以前、漫画の神様・手塚治虫先生が、『若手の漫画家さんにライバル心を燃やしていた』という話をここで書いたんだけど、そういう人だから、つねに自分をアップデートできて、最前線にいられたのかと感心したもんです。
で、もうひとつ、あまり知られていない手塚伝説パートⅡ!いきまーす!!
漫画家のギャラって基本1ページいくらで、手塚先生のギャラって日本一高いんだろうなと、普通考えるよね?一条はもちろんそう思ってたんだけど、その昔小学館の編集さんに聞いた話だと想像より安いって。もっと高い人もそこそこいるって!
うっそ━━!!この日本のどこに手塚先生よりギャラが高い漫画家がいるっていうのよ!?それはありえないと文句を言ったら、どうも本人希望で値上げをしてないみたいなのよね。
出版社は、「上げないと誰々さんより安くなってしまいますよ」って心配したらしいんだけと、漫画の神様は断ったらしい。
その理由がね、すごいのよ、びっくりした。ギャラがあまりに高くなってしまうと、自分がちょっと落ち目になった時、ギャラの高さが足を引っ張って仕事をもらえなくなってしまうから嫌だと。
自分はもっと気軽に仕事を頼んでもらいたい。いろんな挑戦をしてみたいのにギャラが高かったら失敗できないから、安全な道を選んでしまって、冒険もできないと言うんですってよ〰️〰️!! 手塚先生━━!!まさにあなたは神です!!
確かに高いギャラをもらったら、それに見合う仕事をせねばと守りに入ってしまいやすくて、確かにアレコレいろんなことに挑戦できなくなって…しまいそう…だわね。
手塚先生は超多作で、描いてないジャンルはないんじゃないかと思うほど、あらゆる方向性の作品があるけど、実験的にいろいろ描けたのは、そういう理由もあったのね。
すっかり手塚魂を注入された一条は、神と同じように「ギャラをあげなくていい」と、数年ほど言っておりました。この頃、一条は集英社「りぼん」の専属で、毎年専属契約更新の手続きがあって、毎年着々とギャラが上がっておりました。ふふ、そうなの。気前がいいのよ集英社。
そしたらね、ある時、「今年、上げなかったら●●さんのほうが一条さんより高くなりますけれど、いいですか?」って言われて、『エッうそ!それは考えなかった ちょっと待て』と思わず神のことなどすっかり忘れて「嫌です!!上げて!!」と即答(笑)。
ついでに「何年もあげてなかったんだから、今までの分もまとめて上げて(媚)」ってお願いしたら「それは無理です」って断られた。❨•д•❩チッ
なんでよ〜いいじゃん、そのくらいしてくれても!集英社のケチ━━!!
コーラス2008年3月号表紙
取材・文/佐藤裕美
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