうまくいったからと言って、ずっと同じことしてちゃダメなのよ。
そしてこれを計算じゃなくて、天然でやれる人がいて、それはもう天性の才能ね。他人を引き付けて離さない…そういう間合いをはかれる女が、銀座でお店なんか出したら最強よ(笑)。しかもこのテクは死ぬまで使えます!!
「私はそんな駆け引き、絶体できない」って思う人もいるだろうけど、じつはこのテク、仕事の人間関係でもとっても役立ちます。しかも死ぬまで使える(笑)。
身につけて絶対ソンはないと思うので、途中経過のハイリスクハイリターンは勉強代だと割り切って、ぜひ自己責任で研究、実践してみてください(笑)。
「砂の城」集英社文庫<コミック版>
取材・文/佐藤裕美
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