里中満智子さん以外にも漫画家さんが来てくれました。主賓は本宮ひろしさん。じつは数回しか会ったことなかったんだけど、お願いしたら来てくださって。「一条さん、すげえモテてって、 誰と結婚するかと思ったら、この人ですか」みたいな感じで、笑いをとって盛り上げてくれました。さすがですね。
あと、のがみけいさんは、羽織袴で『高砂』を踊ってくれてカッコ良かったな。
料理は、予定通りもちろん中華!フレンチなら帝国ホテルがいいけど、中華ならやっぱオークラの「桃花林」でしょ!!なぜ 一条が中華 にこだわるかと言うと、ズバリ!花嫁でも食べやすいから!
新郎新婦のマナーというものがあってね、誰かがスピーチしてる時は料理に手をつけてはいけないのよ。スピーチしている人の顔をしっかり見て、ふむふむと微笑みながらリアクションしないといけないのよ!まあ確かにね、スピーチ中にガンガン食べてる花嫁って見たことないわ。
よござんすよ。わたくしも大人ですから、そのくらいのルールは守ってあげてもよろしくてよ。じゃあいつ食べるのかというと、スピーチとスピーチの間しかない!ってことは、大きな皿にナイフとフォークをたくさん使うフレンチよりも 、お箸とレンゲでちゃちゃっと食べれる中華の方が断然フットワークが軽いじゃない。
っと思ったけど、これがなかなか食べられなくて、小さなお皿に盛られた新しい料理が目の前にどんどん増えてくる。あぁ〰️〰️食べたい━━!!
それにしても、花嫁用に取り分けられた料理って…少ない!!どうせ食べないと思っているからチョットしか取り分けてないんだろうけど、冗談じゃないわ! 食べるわよ!何のためにここに決めたと思ってるのよ。
よし!スピーチが終わった!食べるぞと思ったら…お色直しで花嫁だけ退場。仕方なく泣く泣く立ち上がってふと横を見たら、給仕のお兄さんがたくさん溜まった私の料理を片付けようとしてるじゃありませんか!!
ちょっとぉー!何してんのよおーーーー!!と思った瞬間、口からポロリと出たセリフがコレよ。「片付けないでください!!食べますから!!」
「へっ?」って顔して固まってるお兄さんを睨みながら退場。心がすっかり乱れた 一条は、この後お色直しの黒いドレスにタバコの灰を落として穴をあけたりとか、まあ いろいろあったのですが、無事に料理は完食しました!花嫁係の担当者に聞いたら、完食した花嫁はいないそうです。ふふ♪
北京ダックもフカヒレのスープもおいしかったけど、エビフライがすごくおいしかった!きっと生きてるエビをすぐ揚げたんだと思うんだけど、あまりのエビのうまさに感動して誰かが勝手に大量追加注文したことが判明!あせったホテル側はなんとかエビを調達したらしい(オークラ内の他の店に)。
一人で20匹も食べたヤツがいた!!ウソ‥でしょ…結婚式の披露宴に、勝手に料理を追加オーダーするヤツって何?何言ってもいいとは確かに言ったけど、何してもいいとは言わなかったわよ。樽酒のせいか、無礼講のせいか、主催者も招待客も常識知らずの結婚披露宴だということは間違いない!
笑えるのは後で見た披露宴のビデオ。
スビーチを聞いている時、確かに食べてはいない!しかしその手には、しっかりと握られている箸!スビーチの間中、箸は決して置かれることはなく、スピーチが終わるやいなや、箸大活躍!いやあ…客観的に見た自分の姿に大笑いしたわ。すきあらば、食べる!!(笑)
そうよ。食べることは生きること。結婚生活は7年で終わったけど、まだまだ一条は食べるために生きて、ダイエットして、生きるためにまた食べる!
有閑倶楽部の6人の中で私に一番似てるのは悠理か!?
「有閑倶楽部 剣菱家の事情」りぼん1988年1月号
取材・文/佐藤裕美
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「不倫、それは峠の茶屋に似ている
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