若い頃、友だちの家に遊びに行った時、最初は椅子に座って飲んでるんだけど、時間とともに、みんなだんだん床に座り始めて、そのうち、みんなで車座になって、気がつくと一人倒れ 二人倒れ…最後には私と誰かが二人で飲んでるーーな〜んてことがよくありました。人間って視線が低いと不思議と気持ちが落ちつくのよね。
そして、最後に残った二人がいつの間にか恋に落ちる!なんて話は全くなかったな。
視線が低いとお互いに心を開きやすいし、狙ってる彼とも親密な関係になりやすいはずだが、一条の場合、心の開かれ方がすぐ悩み相談になったり、意見の交換会になったりしてだな、結果、男女の域をさっさと飛び越えて人としての友情が…。
いや別に狙ってる彼とかじゃないからいいんだけどね、どうも男兄弟の中で育ったもので、男をほとんど意識しないこの性格がなせる技でしょう。
まあそんな昔のことはどうでもいいとして、「断捨離」とか「スローライフ」とかいう言葉が流行りだした頃から、背の低い「ローインテリア」っていうのも流行ってきたよね。
座椅子やローテーブル、低めの本棚など、立った時の目線の高さより家具を低くすることで、家具の圧迫感が消えて、座ると目線から天井までの空間が広がるから、部屋がかなり広く感じられて、ゆったりとした余裕が生まれるのよ。
そのぶん、収納スペースは減ってしまうけど、ミニマムな暮らしが今の流行りなんですよ。広々とした開放的な空間は、落ち着いて過ごすのにぴったりで、精神的にも安定感をもたらしてくれるはず!
そもそも日本人は長いこと畳生活だったわけだから、地べたに座るほうが絶対落ち着くのよね。なんて、美しいことをダラダラと書いてきたけど、実は一条は、ミニマムな暮らしは他人の家ならウエルカムだけど自分家は嫌だな、って言うか無理!
必要最低限度の家具って、コーヒーカップや湯のみだったらきっと2個か3個よね。今調べてみたら湯のみ60個以上、コーヒーカップとマグカップ合わせたら50個以上あった!!
一条的に言わせてもらえば、心の余裕や 潤いって一見無駄なところから生まれるような気がする。生活するだけなら花もいらないし、音楽も絵画もファッションも必要ないでしょ。好きなものをアレコレ見て、好きなものに囲まれて暮らしてこその精神の落ち着きです。
そして、ゆったりとした潤いのある開放的な空間を望むなら、日本が誇る究極のリラクゼーション設備!温泉旅館!!コレにまさるものなし!!
なんのことはない、温泉旅館でリラックスしたいぞという、一条の心の叫びでした。
「有閑倶楽部」集英社文庫<コミック版>
取材・文/佐藤裕美
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